カテゴリー「♖ 劇団☆新感線」の8件の記事

2025/07/23

糸の芯まで真赤に染まる

7月2日と17日に東京宝塚劇場にて「阿修羅城の瞳」「エスペラント!」を見てきました。これで私の「阿修羅城の瞳」生観劇は最後になるだろうと思います。

最高のエンターテインメントでした。
どこまでゆくのかどこまで極めるのか礼真琴!と。セリフ回しも間合いも殺陣も歌も、見得を切るときのつま先から頭のてっぺんまでも、どこをとっても胸がすく爽快感。満足と納得のリフレイン。このレベルのタカラジェンヌに私はもう二度と出遭えないかもしれないなどと思うなど。奇跡を見ているような心地がしました。

星組生の集中力も凄まじいなと思いました。どこにも隙がない。
宝塚大劇場公演からいちばん変化を感じたのが邪空(極美慎さん)でした。出門(礼真琴さん)への執着が尋常ではない大きさで彼の内側で渦を巻いているのが感じられました。
銀橋でのソロナンバーはオケとも相俟ってとってもロックテイスト増し増しでよかったです。
おなじく宝塚大劇場公演で存在意義がいまいち薄いと感じた毘沙門(天飛華音さん)と大黒(稀惺かずとさん)の存在感が見違えるほどに増していたのにも驚きました。2人ともセリフのタイミングがすごく良くてコミカルな表現(アドリブ)も場面に添っていて楽しかったし、鬼に身体を乗っ取られているときの打って変わった表情、立ち姿も目を惹きました。

宝塚大劇場公演の初見でつばき役の暁千星さんに感じた躊躇のようなものも東京公演ではまったく消えていて、愛嬌と妖艶さと凄味がその身から溢れ出る暁さんゆえの紛う方なきつばきが存在していました。
礼さんの出門からつばきへの愛、つばきから出門への愛が宝塚大劇場公演で見た時よりもいっそう深まっていて、この愛があるからこそのこのドラマなんだと納得しかありませんでした。

「阿修羅城の瞳」を見てつくづく思うのは、星組の娘役の層の厚さでした。
前作までは星組のザ・プリンセスな舞空瞳さんがいて、彼女に心奪われていたこともあって気づいていなかった自分の迂闊さにデコピンしたい気持ち。星組には素晴らしい娘役さんがこんなにいたのだなと思い知った心地でした。
詩ちづるさん演ずる桜姫は宝塚大劇場よりもさらにパワーアップしていてもう見ていて楽しくて仕方がありませんでした。
17日は賀茂白丞(朝水りょうさん)南雀(蒼舞咲歩さん)が揃って「さしすせそ」「たちつてと」を「しゃししゅしぇしょ」「ちゃちちゅちぇちょ」に拗音化して話すのが可笑しくて(古語の発音っぽくもあり)、それがまさかの江戸っ子の桜姫や出門にも移ったりもして笑ってしまいました。

少女役の茉莉那ふみさんの巧さには目を瞠りました。芝居も歌も、出門に斬られる勢いで弧を描いて駒のように回転し倒れるところは吸い込まれるように見惚れていました。
笑死役の瑠璃花夏さんも逢魔が時に手鞠を抱えて佇む姿、無垢な声音で禍々しい童歌を歌うところ、無垢な声色が俄かに魔を帯びるところ、どれをとっても独特の雰囲気を纏っていて思わず見入ってしまいました。

この公演を最後に専科に異動となる美惨役の小桜ほのかさん、この公演で退団する阿餓羅役の白妙なつさん、吽餓羅役の紫りらさんの巧さ、娘役としては珍しく武器をもって戦う場面も見事に演じて頼もしくも感じるにつけ彼女たちが星組からいなくなるのは痛手だなぁと思います。
でも新人公演で鳳花るりなさん、瞳きらりさん、詩花すずさんがこの難しい3役をしっかりと勤めていたのを見て、星娘の気概、技術はしっかり受け継がれているのだなぁという感慨も覚えました。
そんな彼女たちが本公演では鬼や桜姫の侍女たちの中にいて、あの巧さでもいまの星組ではそうなるのだなぁという層の厚さを痛感しました。新人公演で桜姫役だった乙華菜乃さんもおなじくです。

ショー「エスペラント!」はやはり選曲が好きだなぁと思いました。
「ニカの夢」~「チュニジアの夜」~「The Shadow of Your Smile」のナンバーと男役のカッコ良さがたまらなく好きでした。
黒燕尾の男役と夜会服の娘役の「Stardust」~「Smile」もハッピーで大好物でした。
スタンダードナンバーをクールに歌い踊る近年のタカラジェンヌに惚れ惚れしています。
今回もハイレベルのパフォーマンスを軽々とこなす星組生に圧倒されていたらあっという間に終わってしまうショーでした。

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2025/06/07

紅鬼物語

劇団☆新感線いのうえ歌舞伎「紅鬼物語」 5月26日 12:00

ちょうど宝塚大劇場で星組の「阿修羅城の瞳」が上演されている時期になるので、1遠征で両公演が見られたらいいなぁという軽い気持ちでVAC会員先行のチケットを申し込みました。(その後「阿修羅城の瞳」のあまりのチケ難に蒼褪めることになりましたが、無事両方を見ることができました)

1泊で2つの舞台を見る計画でしたが、新幹線やホテルを予約したり友人と待ち合わせの計画を立てるたびにskyシアターで上演のところを梅田芸術劇場とまちがえそうになり危なかったです。
skyシアターはJR大阪駅直結のJPタワー内にあり、新幹線利用の私には好アクセスで、客席も高低差があり後方席が見やすい劇場でした。

「紅鬼物語」は観劇前に公式サイトのあらすじを読み、設定がユルそうだけど大丈夫かな?と少々心配もしたのですが、たしかに1幕はずっとこのかんじだとつらいかもと思いましたが、2幕で紅子役の柚香光さんが「本来の姿」で動きはじめてから俄然引き込まれていきました。やっぱり柚香さんは大きくスタンスをとったときの身のこなしが鮮やかで美しいなぁと思いました。そしてやはり感情豊かなお芝居で魅了する人だなぁとも。いつか「朧の森に棲む鬼」のツナのような武人の役を見てみたいなぁと思いました。

新感線らしいところといえば、私はきつねさんが大好きでした。あまりに好きすぎて観劇後の友人とのLINEではきつねさんのことしか書いていませんでした。あとでキャスト表を見たところ、役名は「毛の男(右近健一さん)」となっていました。そういえばさいしょはきつねさんじゃなかったですよね。2人で1人になってからも好きだったなぁ。

そして劇団☆新感線といえば激しい殺陣ですが。鬼の栃ノ木役を演じた早乙女友貴さんの立ち廻りは胸がすくようで見惚れました。
26日は花組の生徒さんが多数観劇されていたようで、カーテンコールで柚香さんが控えめな「花組ポーズ」をされて客席が沸いたのですが、共演者の皆さんが何?何?となってて・・笑。以降はカーテンコールの幕が開くたびにお1人ずつ即席の花組ポーズをされてカンパニーの楽しい雰囲気が客席にもつたわりました。早乙女さんの花組ポーズがキレッキレできまっていたのが印象的でした。
最後には柚香さんが本気の花組ポーズで〆てくださり最高の思い出になりました。

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2025/06/06

われても末に

5月27日に念願の宝塚歌劇星組大劇場公演「阿修羅城の瞳」2回目を見ることができました。

1回目で原作との擦り合わせもしていましたし、新人公演も見ることができたので2回目の観劇は戸惑うことなく物語に入っていけました。
宝塚版「阿修羅城の瞳」を心から愉しめて最高の観劇体験でした。

5月6日にはじめて見たときは、新感線版ではセリフで語られていた部分が視覚化されていることに戸惑っていたように思います。

私は小説の映像化(舞台化)作品を見て戸惑ってしまうことがよくあります。ビジュアル化されたことで「あったもの」がなくなっていることに対して呆然としてしまうかんじです。
ビジュアル化されることでなくなるものってナニかというと・・行間とか概念とかとても私的なイマジナリーななにか? そんなもの自分が勝手に受け取って勝手に愉しんでいただけやんってかんじですが。勝手にあると思っていたものがない?ない?と探しあぐねているうちに終わってしまった・・みたいな感覚かな。
さいしょから原作小説と映画・舞台は別モノとして見るスキルを持てばよい話なのですが。なるべくそうしようと心がけてはいます。難しいですけど。

しかし「阿修羅城の瞳」はもともと舞台だったものなのでうっかりしていたといいますか。
あれ?あれ?ここで摂取していたものが・・?あれ?となってしまったんだと思います。

いま思うに、宝塚歌劇って視覚化に全力なんだなぁと。
一方で新感線(中島かずきさん&いのうえひでのりさん)は宝塚ほど視覚化に重きを置いていないのだなと思います。
個々のキャラクターの魅力、多面性、身体能力を存分に堪能できる演出。
生身の人間がどこまでやれるか。情報自体の視覚化よりもどれだけ観客をあっと言わせることができるか。そこに重きを置いた演出だったなと思います。
脚本としてはセリフの応酬、ひとつのセリフに詰まった情報量(声や目線、表情、言葉に幾重にも意味をもたせていたり、そこから派生するものが引き出しいっぱいに入っている・・など)を浴びて自分なりに摂取しながら展開していく物語を愉しむスタイルなのだなぁと。とても見ている最中に全部は受け取りきれないのだけど、あとからじんわり来る面白さもある。
私にとっては小説を読むのにちかいものがあったなぁと思います。いま思えばですけど。情景や背景、心情などはすべてセリフから読み取るかんじで。

その新感線らしさを存分に楽んだ「阿修羅城の瞳」だったからこそ、宝塚化された際に戸惑ったのだろうと思います。
想像であったものが徹底的に視覚化、具現化されていることに。
(ごちゃ混ぜを愉しんだ引き出しがきれいに整理されていることにも)
出演者の人数と舞台機構を駆使して過去も現在も瞬時に視覚化され、心情は詠唱となり舞踏のような振り付けとなって目の前で展開されていく。
新感線版を記憶にとどめたままだった私はそこに追いついていけなかったのかなと思います。
二度目の観劇でそれこそが宝塚歌劇の魅力だったことに気づきました。
それが好きで宝塚を見ている自分に無自覚だったことにも。

ここにきて、劇団☆新感線と宝塚歌劇のちがいを知ったかんじです。
宝塚歌劇の「阿修羅城の瞳」もとても面白かったです。
そのうえで新感線版は「業だなぁ」と思っていましたが、宝塚版は「愛だなぁ」と思いました。たいへんベタですが。

隠れ家で悪夢に逃げ惑い絶叫するつばき(暁千星さん)にかける出門(礼真琴さん)の声に含まれる愛情の深さにふるえました。

暁さんのつばきは、5月6日に見たときよりもさらに色っぽくなっていました。
中村座での出門との出会いの場面、渡り巫女たちと合流する場面など赤い麻の葉文様の着物姿、初見では見慣れないせいかほんのちょっと違和感があったのですが、27日はまったく違和感などなくてほんとうに粋で気風の良さが感じられる姐さんの風情で素敵だぁと心ときめきました。しかもほどよく色っぽいくていかにも訳アリ。これは惚れる・・。
さまざまな見地から5月初旬より出門とつばきの愛が深まっている気がしました。
宝塚版を「愛だなぁ」と思った所以です。

邪空(極美慎さん)はスケールが大きくなった印象でした。「俺を見ろ」の圧が凄かったです。
出門のいない鬼御門で副長として5年のあいだ、出門への妄執に取りつかれて生き、ついには魂を鬼に渡し自らが鬼に転生することも少しも厭わないまでになっていた邪空を知ったうえで、幕開きで出門と鬼を狩っている彼を見るとせつなさで胸が痛みました。こんなにも楽しげにいきいきと出門とともに刀を振るっていたのにと。
この執着も愛だなぁと思いました。

桜姫(詩ちづるさん)もパワーアップしていてますます大好きでした。
彼女の前向きすぎる行動もまた愛のなせる業ですよね。

愛の権化のような礼さんの出門とますます美しくなった暁さんのつばき。
東京公演ではどう進化していくのか楽しみです。

ショー「エスペラント!」も楽しかったです。
バレエの場面、極彩色のラテン、黒燕尾とイブニングドレス&オペラグローブの場面がとくに好きなのは初見と変わらずでした。

礼さんの黒燕尾のソロダンスの場面は案外長かったんだなぁと思いました。初見でもっと見たいと思ったので短かった印象だったのですが。
ただここから盛り上がるのかなと思ったところで終わってしまうので、もっと見たいと思うのは同じでした。

お芝居のほうでいろんなものをたくさん摂取したあとだったので、ショーも盛りだくさんだとつらかったかもしれず、よいバランスなのかもと思います。

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2025/05/19

阿修羅城でお待ちしております

お誘いいただき5月15日に宝塚大劇場にて星組新人公演「阿修羅城の瞳」を見てきました。
かつてないほどのチケット難事情ゆえに初日が明けても手元にはチケットが1枚もなく、本公演を観劇することなく新人公演を見ることになるかもと思っていたのですが、運よくチケトレで連休最終日のチケットが手に入り、辛うじて新公が初見という事態は免れることができました。
毎度のことながら初見は原作との擦り合わせやさまざまな情報処理で忙しくて物語に身を委ねて楽しむというよりは、なるほど!そういうことか!(原作を)こうしたのか!という驚きと納得と解釈など心より頭で楽しんだかんじでした。
一度そういう見方をしていたおかげで新公は登場人物を中心に観劇することができました。(本公演もそんなふうに観劇したいのですが現時点でチケットがどこにもありません)

新公当日は朝の新幹線に乗りお昼頃に宝塚着。
友人が13時公演を見ている間に数年ぶりの宝塚の殿堂へ。受付で友の会カードを提示しようとしたらアプリのクーポンを求められて、時代が変わっていることに驚いてみたり。
時間がたっぷりあるのでじっくりと見学していたら、13時公演をご観劇ではありませんか?と親切にお声をかけていただいたり。
久々で一つ一つが新鮮で楽しかったです。
それからリニューアルしたカフェテリア「フルール」へ。こちらもあれこれ物珍しく礼真琴さんの愛称をもじった公演デザート「黒ごまこっつ餡」とドリンクバーでブルーキュラソーシロップとカルピスソーダを合わせて「AZUL風♡」とひとり悦に入りながら空色のドリンクにしてみました。
13時公演の終演を待ち友人たちと合流して腹拵えを済ませて、いざ新公へ。

終演後の感想は凄いものを見せていただいたなーでした。
皆さんお上手でこれ新人公演?となんども思いました。本公演の半額のチケット代が申し訳ない気持ちさえしました。

病葉出門役の稀惺かずとさんは口跡明瞭で早口の江戸言葉がかっこいい。せりふが聞き取りやすくて惚れ惚れ。ずっと聞いていたいと思うような声質と口跡で役者として素晴らしい宝物をお持ちだなぁと思いました。
闇のつばき役の詩ちづるさん、さいしょのうちは渡り巫女の中に入ってしまうと埋もれちゃうなぁと思ったりもしましたが、阿修羅に転生してからの気迫が凄くて見入ってしまいました。銀橋での歌唱が素晴らしかったです。

安倍邪空役の大希颯さんもせりふ回しがお上手で語られる出門への執着や動機が自然と納得がいくかんじ。恵まれた体型ゆえでもありますがすべてが大きいと感じさせる邪空でした。銀橋で歌い上げたナンバーは声量もあって声帯に天然のエフェクトをかけているのかと思う声でロックだぁと思いました。
美惨役の鳳花るりなさん、本公演を観てこの美惨という役は小桜ほのかさんだからできる役じゃないのかなぁと思ったほど娘役を超えた役作りだったのですが、鳳花さん見事にやりきったなぁと思いました。はっきりとした目鼻立ちにヴィランメイクが映えてとても迫力がありました。
阿餓羅と吽餓羅を演じた瞳きらりさん、詩花すずさんもお上手で新公じゃないみたいと思いました。

彩紋ねおさんの鶴屋南北は憎めないかんじが好きでした。戯作者として佳い本を書きたい欲が強すぎて思考がイッてるけど一座の皆からはそれなりに愛されてるんだなと思って見ていました。
青風希央さんの俵蔵さんはきっといそうな一座の綺麗な女方でした。たしかに大きいけど。過剰にコミカルに演じていないところは好感を持ちました。

凰陽さや華さんの安倍晴明も明るい人柄で、あの桜姫のお父さんであることがすごく納得でした。娘とタッグを組むところも楽しそうだなと思いました。死んでいないことを突っ込むしぐさとかも面白かったです。桜姫役の乙華菜乃さんとは同期なのかな。
乙華菜乃さんの桜姫は驚き&大好きでした。さいしょの登場で出門にねちっとウィンクをしたところから、あれ?と思いましたが、登場のたびに笑いをさらって目が離せなくなりました。あえて本役の詩さんとはちがうアプローチをしているようなかなり振り切った桜姫で、間のよさ舞台度胸のよさで笑いをとっていくのが天晴れで思わず拍手をしていました。途中からは登場のたびに来た来たーとなり、しだいに来るぞ来るぞーと登場を待ちかねるようになっていました笑。
今回でしっかり認識できたのでこれからの乙華さんにも注目していきたいなと思いました。

賀茂白丞と賀茂南雀役の朝稀さいらさんと桃李拍さんは、本役の朝水りょうさんと蒼舞咲歩さんが笑いをさそっていた公家っぽいおっとりとした話し方にさらに声の高低で個性をつけていて面白かったです。
(声が高い方が朝稀さんで低い方が桃李さんで合っているかな)
桜姫とその一味?は登場のたびに心うかれました。
安倍毘沙門と安倍大黒はともにイケメンで眼福でした。
毘沙門の樹澄せいやさんは「記憶~」の新公の井坂さんですね。
大黒役はこのイケメンは誰だろう?とずっと思っていて後で確認したのですが、馳琉輝さんなんですね。初舞台ロケットで気になっていた人だぁ~と思いました。これから注目していきたいです。

渡り巫女は本公演よりもアイドルっぽい印象で既視感があるなぁと思ったのですが、「記憶にございません!」の田原坂46でした笑。新公らしくてよかったと思います。
鬼御門三界衆はとても元気はつらつで新公らしくて好きだなぁと思いました。
グループ芝居に良い意味で新公らしいフレッシュさや一緒に作り上げている雰囲気が感じられたところも良い新公だったなぁという印象になっています。

久々に新公を見たのですが(コロナ禍以降で初かなぁ)、そうできる作品だというのもあると思うのですが、本公演とはちがう自分たちの舞台を作り上げた印象が強い新人公演だったなと思います。
星組新人公演のメンバーの底力と意識の高さを感じることができた素晴らしい公演でした。
これを見ることができたことに感謝です。記憶に残る素晴らしい体験でした。

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2025/05/12

近頃都に流行るもの

5月6日に宝塚大劇場にて星組公演「阿修羅城の瞳」「エスペラント!」を見てきました。

超絶人気のトップスター礼真琴さんの退団公演であり、また劇団☆新感線の人気作品「阿修羅城の瞳」の宝塚歌劇化ということも重なって、演目発表当時からチケット入手困難な公演となることはわかっていました。
わかってはいましたが、実際想像以上にとんでもないチケ難公演で、取次ぎも抽選もことごとく落選し初日が明けても1枚もチケットが確保できていない状態でした。そんななかGW中にチケトレでどうにか1枚入手できたので、GW最終日の人混みをかき分けて新幹線で日帰り観劇してきました。
座った席はほどよく見やすい列の1階センターで、もうこれっきり生で見ることは適わないかもしれないと思い、悔いが残らないようにと気を張って礼さんの姿を追いました。

「阿修羅城の瞳」は、3時間の新感線版を1時間半にまとめているので、なるほどここを端折るのかーそうだよねーここは削るよねーと納得しつつも、私はその端折られた部分が好きだったんだなーと思いました。
あえてお間抜けなカッコ悪いところを見せて油断させておいてのカッコ良さとか、劇団☆新感線の登場人物あるあるの振り幅を愉しんでいたんだなーと。
星組版はストーリー上重要ではなさそうな部分(お遊び的なところや芝居の元ネタを知っていると面白いところなど)を削って綺麗に収められているのだけど物足りなくもあったのは、その削った部分を私は愉しんで見ていたからかもしれないなと思いました。
とは言ってもその手のカッコ悪さとか笑いを私は宝塚に求めてはいないしなーとも思いました。

じっさいの出門とは真逆なのだけども「四谷怪談」の伊右衛門を見たくなるような、女性を口説かせたら凄そうと思える幸四郎(染五郎)さんの出門のこなれ感も新感線版の魅力でした。
が、礼さんにそれを求めるかというとそれも違って。じゃあ見たい礼さんって?などと自問したりも。

礼真琴さんの出門はひたすらカッコ良かったです。つばきに軽口を叩きながらも内に思いがあるところが見えたりもして。新感線版の純情(出門曰く純粋な欲望)とは異なる純情だなぁと。
初見だとどうしても記憶している新感線版との擦り合わせをしてしまって(これは私のさがゆえ)、礼さんならではの良さをしかと感じ取れなかった気がしてなりません(やはり1回では足りない! 2回目からなのです楽しくなってくるのは・・いつも・・)。

暁千星さんのつばきは、思っていた以上に色っぽくて驚きでした。
しなやかに踊って跳躍して拗ねている表情がとても可愛い・・と思っていた月組時代の印象から、拗らせた昏い役、本心を読ませないメタルフレームのメガネハンサムの役とだんだん大人っぽい役が似合ってきてドキドキしていましたが、まさかの女役でしかも色香を含んで礼さんにしな垂れたり、デュエットダンスのように大階段で礼さんと対峙してせめぎ合う役を演じることになるとは・・です。
新感線版の性的なものを感じさせるニュアンスは極力封印してギリギリ宝塚らしさを保っているところも難易度高いのではないかと思いました。

劇団☆新感線から男のロマンと幻想とノリを削いだらこうなるんだな。
というのとそこに如何にして演者が宝塚らしい潔さと美を加えるかが見ものの作品かなぁと思いました。
それを味わうのためには1回の観劇では全然足りないってことも切実に思いました。(というももの現時点でムラは0・東京公演の友の会3次で当選したチケット1枚しか確保できていない哀しみ・・)

新感線版でも好きだった桜姫ですが、詩ちづるさんの桜姫も可愛くてぶっ飛び方は新感線版には及びませんが、そこも宝塚にしてはかなりのぶっ飛び方で好きでした。
私が宝塚で見たいものを頑張っていたのが桜姫かなぁと思いました。(華やかで明るい照明をいっぱい浴びている感じ)
それから鬼が宝塚ならではのコンビネーションで見ものだなぁと思いました。(ぱっと見で誰だかわかったのは鳳花るりなさんだけだったのですが・・)

美稀千種さんの鶴屋南北、ひろ香祐さんの安倍晴明はエピソードや設定がほとんど削られてしまって、仕方がないとはいえ残念に思いました。(好きだったんですそこが・・)
いろいろ削られた結果、極美慎さん演じる邪空の動機や所業がぼやけてしまってスケールが小さくなったのも残念でした。宝塚では描きにくいところだったのでしょうけど、髪型と立ち廻り以外印象が薄くて。邪空のスケールが小さくなった分、毘沙門(天飛華音さん)と大黒(稀惺かずとさん)も割を食ってしまってもったいないなぁという印象でした。
雷王(碧海さりおさん)鳴王(夕陽真輝さん)震王(大希颯さん)の鬼御門三界衆はコミカルで可愛らしくてとても印象に残っています。

美惨、阿餓羅、吽餓羅を演じた小桜ほのかさん、白妙なつさん、紫りらさんは娘役としての高いスキルを備えた方々だけにもったいないというか惜しいというか。ビジュアルや衣装を宝塚化してはダメだったのかなぁと思ってしまいました。
鬼のビジュアルにしてもですが、やはり宝塚には見目好さを求めたくなります。
渡り巫女に華やかな場面をつくるとか、せっかく宝塚で見るのだから原作になくても絢爛豪華な場面はほしいなぁと。
そういうことにチケット代を払いたいなぁと思いました。

1回きりの観劇だったので深い部分まで味わうには至らず、自分勝手に摂取しようと思っていたものとの齟齬を解消しきれないままに終わっちゃったかなと思います。
もし2回めがあれば、ここからどう印象が変わったかを書き残してみたいなぁと。切に思っています。(新人公演は見られそうなのでそこで何か自分の中で見えるものが変わるかも?)

「エスペラント!」は好みのタイプのショーでした。
大勢で色とりどりのラテンっぽいダンスの場面、暁さん中心のバレエ的な場面、黒燕尾とドレス姿のボールルームダンスのような正統派なレビューの場面は音楽も好みで心が華やぎました。
海の場面はストーリーがあるんだろうなぁとは思いましたが、そこはあまり考えなくても華やかで楽しめました。
「阿修羅城~」で出ずっぱりだったせいか、退団公演のショーにしては礼さん出ずっぱりという印象がなかったのは意外だったなと思います。これまで見てきたショーがとにかく礼さんと相手役の舞空瞳さんが踊りまくっていた印象があるからでしょうか。
礼さんの黒燕尾のソロダンスの場面はもっと見ていたかったです。もっとと思っているうちに終わってしまうのがとても寂しかったです。
このショーもリピートすればするほど見どころがありそうで、1回じゃ足りないなぁと切に思いました。

お芝居ショーともに「もっと見たい!」というのがいちばんの感想で切実な願いかもしれません。

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2025/02/24

真っ赤な嘘に染め上げろ

2月12日に博多座にて歌舞伎NEXT「朧の森に棲む鬼」を見てきました。

思っていた以上に新感線でした。
2007年版は見ていないんですが、この役は古田新太さんだな、高田聖子さんだな、粟根まことさんだろうな、と思ったり。

それに加えて、凄絶な立ち廻りや思わず見惚れてしまう所作、見得や六方、だんまり、人形振り、本水にさいごは宙乗りなど歌舞伎的演出が目白押しで、そこに大向こうもかかって、歌舞伎初心者の私には目を瞠る瞬間の連続でした。歌舞伎って凄いなあと感嘆しまくりでした。(一昨年見た「流白浪燦星(ルパン三世)」での愛之助さんのレクチャーがいまも歌舞伎を見る面白さをマシマシにしてくれています)

そしてやっぱり脚本に惚れ惚れしてしまうのは性かなぁ。
脚本も演出も演者もどこをとっても凄いなぁと感服しまくり。この打ちのめされるような満足感はなかなか味わえないなぁと大興奮、大満足の観劇体験でした。
歌舞伎って凄いエンタメだなぁと思いました。

松也さんのライ、幸四郎さんのサダミツの回だったのですが、ずっと幸四郎さんがいないなぁ・・と思っていて、さいごのさいごのカーテンコールでサダミツ登場時に背景の映像に幸四郎さんのお名前が出て、えええーっと驚きました。まんまとしてやられていました。
幸四郎さんがライをつとめる大千穐楽のライブ配信は平日だけれど見逃し配信もあるということなので購入しました。どんなライなのか楽しみです。
(けっきょく24日の松也さんのライブ配信も購入してしまって・・まんまとカモです・・)

松也さんのライは迫力が凄かったです。本当に剣に操られているように見えました。どういう体幹をしているんだろう・・。
口先では迎合しながら相手に顔が見えない向きで別の思惑がある表情を見せるのは「リチャード3世」ぽいなぁと思いました。
となると冒頭の3人の魔物(オボロ)に「王になる者」と言われるところが「マクベス」をリスペクトしているのかな。
歌舞伎以外の演劇にも挑戦してきた松也さんがいま、歌舞伎に誇りと充実感をもってこの舞台に立っている、そんな印象を受けました。

松也さんのライと尾上右近さんのキンタとの掛け合いもとても面白くて、シュテンの血人形の契りの意味がわかったときのライに僅かに動揺があったように見えたのは、端からシュテンと義兄弟の契りなどかわすつもりもなくて代わりにキンタの血をつかったことでキンタの命を危うくしたことを悟ってなのかな?
どんな相手も利用するし平然と騙し裏切ることもなんとも思っていないライだけど、ちょっとだけキンタに「あはれ」を感じているのかなぁと思いました。その本人さえ意識していないちょっとした「あはれ」が最終的に自滅につながるのがまたあはれでこの筋書きの痺れるところだなぁと思いました。
松也さんライと右近さんキンタの関係性がとても刺さったので、幸四郎さんのライとキンタではどうなるのだろうと興味がわいています。

時蔵さん演じるツナと坂東彌十郎さんのオオキミも好きだなぁと思いました。
時蔵さんのツナは女性性をほぼ封印した凛々しく美しい女性であるところがガツンと心を奪われました。すっとしたストイックな武人で女性で懊悩しがち。(まんまオスカルだな)それを女方が演じているところ。
(これまでもお嬢吉三や富姫や凜とした女方に心奪われていたから、ツナに惹かれるのは道理なのかな・・?)

オオキミは花道から登場のときから愛らしくて心掴まれました。「3人しかいないけど」もチャーミング。
玉座に上るため身を翻して打ちかけた着物を払う所作とタイミングがシキブともピタリと一緒で見惚れていました。
コミカルかと思いきやするっと様式美を決めるなど油断できない感じにぎゅっと心掴まれました。
坂東新悟さんが演じたシキブはじっさいに近くにいたら苦手なタイプだと思うのだけど、内に秘めたかなしみのようなものも感じて憎めない人だなぁと思いました。
そのかなしみというのは、ツナが感情を抑えているけれど心に嘘はないのとは対照的に、シキブは感情豊かに見せながら実は本心を隠して生きているからかなぁと思いました。そういうすごく女性ゆえな有り様にリアリティを感じてかなしくて憎めなかったのかなぁ。

観劇中のほぼどの瞬間も感動していてとても忙しかったです。演者のパフォーマンスにセリフに展開に。登場人物たちの名前にも。これってこういうこと? これってどういうこと? これって・・と。述べだすときりがないくらいに。とても面白かったです。

2月24日(松也さんライ千秋楽)と25日千穐楽(幸四郎さんライ)のライブ配信も購入したので、観劇中にこれは?あれは?と思っていたことを検証したり、ライが変わることでどうなるのかとか、また自分が何をどう思うのかとか、楽しみにしたいと思います。

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2024/07/29

どいつもこいつも

7月24日に博多座にて劇団☆新感線の「バサラオ」を見てきました。

脚本家が怖い 

久々に脚本家って怖いと思いました。
緻密につくりあげられた世界観、その中で自在に戯れる感覚を味わいました。
イメージを具現化する演出、役者の力量にも感服でした。
終演してもしばしこの世界に浸っていたい、そんな作品に出会いました。
とはいえ短期間でリピートするには気力体力がそうとう必要なボリューム(内容)だったので映像でリピートしたいなぁと思います。(出ますよね??)

裏切り寝返り。敵と思えば味方に味方と思えば敵に、戦途中でも入れ替わり、こんどはどっち??? 登場人物たち皆がおのれの義を貫くゆえなんだけども。
どいつもこいつもロックだなぁ。
あ、いまのいいな、と思った次にはとんでもなく外道なふるまいにうげぇ、のドライブ感。

ヒュウガ/生田斗真さん

冒頭で生田斗真さん演じるヒュウガが歌っていた「眩しさと傷みは似ている」が観劇中ずっとあたまに残っていて、それって憧れのロックスターを見ていた時の感覚とおなじだなぁと。
憧れたロックスターのイメージが物語を背負ったらこんな感じになるのかなぁと思いました。
それにしてもあれだけ美しいの顔がいいのと連呼され、そのことが理由となり動機となる役を納得させて物語を成立させる生田斗真さんの凄さときたら・・。美しいと自ら言い他人に言われて刹那も揺らがない気力がもう、尋常ではないと思いました。(これが背負っているひとの迫力なんだ・・)

カイリ/中村倫也さん

カイリを演じる中村倫也さんの芝居の巧さはこれまた凄いなぁと思いました。
とんでもなく複雑で面倒で難しい役を齟齬なくあのラストに持っていった力量に驚きでした。
誰よりもいちばんいろんな人物と絡んでいて、その時々に見せる顔に違和がなくて、次々に変わる状況とも矛盾がない。おかしいじゃんとか納得できないとかにすこしもならなかったこと。それが不思議。凄すぎ。
エグい人物しか出てこない作品でしたが、いちばんマトモそうな顔をしていちばんエグかったのがカイリだったんではないかと。
あれとかあれとかあれとか・・・。その人物がどう行動するか、結果どうなるかも読んで布石を敷いていたってことですよね。ひぇ~怖い。
それは村にいるときからはじまっていて、再会は必然ってこと? 《犬》として諸国を渡り歩いていたのだからヒュウガの動向も知らないわけがないですよね。ひぇ~怖い怖い。
(ヒュウガがエリザベートならカイリはトートで、ヒュウガがトート閣下ならカイリはルキーニ、みたいな・・。《グランデ・アモーレ》ですよね)

サキド/りょうさん、アキノ/西野七瀬さん、クスマ/村木よし子さん

3人の女性リーダーたち、女大名サキド(りょうさん)、朝廷の戦女アキノ(西野七瀬さん)、朝廷側の落武者集団の女傑クスマ(村木よし子さん)は三者三様の性格と矜持で自分の意思で戦う姿がよかったです。
女性だからと黙らせられたりしない世界観。男性たちのなかで女性性を一身に引き受ける『紅一点キャラ』じゃなくて本当によいなぁと思いました。

派手好みの女大名サキドはハンサムで凄味があって最高でした。美と粋を追求する意気地《サキド好み》がゆえにヒュウガを意識せずにいられないんだろうなぁ。
アキノはトンデモアブナイ戦女(いくさめ)。自分のこだわりを追い求め一般的な価値には無頓着(ゆえに孤立してるけどそれも無頓着)。権力者にはこのうえなく手駒にしやすいタイプ。サキド様がおのれの美意識から常ならぬ道を選択するのに対してナチュラルボーンの逸脱者。彼女をほうっておけないカコ様(中谷さとみさん)の気持ちわかる~と思いました。
クスマはいちばん義理人情に篤い人間的な「いいひと」。だからこそ葛藤するし良心に縛られる。そこがほかの登場人物たちとは一線を画しているんだなぁと。ほんと傍若無人に好き勝手やる人たちに囲まれて分が悪すぎるけどその選択もクスマらしいなぁと思いました。(ゴノミカドの皇子とともに倒幕のために戦う天皇の忠臣クスマってクスノキサシゲですよね? え、まってもしかしてサキドってキドウヨ? ではキタタカ時?? ・・といまになって気づく・・)

ゴノミカド/古田新太さん

古田新太さんのゴノミカドは後醍醐天皇がモデルなのはまちがいないと思うのだけど、古田さんのゴノミカドでこれまで私のなかで曖昧模糊としていた後醍醐天皇の解像度が上がったような気がします。
凡人にも親しみやすい物言いやふるまい(ヤカラ文化の人びとに響きそうな)とはうらはらの知略。ポピュリズムを利用する専制君主みたいなアンビバレンスを平然と内在させて、苦労人らしいあたまの切れがあるかと思えば頑迷なところもあり、もはや何ものにも共感不能なかんじ。愚帝と見せてじつは尋常ではない切れ者?かと思いきややっぱり・・?(器が大きいのかそうではいのか、そこも自由自在なのか)
この人物と渡り合うキャラクターを作り上げようとしたらそりゃあトンデモないひとたちになるわ・・と思いました。
主人公のヒュウガやカイリもかれに対抗できるトンデモなスケールがないと納得できないですもん。
一昨年「薔薇とサムライ2」を見たとき、古田さんは後進に禅譲されるのかなぁなんて思ったのですが、いやいやいや。誰にも替わることができない取り扱い注意な不敵のゴノミカド古田さんを見られて大満足でした。

キタタカ/粟根まことさん、タダノミヤ/インディ高橋さん

執権キタタカの粟根まことさんは冒頭で世界観、登場人物たちの関係性を見せてここからはじまる物語への導入を助けてくれてやっぱり凄い役者さんだなぁと思いました。彼が悪の敵役なのかと思っていたら、あ——れ——? 彼よりもよっぽど酷いひとたちがいっぱい出てくる?? 物語の水準点みたいな役?
インディ高橋さん演じるゴノミカドの皇子タダノミヤは笑っていいのか悲しんでいいのか戸惑ってしまう不思議な存在。きっとその時の自分の心次第で変わる、そんな気がしました。

ひとときの夢を見ました

酷い登場人物ばかりで嫌な気持ちになりそうなのに不思議とそうはなりませんでした。
たぶん何ものにも媚びていないキャラばかりだったからかなぁ。キタタカの家来たちも自分の意思で追従しへつらってはいてもいやらしく媚びてはいない。
それから春をひさぐ者も登場しないのも大きいなぁ。
性愛が絡まないとこんなに女性は自由。女性に媚びさせない、女性だからと見下さず憐れまず対峙する男性たちのカッコ良さを感じました。
おそらくこの作品が好きだったいちばんの理由はこういうところだったんだと思います。現実では味わえない心地よさをしばしの時間味わえたからかなぁと。
叶うならこの物語の登場人物たちのように思うがままに生きてみたい。
そんな夢のひとときを見たような気がします。

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2022/10/25

ぜんぶわたしだ。

10月17日にフェスティバルホールにて劇団☆新感線「薔薇とサムライ2」を見てきました。

青臭い中年あっぱれ。
元気をもらいました。
高度成長期生まれの私たちが若い人に残せるのは、夢を見る幸せ、理想を語る喜びだなと。

古田新太さんはバッキバキにキレのある殺陣をされる方だと思っていたのですが、今回はあれ?と思ったら早乙女友貴さんに化けてバッキバキにキレのある殺陣を披露されていました。
この手があったか!笑。
狡‥もとい、後継を育ててくという素敵な夢を見させてもらいました。

10数年もあれば世界は大きく変わるということを身をもって実感した今、歴史物の見方も変わりました。
前途洋々だったアンヌ女王とコルバニア国に獅子身中の虫が・・というのもリアリティを感じました。
そしてそれに立ち向かう若者たちの存在に涙が出そうでした。

なかでも好きだったのが五右衛門(古川新太さん)とマクシミリアン(早乙女友貴さん)の場面。
引き籠るマクシミリアンを否定するのではなく、箱の中で修行すればいいと言うところ。箱が小さいと感じたらもっと大きい箱の中で修行すればいいと。決して無理やり引っ張り出そうとはしないんだなぁ。
その後、忍者に扮した早乙女さんが味方のピンチに現れては助太刀してバッキバキにキレッキレの殺陣を披露する場面が見どころで、マクシミリアンいつの間にこんなに上達した??!と思ったら、なんと五右衛門が変化してる設定でした。騙された――!
とはいえラストのマクシミリアンの成長、うれしかったです。

見どころといえば、アンヌ(天海祐希さん)が某閣下のような扮装をして舞い降りたり?怪盗紳士となって黒燕尾姿で踊ってウィンクまで放っていたサービスシーンは宝塚ファン的にも大満足の美しさ&男役のキザリ健在。現役さんと遜色なく驚き。
歌詞も〇〇のタンスは俺のものだったり恋それはだったり。遊びがいっぱい。それをしっかり全力で見せてくれて楽しかったなぁ。
ドレスもたくさん着替えて見せてくれ眼福。お衣装担当の方もそれはそれは滾ったことでしょう。

おなじみの高田聖子さん、粟根まことさん、森奈みはるさんは流石の実力で舞台を面白く支えてて、どんな場面でも説得力があり頼もしかったです。
高田さん演じるマリア・グランデ女王がキョーレツだからこそ物語が深まるし、彼女のさりげないセリフにその心の傷もうかがえて一気に見えるものが広がった気がします。
粟根まことさん演じるスチームパンクのようないでたちのサイエンティストのケッペル先生がきっちり世界観を見せてくれるので冒頭と終盤の伏線がつながってああ!っと奇天烈な設定を面白く見れました。

石田ニコルさん演じるロザリオがラウル(神尾楓珠さん)やベルナルド(西垣匠さん)と葛藤しながら成長していく姿に希望を見ました。
浦井健治さんのシャルルがちゃっかり映像で出演してて可笑しかったです。お元気そうでよかった笑。

生瀬勝久さんのボルマン。五右衛門との丁々発止のやり取り凄かったです。なぜそんなセリフを普通に言えるのかな。個性がありすぎ。そもそもあのコスチュームとかつらが似合うのおかしいくないですか。

ふざけていても愛がある主人公。しっかりと自分の中の自分と対話して答えを見出す人。そんな登場人物たちと共有できた数時間。
希望を感じるエンタメに浸りました。

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