カテゴリー「♖博多座」の98件の記事

2018/06/02

そうなることもそう遠いことではないかもしれませんよ。

宝塚歌劇花組博多座公演「あかねさす紫の花」と「Santé!!」、千秋楽を含めて7公演見ることができました。(当初の倍近くになっていました)
ライブビューイングもAB両パターン見ましたし(博多座公演のライビュなんて珍事)、この5月は博多座公演に浸った日々でした。

観劇するたびにさらにさらにと感動したこと思ったことが溜まっていくばかりで書けないまま日にちだけが経ってしまいました。
これまでに書いた人のこともさらにいろいろ書きたいのですが、収拾がつけられなくなるに決まっているので、今回は主に書いていない役ついての感想を残しておきたいと思います。


とうことで、天比古のことを。
ABパターンでまったく違った中大兄皇子と大海人皇子を見ることができましたが、天比古もまたABパターンではまったく違う印象でした。

柚香光さんの天比古は、ほんとうにもう額田王しか見えていない人でした。ほかのことは1ミリも。
心は浮世から遠く離れて、ただ額田に思い焦がれ寝食も忘れてしまうような。
けれども年月を経て再会した額田を見て、自分が思い描いていた理想はこの世には存在しないことを思い知り、これまでの自分の漂泊の人生の意味を見失って絶望したように見えました。
とてつもない暗闇に堕ちて光を見失っているいまだけれど、時が経ち憑物が落ちてしまえば息を吹き返し、また新たに己が希求する理想を彫り出す道を歩きはじめることができるかもしれない。
プロセスの途中にいる若き芸術家の印象をうけました。

こんな生活力のない芸術家肌の天比古を支える小月。
こういうダメな男性に惹かれる人いるよねぇと思って見ていました。
一緒に夢を見ているというよりはダメであればあるほど惹かれ支えたくなるある意味共依存関係だなと思いました。
(でも小月がいなくなってもまた誰かしらお世話をしたい女性が現れるんじゃないかなぁ。このタイプは)

鳳月杏さんの天比古は、現世の濁流の中でもがきながら唯一額田王を心の拠り所としている人のようでした。
額田だけがこの穢土から彼を救い出してくれるはずだった。
なのに成長し女性としての情念に身を焦がす額田を目の当たりにして、忽ちにして自分の菩薩を見失ったように見えました。
生きるよすがを失った彼がどうすれば蘇生できるのか想像できませんでした。
別人として生まれ変わる? 新たな信仰をみつける? 小月との生活に意味を見出して良い夫になる?

小月を演じた乙羽映見さんは三場の冒頭で物憂くしっとりと歌う歌がとても印象的でした。
惚れた相手に身を尽くす女性の姿に説得力がありました。

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2018/05/30

皇太弟とは次の天皇だ。

花組博多座公演「あかねさす紫の花」「Santé!!」が千秋楽が終わってしまい呆けているところに花組の11月以降の公演スケジュールが発表されて呆然としております。

そっかぁ。明日海さんは全ツではないのかぁ。また地元でお会いできると思ってしまっていたので残念です。
でも柚香さんに会えるのは確定したからうれしいな。
「メランコリック・ジゴロ」の2番手役スタンは誰になるのかな。ヒロインのフェリシアは誰だろう?

舞浜アンフィシアターの明日海さんの公演、気になるけどチケット難でとても見れないだろうなぁ。
花組DCとKAATはかちゃ(凪七瑠海さん)が主演なのかぁ。
蘭陵王は宝塚で見てみたい題材ではあったけど木村先生かぁ。サブタイトルの「美しすぎる武将」っていうのが・・・どうにかならないかな。

そして今後の人事の行方も気になるところ。
まぁ様(朝夏まなとさん)宙組が順調だったのは前任の凰稀さんからそのまま組を引き継げたことも大きいと思います。
組の2番手さんがすんなりトップになれないのにはその2番手さんにも事情(不安要素)がある訳で、その事情が猶予期間に払拭されれば問題ないのでしょうけど、不安要素を抱えたままで就任したとしたら順風満帆には行かないのは肯けます。
2番手さんに未だ不安要素があるのなら、それが払拭できるまで現トップさんにいていただくのがいちばん組のためにも延いては業績のためにも良いと思うのですよね。トップさんにも都合というものがあるかもしれませんけども。そこをWIN-WINにもっていくのがマネジメント側の手腕かと。

「あかねさす紫の花」で中大兄が大海人皇子に「皇太弟とは次の天皇だ」と言って、自分とともに政を為して行くことを求めるけれど、後日譚でいえば大海人皇子ではなく大友皇子に皇位を継承させようとして壬申の乱へとつながっていくのですよね。

中大兄に全幅の信頼を置いて「兄上は私にいずれ2人でこの国を治めていくことになる、よくものを見ておけと言っておられる」と額田に語って聞かせていた大海人皇子の輝くかんばせ。
最高権力者の苦しい胸の内を弟大海人に理解してもらいたくもそうはなりえず、「ばかものーーッ!!」と一喝したものの崩れそうになる表情を必死で堪えていた中大兄の弱音を吐くこともゆるされない孤独とかなしみ。
それらがいまだ鮮やかにまなこに焼き付いている現状で、この発表はなかなかきついものが。
(千秋楽の感想を書くつもりが飛んでしまうほどに。。。)

とりあえずは夏の大劇場公演「MESSIAH」と「Beautiful Garden -百花繚乱-」の観劇を増やせるか悩むことにします。
(家族が帰省する8月の遠征は難しいのだ。。。涙目)

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2018/05/24

射竦められていたというのもほんとうです。

5月17日、22日、23日に博多座にて宝塚歌劇花組公演「あかねさす紫の花」役替わりBパターンを見てきました。

主演の明日海りおさんの役が大海人皇子から中大兄に替わることで役の比重も変わり、セリフ、歌、場面もいろいろと変わっていました。

17日の初回の観劇時はまだAパターンの可哀想でたまらなかった明日海さんの大海人皇子の記憶が鮮やかに残っていて、中大兄の大海人への理不尽に気持ちがついていけなくて、また明らかにAパターンよりも額田が中大兄寄りで葛藤があまり見えないことに、心が混乱したまま観劇が終わってしまった気がします。
私のこの大海人皇子への気持ちのやり処は? Bパターンを好きになれるのかな。などと。

日を置いて22日の観劇時、私はガツンと衝撃をうけました。
どのあたりからかは定かではないのですが、気づいたら明日海さんの中大兄の目線に射すくめられていました。

有馬で中大兄が額田に心情を吐露する場面で、この人はとっても孤独な人なのだと思いました。
この華奢にも見える背中にどれだけ重荷を背負っているのだろうと。
有能さゆえに人の何十倍何百倍も責任を負い、決断し実行し、誹られもし反発もされ、その一本一本の矢を満身に受けてギリギリのところで踏みとどまっている誇り高い皇子がそこに見えました。
その皇子が、国を守り、治めていくために、自分の傍らにどうしても額田が必要だと言う。
その苦しい心のうちが伝わってきて、これはもう仕方のないことなのだと納得せざるを得ませんでした。

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2018/05/13

あらやっぱり紫草ですわ。

5月6日と9日に博多座にて宝塚花組公演「あかねさす紫の花」と「Santé!!」を見てきました。

今年の博多座はお芝居「あかねさす紫の花」が公演日程前半と後半で、トップスターの明日海りおさんが役替わりをするという異例の上演スタイルだったのですが、前半のAパターンは大型連休もあり前もって観劇予定を立てることが難しく、当初は9日だけの観劇予定でしたが、急遽6日も見ることができました。
そしてこの6日を最後にショー「Santé!!」の客席降りが出演者とスタッフに体調不良者が出たためという理由でなくなってしまい、通路側の席だった私はまさに奇跡的に明日海さんをはじめとする生徒の皆さんにハイタッチと“Santé!!”をしていただけました。
9日も“Santé!!”可能な席でしたがこういう事情でしたので舞台の上の皆さんに向けて“Santé!!”してきました。
(公演日程の後半で客席降りが復活すると良いのですが)

さてお芝居「あかねさす紫の花」のAパターン大海人皇子主役Ver.(明日海さん/大海人皇子、鳳月杏さん/中大兄皇子、柚香光さん/天比古)の感想です。

じつを言うと、6日に観劇した時には鳳月さんの中大兄がいまひとつ決まらない感じをうけました。
中大兄という役は、主演のトップスター明日海さんの大海人皇子を圧倒する大きさと、大海人という夫がありながらも額田王が惹かれてしまう魅力が必要な難役だと思うのですが、ちょっと説得力が弱いかなぁと思えました。
しかし9日に観劇したときには己をつよく信じて迷いを見せない中大兄がそこにいました。
彼は欲しいと思ったものを我慢してはいけない立場なのだなぁ。
欲しいものを手に入れていく強さが中大兄を中大兄たらしめているのだなと思いました。
だからこそ皆がいずれ彼が帝になる器と信じて「大兄」と呼びならわしているのだと思います。

そんな兄を誇らしく眩しく思い慕っていることがよくわかる明日海さんの大海人皇子でした。
彼もまた王者の器なのにそんなことは思いもしない様子でした。

仙名彩世さんの額田は自己実現と幸福な家庭生活の狭間で揺れ動く女性の心が見えてとても共感しやすかったです。
幼い頃から気が合い趣味が合い息もぴったりな相聞歌を交し合える相手。黙っていても心が通じ合う相手。そんな大海人皇子との幸福な家庭に生きる自分と、少女の頃からの夢、自分が絶対だと思う中大兄に認められ、宮中で才能を存分に発揮して人びとに尊ばれて生きる華やかな自分と、どちらを選ぶか。
(おそらく中大兄を拒めばキャリアを失うのは必然でしょう)
それがどれほど茨の道でも後者を選びたい気持ちを抑えきれない。
ただあまりにも大海人とは魂が近しくて心が引き千切られる辛さに懊悩する姿が得も言われぬ美しさでした。
『畝傍は困ったことだろう――』
素の自分がどれほど懊悩していようとも、公の儀式の場では凛として誰よりも華やかに美しく輝いている額田に、やはりこの人はこういう瞬間が好きなんだなと思いました。
仙名さんは役を深く解釈して的確に表現できる技量の持ち主なのだなとシーラの時にも思いましたが、今回もそう思いました。

明日海さんの大海人皇子はとにかく可哀想でなりませんでした。
鳳月さんの中大兄、仙名さんの額田に対するとやや感情過多な気もしますが、否応なく引き込まれます。
幼い頃より心から慕いどこまでも従うつもりの兄と、魂の片割れのように愛する額田との間で苦しみ、どちらも尊く大事だから狂うしかなかったのだと思えて。
罪は兄と額田にあって、彼には露ほどもないのに2人への想いがあればこそ狂うほどに悩み苦しまなくてはならなかったのだと。
ここまで深く大海人皇子を演じて見せた明日海さんの後にこの役を演じる柚香さんにはかなりハードルが高くなったなぁと思いますが、どんな大海人皇子を見せてもらえるか楽しみにも思います。

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2017/07/29

グリーンライト。

7月21日に博多座にてミュージカル「グレート・ギャツビー」を見てきました。

もっと少女趣味テイストでエモーショナルな作品を想像していたらちがっていました。
ここをピックアップするんだぁと思ったり。――アンダーグラウンドの描写に思いの外尺が割かれているなぁとか。
脚本演出の小池先生自身の男のロマンを投影したのかな?
ひたすらクールなギャツビーを描きたかったのかな。

ギャツビーが歌うナンバーはどれも難しくて見終わったらメロディも歌詞もあやふやで口ずさめるフレーズがありませんでした。
ストレートに心に届くナンバーがなかったなと思います。
歌えるキャスト向けの作品だなぁと思いましたが、さりとて井上芳雄さんにも合っていない印象も受けました。
もしかしたら井上さんは声の調子が悪い日だったのかも。あれっと思う箇所がありましたしガサガサしている印象だったので。
声質的にニック役の田代万里生さんのほうが合っていたかなと思います。
いずれにしても日本語に馴染みにくい印象でした。


井上芳雄さんのギャツビーは、軍隊に馴染みアンダーグラウンドで成功した、男の世界で成功し男の理論で生きている部分が印象づく人物になっていました。
脚本演出がそうなのだと思いますが、胡散臭さとか得体の知れなさがあまり感じられなくて、デリケートなところを掴まれる感じがしなかったなと思います。
哀しくなるような滑稽さとか困惑、イノセントなところが強調される瞬間を垣間見たかった気がします。
ピックアップされる場面からしても、そもそも小池先生が描きたかったギャツビーと私が見たいギャツビーが違ったってことかなと思います。

とてつもなく身の程知らずで有能な空想家で、その類まれな能力とはアンバランスな素朴さや迷惑なくらいな自信と小心さとかを私はギャツビーに見たかった気がします。
そんな彼が手に入れようとしたものは何なのか。

彼はデイジーが夢のような上流階級のお嬢さんだから恋をして、彼女に相応しい富を得たいま、彼女と結ばれることだけを考えている。
再会のシチュエーションにこだわったり。
デイジーという夢と一緒に夢の中に住まうことが彼の望みなのかな。―― そこにある幸福の本質とかはあまり考えていなくて。
彼女の立場とか気持ちとかは深く考えていなくて、彼女に嫌われたくないとは思って思慮深くはしているけど、自分と結ばれれば彼女は幸せになるはずということを疑いもなく信じている。
その夢の帰するところ―― を私は見たかったのだけど、夢の実現のために払った犠牲の部分を強調する脚本だったなぁと思います。

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2017/07/20

売れるものなら亭主でも。

7月10日博多座にて、「売らいでか!」を見てきました。

花登筐さんの脚本はよくできているなぁと思いますが、やはり背景や価値観が古くてうーんと思うところが多々ありました。
井上順さんがチャーミングだから見ていられたけれど山内杉雄はなかなか腹立たしい男性の典型だなぁと思います。
キャストの皆さんが達者で魅力的で、セリフの掛け合いが可笑しくて引き込まれて見ましたけど。

身勝手な亭主を売って胸がすくかな?
亭主を買った名家の奥様よりも成功して、お金の無心に来られて溜飲が下がるかな?
あんな旦那さんとまたよりを戻したいかな?
私ならないなぁと思いました。


舞台は昭和31年。まだテレビも普及していない時代。
娯楽は年に1度のお祭りと、噂話。そんな町。
女は夫や夫の親にものも言えない。
弟よりも兄が優遇され、名士は名士の顔を保つことがなによりも大切。
それがあたりまえの町。

山内杉雄(井上順)は現実から逃げている無責任な男の人。
「高嶺の花」である地元の名家の奥様に憧れているのでこの町を離れたくない。
妻と娘と母親との家族4人の生活を営むには給金が少ないけれど、いまの仕事は辞めたくはない。憧れの奥様とのつながりがなくなるから。
家計が苦しくて妻が窮状を訴えると逆上して怒鳴る。
母に甘やかされ妻に甘やかされ、5歳くらいの娘にまで甘やかされている人。
いるよね、こんなふうにありとあらゆる女性から甘やかされるタイプの男性・・。
井上順さんのなんだか憎めないチャーミングさはそれを納得させるなぁと思いました。

浜木綿子さん演じる山内なつ枝は無責任な夫に泣かされ、キツイおしゅうとめさんにイビられる女の人。
結婚6年目らしい。
身寄りのない香具師の娘だとかで、夫もその母親もどこにも行くところのない女だと見下しているんだなぁと思いました。
彼女自身はここで一生懸命に生きて行こうとぐっと我慢して、何年も前の夫のやさしかった記憶を大切に夫の愛情を信じて家計の助けにと組紐の内職に精を出している健気な女性で。
なんだかなぁって。こういうの見るとイライラしちゃうよねって夫婦のありさまです。

こんな町にずっと暮らして、これから先もこれよりほかに選択肢がないと思っている町の人びと。
そんな閉鎖的な町の空気に抗い上昇志向なのが、地元の名家が営む会社の支配人の弟の弘(小野寺丈)とその恋人のきく子(大和悠河)の2人。
2人の画策によって急展開を強いられる杉雄となつ枝夫婦の物語でした。

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2017/05/22

帰ろうよ。

5月11日と18日に博多座にて宝塚月組公演「長崎しぐれ坂」と「カルーセル輪舞曲」を見てきました。

「長崎しぐれ坂」上演が発表になった時点で、なぜこの演目なんだろうという思いが拭えませんでした。
年に一度のこの時期だけは地元で数週間、好きな時に宝塚を見に行けることを楽しみにしている身としては。
でも生で見たら気持ちは変わるんじゃないかと期待して1回目の観劇をしましたが、やはり気持ちは盛り上がりませんでした。

博多座には盆もセリもあるのに一切使わず、書き割りとカーテン前の芝居の繰り返し。
まるで大衆演劇を見ているようで宝塚を見た時に感じる高揚を感じることができませんでした。
脳内麻薬に支配されるあの感じを楽しみにしていたのに。

昔のバスガイドのような轟悠さんのセリフ回しがもともと苦手ではあるのですが、今回の伊佐次はとくにそのクセが強烈なのもダメでした。
こざっぱりとした江戸言葉が聞きたかったのに。
どすを利かせればいいというものではないと思うのです。

轟さんもトップの珠城さんももの凄く熱演されているのは伝わってくるので、そんなふうに思う自分が嫌になって客席にいるのがいたたまれなくなってきます。
なんでこんな思いをしながらここにいるのだろうと。

とはいえ1週間前よりも格段に芝居が上達している暁さんに感動したり、愛希さんの和物のお化粧もきれいになっているのに気づいて嬉しくなったり。
有限の日々の中で精いっぱいに努力し成長されていく生徒さんを見るのは宝塚を見る喜びであり愉しみであることをあらためて思いました。
私がもとめる宝塚は、瑞々しい夢を見せてくれる世界であることです。
技術は及ばないところがあっても輝くものを持っている宝石たちを演出や舞台効果で手厚くフォローし輝かせて見せてくれる世界が好きなのです。
もちろんその手厚いフォローに甘んじず惜しまず自分を発する姿がそこにあってこそですが。

私としてはもっと宝塚らしく華のある舞台を期待していたのでがっかりではあるのですが、こんなに地味なお芝居でも、客席が集中しているのは、轟さん珠城さんをはじめとする出演者の芝居力が高いからだと思います。
皆セリフがクリアで聴きやすいです。

「カルーセル輪舞曲」は大劇場で見たとき以上に楽しくて、このショーを見るため、そしてお芝居で成長していく生徒さんたちを見るためにリピートするか、それともショーだけの幕見をするか、愛を試されている気がしています。

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2017/02/02

ファビュラス。

1月23日博多座にて「シスター・アクト~天使にラブソングを~」のソワレを見てきました。

蘭寿とむさんを目当てに気軽に見に行ったのですがとてもよかったです。
1幕は蘭寿さんさすがスタイルいいな。お胸ホンモノだわ。退団後もお歌凄いレッスンされてるんだなぁ。なんて冷静に見ていたのですが、2幕は引き込まれるように見てしまって。
わかっているストーリーなんですが、シスターたちがカーティス一味から命がけでデロリスをかばうあたりは思わず涙していました。
私はやっぱり舞台の皆の意気が一点に集中してトルネードみたいに盛り上がるかんじが好きだなぁと思います。
そんなシーンに感動しちゃうんですよね。

エディ役の石井一孝さんはいるよねアメリカ映画にこんなキャラ(笑)と思える暑苦しいいいやつでした。
こんな自分にも人生で一度はヒーローになる瞬間が訪れると夢見ているあたりもアメリカンだなぁと思いました。

オハラ神父役の今井清隆さん、さすがいい声~~♡ ギンギラの法衣でお説教をしたり客席(信者?)キャッチも凄くて面白さ全開でした。最後までソロ歌がなかったのには驚きでした。もったいない起用だなぁ。

修道院長の鳳蘭さんもさすが。間の取り方とか声色の変化とか。強弱オンオフの切り替え鮮やかだなぁと思いました。笑わせるところはしっかり笑わせるし。
彼女がデロリスをかばう言葉には温かさがこもっていてじんとしました。

修道女見習いのメアリー・ロバート役の宮澤エマさんも素直な歌声で素敵な女優さんだなぁと思いました。
家に帰ってプログラムを見たらシスター役の方たちはこれまでいろんな作品で見たことがある方たちばかり。
シスター・メアリー・ラザーラスが春風ひとみさんだったとは気づかなかったsweat02
大月さゆさんにも気づかなかったぁwobbly
・・・それくらい気軽に見てしまったのでした。

こんなに豪華な出演者揃いで脚本も音楽も素晴らしい作品を気軽に見られるのも地元に博多座という劇場があるからこそ。
ありがたやありがたや・・(-人-) ことしはなかなか観劇遠征ができないので切実にそう思います。

カーテンコールでは客席も一緒に踊れて平日の夜なのにこんなに盛り上がって大丈夫?ってくらい楽しかったです。
なかなか帰らない客席のコールに応えて登場してくれた蘭寿さん、輝いていたなぁ。
また博多座に出演していただけたらうれしいなぁと思います。

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2016/09/13

いちど私の目で見てくれたなら。

博多座で上演されたミュージカル「エリザベート」を千秋楽を含めて5公演見ることができました。
昨年から新演出になっているとのことでしたが、これがすごく好くてもっと見たかったです。

同時期に宝塚でも宙組が「エリザベート」を上演していて7月後半とお盆前はそちらに遠征し、博多座のエリザはお盆明けからしか見られなかったのがいまとなってはとても残念です。
今月も宝塚へ行く予定があるのに、梅芸に行くスケジュールを考えていなかったのも残念至極。
でも自分なりに考え抜いたスケジュールだったのだから涙をのみます。
またこのキャストで再演されるなら遠征も考えようと思います。
なによりも博多座での再演を祈ります・・・。

城田トートと成河ルキーニがとても好みでした。
シャウトするトートがずっと見たかった。
トートとルキーニのパートはロックで聴いてみたいという夢が叶ってしまった感。
なんとなくグラムの匂いを感じました。ご本人たちには意識はないと思いますが・・・coldsweats01

城田さんのトートは計り知れない感じが快感でした。
人でない存在であることをつよく感じさせるトートでした。
他者の目、他者の意思を意識して行動することが人間が人間であるゆえんだとすると、そんなものは端から持ち合わせない感じがしました。
荒々しく傍若無人で、飼いならされない野性。
知性はあるのになにかおそろしく無心な存在。

そしてその人に飼いならされない野性にエリザベートを感じました。
知性はあるのに他人の思いをくみ取れない性質。悪気はないけど思いやりのないところ。
群れで暮らす特性がエリザベートには備わっていない。
誰かに愛しまれようというつもりもそもそもなく、自分1人で生きて行こうという意思に貫かれた人。
花總さんのシシィからはそんな魂が感じられました。
少女時代のシシィがあんなに無邪気で愛らしいのも野生の仔の特徴だと思えば肯けるなぁと。

そんなシシィが深い孤独を意識するのは彼女に知性があるからだと思います。
みずから孤独を求めているのに孤独に苛まれる矛盾。
城田トートはシシィの人間関係による孤独ではなくて、彼女の本質による孤独を。彼女が彼女のままでこの世に生きることの苦痛を浮き彫りにしている気がしました。
その見つめる眼差しで。遠慮のない荒々しさで。

城田トートは花總シシィの“無意識”が具現化したもの。ある意味彼女の一部かもしれない。
“死”とは肉体の死ではなく、意識が無となることなのではないかなと。
そんなことを思わせるトートでした。

エリザベートをじぃっと凝視めるトートの昏い瞳。
彼の目にはエリザベートがどう見えるのだろう。どう映っているのだろう。
ここ(客席)で見ている私とはちがうものが見えているようで。その答えを私は安易に出したくはなくて。
ひたすらにそんな計り知れないトート閣下を見ているのが心地よかったです。

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2016/08/28

自分を殺してすべて王家に捧げること。

8月18日と23日、博多座にてミュージカル「エリザベート」を見ました。

2公演でトートとゾフィーの役替わりを見ることができました。
トートについては先に書きましたので、ソフィーの役替わりで感じたことを書いてみたいと思います。

18日のマチネは香寿たつきさんがゾフィー役でした。
この日のキャストは私がこれまで見たことがある「エリザベート」の中でもベストだと思える素晴らしいものでした。
ことに私はゾフィーにくぎ付けでした。
香寿さんの歌声は相変わらず素晴らしくて好きだなぁ。ゾフィーの歌はすごく彼女に合ってるなぁと思いました。
香寿さんが見せる強いゾフィー像は私が思い描くゾフィーそのものかそれ以上で、シシィが戦うべき「強固で古いしきたり」そのものに見えました。
とても理解しやすい世界観でした。

あまりにも香寿さんのゾフィー像が私の中でしっくりきたので、涼風さんのゾフィーを自分がどう思うのか正直ドキドキして23日マチネを見ました。

涼風さんのゾフィーはすっとした美しい女性でした。シシィに似ているなとも思いました。
なぜこんなに美しい人が美しいまま寡婦でい続けたのだろうとも。
いままで私が知っているゾフィー像とはちがうゾフィー像になんだか夢中で見ていました。

涼風ゾフィーは1人の女性としてシシィと対立しているように見えました。
息子について「私には隠さない」「強い絆で結ばれている」とシシィに誇らしげに言うゾフィーに私はかつて感じたことのない心のざわつきを覚えました。
フランツが「でも母の意見は君のためになるはずだ」とシシィに言ったのを聴いた瞬間、涼風ゾフィーの口角が優美に引きあがるのを見て思わずあっと思いました。このひとは女だと。これは女性として同性に勝利した笑みだ・・・。

ゾフィーもフランツもいままで何度も聞いてきたセリフを言っているのに、ゾフィーが変わるとフランツにもこれまでとはちがう一面が見えたような気がしました。
厳しく強い母に逆らえないというのとはちがう、彼の心の中にもこの母を守りたい気持ちがあるのでは、、、と。
ちょ、シシィ、これは手強いぞ。
母と息子の二十数年間の実在を感じてしまったというか。それに嫁いできたばかりのシシィは勝てないでいる。
シシィの戦いはここからのスタートだと思うと、ほんとうによく健闘したなと称えるばかりです。

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