カテゴリー「♖『エリザベート』」の15件の記事

2016/10/08

子どもに子どもは育てられない。

9月21日東京宝塚劇場にて宙組公演「エリザベート」を見てきました。
前後の祝日の影響か平日なのに11時と15時半公演の日だったので運よく2公演見ることができました。

博多座で東宝版「エリザベート」を見たあとだったのでどうしてもシシィにもの足りなさを感じてしまいました。宝塚版はトートが主役であちらはシシィが主役ですから仕方のないことですが。
とはいえ、みりおん(実咲凜音さん)は歌唱力も芝居も安定しているので安心して耳をゆだねることができるのは有難いなと思いました。

みりおんシシィは人を巻き込み国を巻き込むようなダイナミックなエゴイストではなくて比較的こぢんまりとしたエゴイスト。自分1人で抱えているかんじ。
15歳のときに抱いた自意識をそのままに60代まで生きたらそりゃあ生きづらいよねという感じでした。

結婚式翌日のゾフィーたちとの場面がとても好きでした。
「馬に乗ります」「ダメよ!」で一瞬ぽっかーんな間が可愛くて(笑)。ダメって言われるなんて思ってもいなかった感じが。
リヒテンシュタインに口を開けられるところもとても可愛いくてみりおんシシィのあの場面を見るのがムラの時から毎回楽しみでした。

ゾフィーもリヒテンシュタインもとても正しい。この田舎から来た娘をいかに皇后らしく教育しようかと初日の早朝から気負っているのに対して、なにもわかってなさそうなみりおんシシィ(笑)。
ここはみりおんが元来もっているチャーミングさがすごく出ているなぁと思いました。
その、世のおしゅうとめさん気質の人たちをイラッとさせちゃう性質がシシィにとてもマッチしていて見ていて小気味良かったです。
シシィとゾフィーの絡みをもっと見たいなぁと思いました。じっさいには2人が絡むのはこの場面だけなのですよね。

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2016/09/13

いちど私の目で見てくれたなら。

博多座で上演されたミュージカル「エリザベート」を千秋楽を含めて5公演見ることができました。
昨年から新演出になっているとのことでしたが、これがすごく好くてもっと見たかったです。

同時期に宝塚でも宙組が「エリザベート」を上演していて7月後半とお盆前はそちらに遠征し、博多座のエリザはお盆明けからしか見られなかったのがいまとなってはとても残念です。
今月も宝塚へ行く予定があるのに、梅芸に行くスケジュールを考えていなかったのも残念至極。
でも自分なりに考え抜いたスケジュールだったのだから涙をのみます。
またこのキャストで再演されるなら遠征も考えようと思います。
なによりも博多座での再演を祈ります・・・。

城田トートと成河ルキーニがとても好みでした。
シャウトするトートがずっと見たかった。
トートとルキーニのパートはロックで聴いてみたいという夢が叶ってしまった感。
なんとなくグラムの匂いを感じました。ご本人たちには意識はないと思いますが・・・coldsweats01

城田さんのトートは計り知れない感じが快感でした。
人でない存在であることをつよく感じさせるトートでした。
他者の目、他者の意思を意識して行動することが人間が人間であるゆえんだとすると、そんなものは端から持ち合わせない感じがしました。
荒々しく傍若無人で、飼いならされない野性。
知性はあるのになにかおそろしく無心な存在。

そしてその人に飼いならされない野性にエリザベートを感じました。
知性はあるのに他人の思いをくみ取れない性質。悪気はないけど思いやりのないところ。
群れで暮らす特性がエリザベートには備わっていない。
誰かに愛しまれようというつもりもそもそもなく、自分1人で生きて行こうという意思に貫かれた人。
花總さんのシシィからはそんな魂が感じられました。
少女時代のシシィがあんなに無邪気で愛らしいのも野生の仔の特徴だと思えば肯けるなぁと。

そんなシシィが深い孤独を意識するのは彼女に知性があるからだと思います。
みずから孤独を求めているのに孤独に苛まれる矛盾。
城田トートはシシィの人間関係による孤独ではなくて、彼女の本質による孤独を。彼女が彼女のままでこの世に生きることの苦痛を浮き彫りにしている気がしました。
その見つめる眼差しで。遠慮のない荒々しさで。

城田トートは花總シシィの“無意識”が具現化したもの。ある意味彼女の一部かもしれない。
“死”とは肉体の死ではなく、意識が無となることなのではないかなと。
そんなことを思わせるトートでした。

エリザベートをじぃっと凝視めるトートの昏い瞳。
彼の目にはエリザベートがどう見えるのだろう。どう映っているのだろう。
ここ(客席)で見ている私とはちがうものが見えているようで。その答えを私は安易に出したくはなくて。
ひたすらにそんな計り知れないトート閣下を見ているのが心地よかったです。

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2016/08/28

自分を殺してすべて王家に捧げること。

8月18日と23日、博多座にてミュージカル「エリザベート」を見ました。

2公演でトートとゾフィーの役替わりを見ることができました。
トートについては先に書きましたので、ソフィーの役替わりで感じたことを書いてみたいと思います。

18日のマチネは香寿たつきさんがゾフィー役でした。
この日のキャストは私がこれまで見たことがある「エリザベート」の中でもベストだと思える素晴らしいものでした。
ことに私はゾフィーにくぎ付けでした。
香寿さんの歌声は相変わらず素晴らしくて好きだなぁ。ゾフィーの歌はすごく彼女に合ってるなぁと思いました。
香寿さんが見せる強いゾフィー像は私が思い描くゾフィーそのものかそれ以上で、シシィが戦うべき「強固で古いしきたり」そのものに見えました。
とても理解しやすい世界観でした。

あまりにも香寿さんのゾフィー像が私の中でしっくりきたので、涼風さんのゾフィーを自分がどう思うのか正直ドキドキして23日マチネを見ました。

涼風さんのゾフィーはすっとした美しい女性でした。シシィに似ているなとも思いました。
なぜこんなに美しい人が美しいまま寡婦でい続けたのだろうとも。
いままで私が知っているゾフィー像とはちがうゾフィー像になんだか夢中で見ていました。

涼風ゾフィーは1人の女性としてシシィと対立しているように見えました。
息子について「私には隠さない」「強い絆で結ばれている」とシシィに誇らしげに言うゾフィーに私はかつて感じたことのない心のざわつきを覚えました。
フランツが「でも母の意見は君のためになるはずだ」とシシィに言ったのを聴いた瞬間、涼風ゾフィーの口角が優美に引きあがるのを見て思わずあっと思いました。このひとは女だと。これは女性として同性に勝利した笑みだ・・・。

ゾフィーもフランツもいままで何度も聞いてきたセリフを言っているのに、ゾフィーが変わるとフランツにもこれまでとはちがう一面が見えたような気がしました。
厳しく強い母に逆らえないというのとはちがう、彼の心の中にもこの母を守りたい気持ちがあるのでは、、、と。
ちょ、シシィ、これは手強いぞ。
母と息子の二十数年間の実在を感じてしまったというか。それに嫁いできたばかりのシシィは勝てないでいる。
シシィの戦いはここからのスタートだと思うと、ほんとうによく健闘したなと称えるばかりです。

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2016/08/25

自分のためにしたの。

8月18日と23日、博多座にてミュージカル「エリザベート」を見てきました。

やはり、シシィの描かれ方は東宝版のほうが好きだなぁ。彼女の本質がわかりやすく丁寧に描かれていて。
そして、宝塚版はシシィを中途半端にしてもトートに重きが置かれてるのだなぁとあらためて思いました。

花總さんのシシィは私が頭で考えなくても見ているだけで、彼女が何を求めている人なのかわかる。この世でこれほどまでに切実に自由を求めているという稀有な人物像をこんなにも自然に気負わず演じて見せることができることが凄い。
こういってはなんだけども、周囲がどんなふうに演じようともエリザベートとして揺るがないのが凄いなぁ。相対じゃなく絶対なのだ。絶対エリザベート感。なんなのだろうこれは。
実在したエリザベートの肖像とはちがって見た目は華奢な女性なのになぁ。


この東宝版の花總シシィを見ていて、彼女がもとめる『自由』とは「おのれの命を懸ける自由」なのだということがふっと心に入ってきました。
木登りをしたり綱渡りをしたり曲馬師のような乗馬をしたり、シシィはつねに冒険とスリルをもとめている。
『死』と隣り合わせの勝負を。トートを引き寄せているのはほかならぬ彼女自身なのだと。

皇太后ゾフィーとの戦いもハンガリーも彼女にとっては綱渡りと同じ命を懸けた真剣勝負。アドレナリンバシバシ。
子どもの頃からいつも彼女は『死』を傍らに綱渡りを続けている。懸命に生きるということはいつ『死』が迎えに来てもおかしくないということ。けれども絶対に『死』の思い通りにはならないという強い魂に支えられているということ。

そしてその『死』が顔を持ったら、城田トートや井上トートになるんだと。
なんだか深く納得できてしまったのです。この博多座エリザベートを見て。

彼女の人生はトートとの戦いそのものなのだと。
誰もが畏れる相手に怯むことなく挑みつづけるエリザベートに私は惹かれたのかも。

さいしょは木登り。それが宮廷の古いしきたりへの挑戦、ゾフィーとの戦いとなり。ハンガリーの件で自分を認めなかった人々を認めさせて。やがて夫の裏切り、身内の不幸、老い、孤独と彼女が戦うものは人生そのものに移り変わっていく。昔のようにかんたんに勝ち負けがつくものではない。

思い一つでもっと楽にもなれるのに、それを選ばず人生の苦しみ、受け入れ難い不条理と戦いつづける。誰のためでもなく自分のために。

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2016/08/17

いまに死にたいときがくる。

8月8日と9日宝塚大劇場にて宙組公演「エリザベート」を見てきました。

7月末に観劇したときの印象とはまるでちがう「エリザベート」でした。
場面から場面に地脈が通じてさいごにそれが吹き上がったような。
私はこの「エリザベート」がたまらなく好きになりました。

トートに躊躇がなくなり強くなった感じがしました。物語世界を支配している感じ。
唯一支配しきれないのがシシィなのだなと。

結婚式の翌朝、シシィの寝室に来襲するゾフィーのデフォルメ加減が絶妙でした。
リヒテンシュタインも女官たちもあくまでゾフィーの側にいる者たちなのだと見えるように演じられていて、宮廷でのシシィの孤立がはっきりと浮き彫りになったようでした。

フランツもシシィの気持ちを察することができず「母の意見は君のためになるはずさ」などと言う。
そのときのシシィの絶望感たるや ――― おなじセリフなのに、なぜこんなにも前回と180度ちがって見えたのだろうと不思議でした。

ゾフィーが支配する宮廷で孤立し、フランツも頼りにならないと絶望したシシィが「私だけに」と歌い始める心の流れがとても自然に感じられました。
短剣を見つけてからそれを鞘に納めて気絶するまでの流れ、緩急のつけ方が素晴らしくて引き込まれ鳥肌が立ちました。

気絶したシシィの手から短剣を取り上げて「返してやろうその命を――」と歌うトートはまだ余裕に満ちているように見えました。
これはあくまで小手調べのようなものでシシィを試しただけなのかも。
見ている私がそうであるようにトートの心のうちにもまた、シシィという他とは異質ななにかをもつ1人の少女に予測できない期待があるような、そんな感じを受けました。

まさに愛と死の輪舞の始まり――

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2016/08/02

君の港はどこなんだい。

7月28日に日帰りで宙組宝塚大劇場公演『エリザベート』2公演を見てきました。

私にとっては見たこともないような不思議な印象の『エリザベート』でした。

シシィに死の影を感じない。
ゾフィーは厳しいけれど筋が通って公平。
フランツはマザコンではなく超愛妻家。
そこらへんの2世代同居よりもよほどうまくいきそうな雰囲気。

「いろいろあったけれど、最後にはお互いわかりあえました」という結末でもおかしくなさそう。

フランツとシシィの愛情物語が鮮やかなのでトートに付け入る隙がない。
イライラする闇の帝王。ハートが脆く繊細なのはトートのほうかも。
シシィに対してトートが弱い印象で、シシィがトートをもとめることがあるのだろか?と思っているうちに終幕を迎えてしまいました。

鏡同士なのはゾフィーとシシィで、ルドルフとシシィは似ている気がしない。
強い祖母、強い母親、母の言いなりの父親の中で自分の意思は誰にも伝わらずどこにも救いがないルドルフ。

そんなルドルフにはトートも本領発揮。やっと闇が広がる~~♡
私が知っている『エリザベート』に近いのはこのへんだなぁと思いました。

新しい『エリザベート』に挑戦しているのかもしれないけれど、私はエリザベートを見たぞという満足感のほうを得たかったなぁと思いました。

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2016/06/16

嵐もこわくはない。

ミュージカル「エリザベート」。
いろんな見方があるだろうし解釈もあるでしょうけど、私は深い孤独を表現するエリザベート役者が好きです。

エリザベートの孤独とはなんなのか。
それはありのままの自分でいると周りの人たちからまったく受け入れてもらえないことじゃないかな。
誰ともわかりあえない感覚。
子どもの頃は母親や親戚たちに。
本人としては悪いことをしようと思っているわけではないのに、やりたいことをやりたいようにやるとすべてを否定されてしまう感覚。
不幸なことに彼女のやりたいことっていうのが、穏やかな秩序ある生活をしたい人たちには迷惑でしかないことばかり。
それもどうしてもやらなくちゃいけないっていうよりも、いまやりたいと思ったことをやらずにいられなくてやってしまうこと。
非難されるのもしかたのないこと。
そしてやりたくないことを我慢してやるのはもっと嫌。そこはとてつもなく頑固。

唯一彼女を理解できるはずの同じ血を持つ父親は、やっぱり自分のしたいことしかしない人だから、子どもたちの養育は妻に任せていつも家を空けている。
帰ってくれば一緒にやんちゃなことをやってくれるからエリザベートは父親が大好きだけれど、気まぐれな父は自分が可愛がりたい時にしか可愛がらない人。
少女時代のエリザベートは、母親たちのおぼえめでたい姉を尻目に、いま夢中になれる冒険(危険な遊び)や空想に逃げながらも、内心では自分を認めてもらいたい承認欲求の強い子どもだったのではないかな。

そんな彼女の承認欲求を大いに満たしたのが皇帝からの思いがけない求愛だったのだろうと思います。
セロトニンの分泌増加でどんな問題ももう彼女を悩ませたりしない。
まさに嵐もこわくはない。
だから、先のことなど考えずに求婚を受け入れることができたのだと思います。その先にあるのは実家以上に彼女がありのままでいることが許されない場所なのに、そんなことは考えもせず。
フランツ・ヨーゼフの言葉も都合の良いところしか脳みそに入って来ないみたい。
彼に求められた高揚でそれ以外のすべてが見えなくなっている状態だろうなぁ。それほどあのときの彼女にはその事実が重要だったんだろうな。
でもそんな幸福感に満たされた時間は一時的なもの。その先には長い忍耐の時間が待っているもの。それを『責任』と呼ぶのだけども。

当然のように宮廷では彼女のやることなすことすべてが否定される。
「皇后だから」という理由で自分の行動原理を変える気などまったくないエリザベートにとってはすべてが耐え難い。
カルメンが「カルメンはカルメンなんだ」と言うのと同じように、自分基準で生きる生き方を変えられないし、たぶん納得いかないままに変えようとしたって心を病んでしまうだけ。
境遇に適応するためには適切なカウンセリングと根気強い愛の支えが必要な人だと思います。

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2014/09/01

踊るなら。

8月28日(木)宝塚大劇場にて花組公演「エリザベート」を見ました。

明日海りおさんのトップお披露目公演です。
専科の北翔海莉さんが皇帝フランツ・ヨーゼフ役で特出。
役替わりで、柚香光さんが皇太子ルドルフ役の日でした。

ダンスが得意で歌が課題の蘭乃はなちゃんがエリザベート役で大丈夫なのかな?
と演目発表当初から心配していましたが、本人と音響さんの努力で
宝塚のエリザベートとしては及第じゃないかなと思いました。
エコーがすごいなぁとは思いましたが。

その他の主要メンバーである、明日海トート、北翔フランツ、望海ルキーニが
定評どおりに歌が素晴らしくて、ストレスなしに観劇できました。

柚香さんの容姿はやはり私の好みらしく、どこにいても目に入りました(笑)。
そして2幕のルドルフ。ステキでした♡ 悩めるプリンスだぁ。
眉間を寄せる表情も若い色気がありました。

水美舞斗さんのマデレーネ、クセになりそうな魅力♡
バスタブに浸かっているときの目線の使い方、色っぽい♡
そして、フランツを取って喰うぞー!ってくらいの強さがいい。
そうか、マデレーネって黒天使が化けているのだものね♡となっとくのマデレーネでした。

マダム・ヴォルフのコレクションの女の子たちのレベルが高くてよかったです。

黒天使がスタイリッシュ。こちらもレベル高し。
全員を見るには目が足りず(´・ω・`)
冴月瑠那さんがタイプでした♡
(彼女だけはお名前と舞台化粧が一致)

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2012/07/31

彼を怯ませたもの。

気がついたら7月ももう終わってしまう!
エリザベート2回目観劇の感想がまだなのに。

ということで。
7月12日にソワレを見て、春野寿美礼さんのシシィにやられてチケットを追加しました。
見たのは、7月23日のソワレ。
仕事帰りに飛び込むことになりそうなので、
バルコニー席(特B)を希望だったのですが、同じ値段でA席買えますよー
しかも、千円のお弁当券と同じく千円のスイーツ券付き(ニッコリ)
とチケットカウンターのお姉さんに言われて、
見ると4列目の端席が空いている。(途中入場してもあまり迷惑かけなさそう)
・・・という訳で1階席で見たのですが。

やっぱり博多座の1階は傾斜が緩くて小柄な人間には見難かったなぁと。
やはり私は2階3階のセンターが、舞台全体が見えて
フォーメーションや照明も綺麗で好きだなと思いました。
宝塚公演だけはさにあらず、で、客席降りや客席登場のある1階が好きだけど。

お目当ての春野シシィは、12日に見たときよりもさらによかったです。
コンディションが良かったみたい。
とくに2幕の、今井パパ(マックス)との「パパみたいに(リプライズ)」のデュエットや
「魂の自由」は染みました。
「夜のボートは」12日の石川フランツとのほうが声は合っていたように思いますが
岡田フランツも、愛するシシィに受け容れてもらえない苦悩が深く感じられて胸に来ました。

1幕で「あなたが側にいれば」で歌った「一度私の目で見てくれたなら」という同じフレーズが、
こんなにもちがった意味になってしまったんだとしみじみと思いました。
あのときは、いつかわかり合えると信じ希望に満ちて聴こえたのに
もうシシィはフランツに何も期待していないんだなぁと。

2幕はもう、シシィのどの歌も、これでもかこれでもかという孤独の
静かな叫びに聴こえました。
魂はすでに飛び立ち、地上から離れているのに、
地に穿たれた楔に繋がれたまま浮遊している。そんな感じ。

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2012/07/13

自分しか愛せない者。

昨日、博多座で「エリザベート」を見てきました。
一路さんがシシィを演じられたの(2004年博多座)を見て以来のエリザ観劇。

シシィ(エリザベート)は春野寿美礼さんでした。
一度春野さんのシシィを見ときたかった(聴いときたかった)ので
とりあえずで3階席をとってました。
結果、はまって1階席のチケットを追加。

どこがはまったって、まず演出が数年前よりかなり変わっていますよね?
エリザベートの「真実」に、かなり辛辣に迫っているような気がしました。
一路さんver.のときは、そこまで感じなかった。

自分しか愛せなくて、エゴイストで、孤独で、偏屈。
愛では癒されない、妥協できない、この世に居所がない魂。
そんな彼女の本質、生き様が今回のver.では明確に見えました。

人には立ち入らせない自分の世界でだけ生きていたい。
誰の心の中にもある欲求かもしれない。
けれど、この世に生を受けこの世で生きる以上は
それを諦めることも受容しなければならない。

けれど彼女には、受容も諦めもない。
ただ闇雲に「ここにはないもの」を求めて歩き続けるのみ。

彼女が最後まで諦めずに、歩み続けることができたのは
彼女のオーストリア皇妃という立場があってこそ。

既得特権はそのまま享受しながら、
その特権を与えてくれている体制に協力どころか反することを夢見ている。
それは、夫フランツ・ヨーゼフとの関係そのままだ。
自分は常に裏切っていても、相手からは裏切られることはないと信じている。

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