ぜんぶわたしだ。
10月17日にフェスティバルホールにて劇団☆新感線「薔薇とサムライ2」を見てきました。
青臭い中年あっぱれ。
元気をもらいました。
高度成長期生まれの私たちが若い人に残せるのは、夢を見る幸せ、理想を語る喜びだなと。
古田新太さんはバッキバキにキレのある殺陣をされる方だと思っていたのですが、今回はあれ?と思ったら早乙女友貴さんに化けてバッキバキにキレのある殺陣を披露されていました。
この手があったか!笑。
狡‥もとい、後継を育ててくという素敵な夢を見させてもらいました。
10数年もあれば世界は大きく変わるということを身をもって実感した今、歴史物の見方も変わりました。
前途洋々だったアンヌ女王とコルバニア国に獅子身中の虫が・・というのもリアリティを感じました。
そしてそれに立ち向かう若者たちの存在に涙が出そうでした。
なかでも好きだったのが五右衛門(古川新太さん)とマクシミリアン(早乙女友貴さん)の場面。
引き籠るマクシミリアンを否定するのではなく、箱の中で修行すればいいと言うところ。箱が小さいと感じたらもっと大きい箱の中で修行すればいいと。決して無理やり引っ張り出そうとはしないんだなぁ。
その後、忍者に扮した早乙女さんが味方のピンチに現れては助太刀してバッキバキにキレッキレの殺陣を披露する場面が見どころで、マクシミリアンいつの間にこんなに上達した??!と思ったら、なんと五右衛門が変化してる設定でした。騙された――!
とはいえラストのマクシミリアンの成長、うれしかったです。
見どころといえば、アンヌ(天海祐希さん)が某閣下のような扮装をして舞い降りたり?怪盗紳士となって黒燕尾姿で踊ってウィンクまで放っていたサービスシーンは宝塚ファン的にも大満足の美しさ&男役のキザリ健在。現役さんと遜色なく驚き。
歌詞も〇〇のタンスは俺のものだったり恋それはだったり。遊びがいっぱい。それをしっかり全力で見せてくれて楽しかったなぁ。
ドレスもたくさん着替えて見せてくれ眼福。お衣装担当の方もそれはそれは滾ったことでしょう。
おなじみの高田聖子さん、粟根まことさん、森奈みはるさんは流石の実力で舞台を面白く支えてて、どんな場面でも説得力があり頼もしかったです。
高田さん演じるマリア・グランデ女王がキョーレツだからこそ物語が深まるし、彼女のさりげないセリフにその心の傷もうかがえて一気に見えるものが広がった気がします。
粟根まことさん演じるスチームパンクのようないでたちのサイエンティストのケッペル先生がきっちり世界観を見せてくれるので冒頭と終盤の伏線がつながってああ!っと奇天烈な設定を面白く見れました。
石田ニコルさん演じるロザリオがラウル(神尾楓珠さん)やベルナルド(西垣匠さん)と葛藤しながら成長していく姿に希望を見ました。
浦井健治さんのシャルルがちゃっかり映像で出演してて可笑しかったです。お元気そうでよかった笑。
生瀬勝久さんのボルマン。五右衛門との丁々発止のやり取り凄かったです。なぜそんなセリフを普通に言えるのかな。個性がありすぎ。そもそもあのコスチュームとかつらが似合うのおかしいくないですか。
ふざけていても愛がある主人公。しっかりと自分の中の自分と対話して答えを見出す人。そんな登場人物たちと共有できた数時間。
希望を感じるエンタメに浸りました。