甘くて弱くて美しい
7月1日に東急シアターオーブにて宝塚歌劇宙組公演「ZORRO」を見てきました。
宙組新トップスター桜木みなとさんのプレお披露目公演でした。
観劇していちばん印象に残ったことは、こんなにトップスターに遠慮がない宙組生をはじめて見た!でした。
宙組のトップスターといえば1998年組発足時の初代トップスター姿月あさとさんからはじまって先代の芹香斗亜さんまで全員が、『すでに他組で活躍していたスターが異動した宙組でトップに就任した』パターンでした。
桜木さんが10代目にして初の宙組配属宙組育ちのトップスターな訳ですが、ともに新人公演のお稽古をしてきた、あるいは番手スターとなるまでの成長の過程を身近で見てきた人がトップスターに就任すると組子はこんなかんじになるのかぁと思いました。
さて「ZORRO THE MUSICAL」についてですが、宙組生によるフラメンコのパフォーマンスが素晴らしい作品でしたが、物語にはいまいち入り込めませんでした。
声でわかりそうなものなのに察しの悪いヒロインだな。マスクのオンオフでの二面性を表現しているのだろうけど、一方は情けない腰巾着、もう片方はマスクで顔がわからないじゃ主人公にときめかないなぁ。などなど。
なぜそうなるの?という疑問が解決されないままに物語がすすむので釈然とせず、登場人物の感情にリアリティを感じることができませんでした。
いちばんリアリティを感じたのは、父親に見捨てられた敵役のラモン(瑠風輝さん)の心情だったかなぁ。
主役のディエゴに関しては、ロマの仲間と行動を共にしその人生観に触れて息苦しさから解放されたように見えるのに、恋人にはロマのイネスは選ばないんだなぁ。疑いもなく自分とおなじ支配階級の娘ルイサを選ぶんだなぁ。とそういうところもわだかまりを感じて推せない主人公でした。腰巾着をしている姿も必要以上にカッコ悪いのもあって。
そんなディエゴをかばって命を落とすイネスへのやるせなさばかりが募りました。心弱っている人をほうっておけない、ついついケアする立場にまわってしまうイネスに胸が痛くなったりしながらも登場人物のなかでいちばん好きでした。
自分をかばってイネスが亡くなったばかりなのに即ルイサと結ばれる展開もディエゴに惹かれなかった理由かもしれません。
好きだったところは、泉堂成さんのホアキンが登場するたびにいつも謎にかっこよかったこと。少年ディエゴの美星帆那さんと少年ラモンの梨恋あやめさんが可愛かったこと。幕開きの小春乃さよさんと嵐之真さんの歌。物乞いのときの不思議な歌(前回大劇場公演でお顔を覚えた風翔夕さんも歌ってた!)。フラメンコとジプシー・キングスを大勢で歌い踊るところ。1人ひとりが輝いていたところ。です。
パフォーマンスには満足で次回の大劇場公演が楽しみだなぁと思いました。
願わくは登場人物たち、そして演じている人たちにときめきが感じられる作品でありますようにと思います。
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