軒端の梅よ春を忘るな
8月7日博多座にて、歌舞伎「刀剣乱舞 東鑑雪魔縁(あずまかがみゆきのみだれ)」「大喜利所作事 舞競花刀剣男士」を見てきました。
「刀剣乱舞」はミュージカルもストレートプレイも見たことがなく、ついていけるかな?と不安もありましたが、松也さんや獅童さんが出演されるので見てみようと思いました。
開演前には緞帳にどのような世界観の舞台であるかが文章にて映し出されていて観劇の助けになりました。また演者の方(舞台を見て「時間遡行軍」の方々と知る)が開演前の客席通路を扮装姿で練り歩き刀を構えて見せてくれたりとはじまる前から気持ちも盛り上がりました。
舞台の冒頭には名乗り?の場面もあり、キャラ立ちもはっきりしていたので登場人物がわからなくなることもなく、ストーリーも有名な鎌倉幕府3代将軍源実朝の暗殺に絡んだものなので、置いて行かれるということもなく愉しむことができました。
尾上松也さんが刀剣男士の年長者?の三日月宗近役と敵役の羅刹微塵の2役であること、河合雪之丞さんが小烏丸と北条政子、尾上左近さんが加州清光と実朝の御台倩子姫のそれぞれ2役なのもわかりましたが、陸奥守吉行役の中村歌昇さんが実朝を、同田貫正国役の中村鷹之資さんが公暁を演じていることは幕間に一緒にお茶をした方に教えていだたくまで気づきませんでした。
土佐訛りで粗野な雰囲気の陸奥守と公家好みで内向的な実朝を演じている方がまさか同一人物とは思いもよらず。
それを知ってからは、歌昇さん(陸奥守)につっけんどんな加州清光と歌昇さん(実朝)の身を案じる可憐な倩子姫のどちらも尾上左近さんが演じていることにときめきました。
クライマックスで舞台に雪積もる鶴岡八幡宮の大石段が登場した時は胸踊りました。大階段を見ると気分が盛り上がるのは宝塚ファンのさがでしょうか。
刀剣乱舞という新作歌舞伎を見て思ったのは、歌舞伎の所作の理解しやすさ、セリフの聞き取りやすさです。
初めて見る世界観をとてもわかりやすく見せてくれて置いていかれることがなかったのは歌舞伎が持っている力、決まり事や所作、セリフ回しのわかりやすさゆえのような気がします。
本編の「東鑑雪魔縁(あずまかがみゆきのみだれ)」の幕が降りると案内人の武彦さんと押彦さんのコンビが登場して、芝居の結末について(公郷と思しき修行僧について)とこれから始まる所作事について軽快に漫才のようなかけあいで説明されたのがとてもツボにはまりました。説明が終わるとスッと真顔になり所作事の後見に回られたのも素敵。
刀剣男士の演者が役のままで舞い踊る「大喜利所作事 舞競花刀剣男士(まいきそうはなのつわもの)」も見応えがありました。
髭切と膝丸が「三番叟」を踏む。揃いの浴衣に袖を通し、お国にちなんだ民謡を踊る―—同田貫正国のご当地熊本の民謡「おてもやん」のときにひときわ手拍子が大きかったのは九州ゆえかなと思ったり。
河合雪之丞さんの小烏丸の玉蟲、松也さんの三日月宗近の那須与一の物語の舞踊は二重に美味しい演目でした。
中村獅童さんの鬼丸国綱による白頭の獅子が2頭の赤頭を引き連れて激しく毛振りをする場面はこれぞ歌舞伎だなぁと、そして凄くロックだなぁと思いました。
新作狂言のあとに所作事(しかも役に扮しての)がフィナーレのようにあったことでいっそう世界観が身近に感じられて面白く愉しむことができました。
つぎは刀剣男士が歌舞伎役者に扮しなくてはならないなんらかの理由付けで刀剣男士による「義経千本桜」などを見てみたいななどと思いました。
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