SOMEBODY TO LOVE.
青山円形劇場で見た「GULF -ガルフ-」の
またまた感想です。
前回あらぬ方向へいってしまったので仕切りなおし!
というわけじゃないんですけど…^^;
内容的には、
生きているのが苦しくなるからふだんは考えないようにしていることを
あらためて呼び起こされてしまうような、
ちょっと辛い、心に痛みを伴うそんな感じの作品。
ニート男の誠(敦士さん)とIT企業幹部の真澄(大和悠河さん)という
2人の極端な性格の登場人物の掛け合いで、
最初は微笑ましくテンポよく、面白可笑しく進み
徐々に不穏と懐疑に包まれ
そして緊迫。
そして融和の兆しを見せて幕となる。
融和の理由がちょっと不明瞭な気はしないでもないけれど
そこは、見た人に任せられたと思ってたらいいのかな。
漠然とした不安、孤独。懐疑。
それがあるからブンガクやエンゲキやロックは生まれ
人のココロを掴むのかもしれない。
そしてオウム真理教のようなカルトもまた
同じものを根源として生まれる。
そういうことを改めて思い出させてくれた作品だったかな。
湾岸戦争の映像は、人々の心に正体のない「万能感」を植えつけた。
地球的な出来事を俯瞰して神の目線で見る現実感のなさ。
やがてくるネット社会がそれをさらに加速させる。
それは誠の心にも真澄の心にも、確実に影響を与えているみたい。
2人は、性格も立場も両極端だったけれど、
どちらも多かれ少なかれ誰の心にも棲んでいる思いであり、
それがカタチになったキャラクターなのかもしれないな。