あなたはあなた。
先日、新国立劇場で見た「プロミセス・プロミセス」の感想です。
素敵な作品でした。
チャックもフランも2人ともよかったね(^ ^)とやさしい気持ちになれるそんな幸せな結末。
笑いとやさしさとせつなさ。
このどうしようもない世界のどうしようもない人々を愛しむ気持ちに溢れていて。
でも、おしつけるのではなくて淡々と描かれていて。
見る者に任される心地よさがあって。
人は自分に関わる出来事を自分の都合のよいように解釈しちゃう。
チャックは、フランがなかなか約束の場所に現れないのを
しつこいデートの相手を振り切るのに手間取っているんだなって思うし
フランは、あんなことがあってもまだ、彼は本当は私を愛しているのかもと思う。
んなワケないやん!と思いつつも、せつなくなる。
2回の延長の末に128対129でニックスの勝利。
ニックスファンなら絶対に見逃したら後悔したくなる試合でしょ。
「TVで結果だけ見ればいい試合だ」なんてそんなこと絶対にない。
そんなやせ我慢を自分に言い聞かせて、でも、フランを責めないチャック。
それどころか、彼女も努力してくれたんだしってポジティヴシンキング。
いいやつだよねぇ。
いいやつすぎてせつないなぁ。
職場の上司と不倫して、他人の部屋で自殺未遂。
こう書くとフランってば、とんでもないイタすぎる迷惑女なんだけど。
じっさいに目の前にいるフランは可愛くってせつない。
愛する人を信じたくて、でも不安でいっぱいで、いろいろ混乱してる。
こんなヒロインなのに、けっしてウェットじゃなくて、ドロドロしてなくて、純粋に見えるのは
悠河さんの持ち味が活きているからだと思う。
彼女が「彼は本当は私のことを愛しているのかも」って言うと
おもわずあははー(^ ^; と笑ってしまう。
この期に及んでまだそんなこと言っちゃって。でも可愛い。
けどせつない。
人はどうしてこんなに愛おしいのかしらと思う。
愚かだけど愛おしい。
愚かだから愛おしい。
こんな悠河さんを見れたことが本当にしあわせでした。
一緒に観劇した友人が、ゆうがちゃんはドラマチックに男性を翻弄する役ばかりじゃなくて
翻弄される役も似合うんだ、と軽い驚きを示して言ってたけど。
私も、こんな役が似合うなんて知らなかった。
いや知ってたんだ。宝塚ではそうだったもの。
シドやスチュアートはそうだったもの。
フランは、シドやスチュアートの側の彼女なんだなぁ。
こんな役が似合う人だったのだ。
それにあらためて気づけたことが、私にはとても新鮮でとてもうれしかったです。