カテゴリー「大和悠河- 南の島に雪が降る」の2件の記事

2015/09/04

なんとか、それまで生きてみようと思います。

加東大介著『南の島に雪が降る』(ちくま文庫)を読みました。
先月キャナルシティ劇場で見た同名のお芝居の原作です。
お芝居を見て原作を読みたくなりました。

テンポのよい読みやすい文章はさすが舞台俳優さんだなぁと思いました。情景がすうっと浮かんできます。
人が簡単に死んでいくとても悲惨で悲痛な状況にいるのだけど、そのことを細かに語るのではない。
故国を遠く離れて過酷な毎日を送る仲間たちに芝居を見せるために、あの時代あの場所で、多くの制約や障壁のなかで(食糧も物資も健康な体も安全な環境もないなかで)知恵や朗らかさや得意とするものを惜しみなく出し合い、苦手や困難にストイックに立ち向かう彼らの生き様を描くことで、そしてその舞台を必死の思いで見に来る兵士たちを描くことで、あの時あの場所にいた人びとの故国やそこにあった生活への焦がれるような想いをおしえてくれました。
そして憧れや夢見るひとときの貴さを。人にとってそれがどんなにちからになるかを。

作者の加東大介さんはとても温かい目線をもった方だなぁと思います。
お父様が黙阿弥のお弟子の狂言作家であったと知り、なんだかことしは私にとって黙阿弥イヤーだなぁと勝手にえにしを感じたり。
さらに女形姿で兵隊さんたちのアイドルになった前川五郎さんがスペイン舞踊教師として宝塚で教えたこともありますというくだりに、ほぅ…と宝塚歌劇の歴史も感じました。
こんななんでもないことに意味を見るのが人というものだなぁ・・・とこの本を読んだことで思うようになりました。

おかれている状況は、この本のなかに生きている人たちとは比べものにもならない私だけれど、それでも舞台に何かを見たりスターに憧れたり、観劇する日を待ち遠しく思って生活の張り合いにしているのは、根っこはおなじ気がします。
人であればこそ虚構を愉しむことができるし、虚構にちからをもらうのだなぁと。
この作品に出逢えてよかったです。

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2015/08/28

生きるよすが。

Minaminosimani

8月25日(火)キャナルシティ劇場にて「南の島に雪が降る」を見ました。

前日より台風直撃の予報で、JRも西鉄の電車・バスともに始発から運行見合わせ。
私は16時公演を観劇予定だったので、12時過ぎにバスが動き出したのを確認してレインコートを着て出かけましたが、時刻表はないも同然でバスは遅れ放題。バスを待つ間にびしょ濡れ。
「ふつうの約束ならキャンセルする状況だよなぁ~」と思いつつ会場へ必死に向かう自分が可笑しかったです。
ここのところ不調でアドレナリンが出ない~~~なんて言っていたのに見たい舞台のためなら出るよねアドレナリン(笑)。

そこまでして行った甲斐のある舞台でした。
丁々発止のセリフのやりとりに引き込まれました。派手な舞台ではありませんが、出演者の皆さんのちから、物語(本)のちから、言葉のちからに飲み込まれた3時間でした。

劇中劇の「瞼の母」で、別れのラストになるはずの忠太郎と母を「会わせてやってくれ」と希う兵士たちの故郷の母を重ねる気持ちに応えて、舞台上で急遽ラストを変えるエピソード、知ってはいましたが目の当たりにすると涙が溢れて止められませんでした。

そしてラストに舞台に舞う紙ふぶきの雪 ―― 二度と日本に帰れないかもしれない兵士たちにそれを見せようとするマノクワリ劇団の団員皆の思いがそのまま出演者の皆さんの思いとなっていることがつたわってきました。
あの時代のあの場所の兵隊さんたちに見せようとされているのじゃないかと思いました。
演じる皆さんの芝居のちからはもちろんなのですが、それ以上に演じている皆さんの思いがその情景を増幅させているようでした。
たぶん目を瞑っても、その状況と気持ちがつたわったのではないかと思います。
1人1人の役者さんのこの作品に向ける真摯で特別な気持ちが感じられた気がしました。

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