望もうと望むまいと。
1月28日と29日に日本青年館ホールにて宝塚歌劇宙組公演「不滅の棘」を見てきました。
見応えのある舞台に満足でした。
愛ちゃん(愛月ひかるさん)と宙組出演メンバーがこの作品をここまで高めてくるとは。
2週間前にシアタードラマシティで観劇した時に、愛ちゃんがそうとう歌を鍛えてこの作品に臨んだことが覗え、大千秋楽まで歌いこめばさらによくなるだろなと思っていましたが、その予想を遙かに超える進化を遂げていました。
歌声に味わいが出てきたなぁというのが率直な感想です。細かいですが、愛ちゃんの「リラック↑ス↑↑↑」の『ス』が好きです。
ドラマシティでここがいま一つと思っていた女装場面も格段に良くなっていて、その場面を最高に楽しめました。
舞台を楽しむにあたって役者の声の良し悪しは重要ですが、そこに課題がある愛ちゃんはこのままそれを克服できなければその先へ進むのは難しいのではないか、と思ってしまうことも正直ありました。
が、それに真正面から挑み応えてきた姿を目の当たりにして、もうこれは報われるところまでちゃんと見届けなければいられないと思いました。
そうなることを願わずにはいられません。
ヒロインの遥羽ららちゃんは歌い方がドラマシティの時よりも初演のふづき美世さんに似ている気がしました。
そして私はやっぱりららちゃん演じるフリーダ・ムハが魅力的で好きだなぁと思いました。
アグレッシブではきはきとものを言い、スタイルが良くてショートボブとボディラインを意識した衣装がとってもお似合いで。
幼くして両親を失い愛されている実感のないままに育って(魅力的な娘だから周りから愛されているんだけど)、つねに前のめりに何かを求めていないといられない女性のようでした。
そこに現れたエロールの自分へのまなざしに愛を感じちゃったんだなと思いました。どういう種類の愛しみかもわからずに。
だけどそれこそが彼女がもとめていたものなんだなぁとも思えます。