カテゴリー「♖宝塚観劇-全国ツアー」の33件の記事

2017/12/09

あの瞬きに導かれ。

12月2日と3日、福岡市民会館にて宝塚歌劇月組公演「鳳凰伝」と「CRYSTAL TAKARAZUKA」を見てきました。

「鳳凰伝」。楽しみで仕方ありませんでした。
まずバラクは誰?と思いましたよね。れいこちゃん(月城かなとさん)か、いいではないか、楽しみだなと思いましたよ(笑)。

脚本の部分で物を申したいところもあるのですが、それでもこの作品が好きだなとあらためて思いました。
主演のカラフ役の珠城りょうさんが歌う主題歌にしみじみと聞き入りました。
甲斐先生の曲はいいなぁ。盛り上がるなぁ。木村先生の歌詞もいいなぁ。木村先生なのになぁ。

カラフは実感を求めてさすらっている若者なんだなぁ。
かつての華々しい凱旋も彼には熱き血潮を滾らせるものではなかったのだなぁ。

初演の和央ようかさんのカラフは、圧倒的なビジュアルと比類なき実力のある男、なにもかもがこの世界と乖離している自己を感じずにはいられず、世界との齟齬を埋める何かに出逢うことを夢見ている男に見えていました。
どうしようもなく孤独に生まれついた人だなぁと。
そして、いずれ世界を手に入れる男だぁと。
ゼリムもタマルも心から彼を慕っているけれども、彼らでは彼の心を埋められない。
そんな彼が対等でいられる唯一の男が、バラク。
この人と対になるのはもうトゥーランドットしかないよねと思えるカラフでした。

その初演のイメージとはまったく異なる珠城さんのカラフを読み解くように見るのはとても面白かったです。
珠城さんのカラフは内面が若い印象をうけました。若くて清々しいカラフでした。
孤高ではない。世界を信じている人だなぁという印象を受けました。
国は滅ぼされてしまったけれど不幸ではない。
ただ恵まれていた過去に実感がないのだなぁと。
愛情深い父の存在、自分を心から慕うゼリムやタマルのような人びとが他にもきっとたくさんいて。
皆が自分によくしてくれて、皆を大事にも思っていて。だから感謝の言葉も素直に発せられて。
慈愛に満ちた世界に育ち、うたがいもなく幸福であったのだろうけれど、それゆえに心から渇望するものがない。
恵まれた環境を失ってもそれを惜しいとも思わないでいる青年、それが珠城カラフだなと思いました。

そんな彼の目に飛び込んで来た星。
初めてその熱い血潮を滾らせたもの。
手に入れること以外考えられない希望。
彼に「いま生きている自分」「いのち」を感じさせたもの。
それがトゥーランドットなのだなぁと思いました。

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2017/03/30

うっとりします。

3月25日、福岡市民会館にて宝塚歌劇花組公演「仮面のロマネスク」とショー「Exciter!! 2017」を見てきました。

みりおちゃん(明日海りおさん)、頼もしいトップさんになったなぁと思いました。
すごく充実している感じが伝わってきました。

新トップ娘役の仙名彩世さんは明日海さんと並ぶと『絵柄』がちがう印象でした。
(仙名さんは花郁悠紀子さんが描く女性っぽいなぁと思いました)
ヒロイン芝居を封印してきた弊害なのかもしれないけれど、芝居が固い印象でした。
作品のヒロインとして心が閃く一瞬が見えるように、見せる芝居を期待したいです。

「仮面のロマネスク」はあらためて復古王政時代の描き方に惚れ惚れしました。
貴族たち、ブルジョワたち、庶民たち。自然に語られるそれぞれの立場からのセリフが時代を表現してて。
貴族階級の中にも異なる立ち位置がさりげなく描かれていて。
それが物語の主題ではないのだけど、確実に登場人物たちの心に影を落としているから物語が運ばれていくのだなぁとわかる。凄いなぁと思います。

そして、やはり柴田先生の作品は娘役を選ぶなぁと思いました。
なぜだかはわかりませんが、メルトゥイユは人間不信なところがありますよね。
だから人を試してしまう。
ヴァルモンの態度に本当は傷ついているし嫉妬もしているけれど、世間や男性を見下して自分はさも打算で生きているように見せかけることで自分の弱いところ、自分の本心を押し隠そうとする彼女独特の矜持がある。
そんな強がりが魅力的で愛しくて、宝塚にはまりたての頃にCS放送で見た初演のメルトゥイユに私は心を掴まれました。
そのちょっとした可愛らしさが今回のメルトゥイユには感じられなかったな。

ヴァルモンが感じているはずの彼女の仮面に隠された魅力を私も感じたかったなぁと思いました。
そこが感じられないとヴァルモンがただの美貌だけの浮気おとこに見えてしまうから。
ヴァルモンの動機になりうるメルトゥイユかどうかが大事だと思います。

また今回はどういうわけか零落した子爵家を持ち直したヴァルモンの影の苦労や仮面に隠したメルトゥイユへの愛が印象づかなくて、結果的に女誑しぶりだけが強調されてしまったような気がします。
メルトゥイユにもヴァルモンにも仮面に押し隠している真の部分がある。
それが仄見えた一瞬にはっとさせられるから、その仮面を今生の別れとなるかもしれないギリギリのところで外すラストシーンが感動的なのになぁ。
2人の「あなたがいたから」という繊細で久しい想いが優美なロマネスクになった瞬間のなんともいわれぬ感動を味わいたかったな。

と思ってしまうのも、“初演信者”ゆえかもしれません。(しかも映像の)
ハードルが高くなってしまってる自覚が大いにあります。
いろいろ言いながらも見たいんですよねcoldsweats01
見たくもない作品や出演者ならはなから見ないですもん(笑)

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2016/12/09

悲しみが追いかけて深い海に落ちた。

12月3日と4日、福岡市民会館にて宝塚歌劇宙組公演「バレンシアの熱い花」と「HOT EYES!!」を見てきました。

ショー「HOT EYES!!」の感想は先に書きましたので「バレンシアの熱い花」について書きたいのですが、当然のことながら私の脳裏には2007年の同作品の記憶が鮮やかにありますので、それとからめた感想になると思います。


今回の「バレンシアの熱い花」を見終わっていちばんに思ったことは、この9年で宙娘の芝居が変わったなぁということでした。情感を上手に出せるようになってるなぁと思いました。
そのうえで、主要3人の女性役のキャスティングがいい。3人のコントラストがはっきりしてるのが効いているなぁと思いました。

伶美うららちゃんのイサベラが大人っぽくていかにも酒場で生きている女に見え、フェルナンドが他人の目を欺くための「遊び相手」に彼女を選んだことがわかりました。
イサベラも男心をくすぐるのは商売。身なりもよく羽振りもよくてお店にお金をたくさん使ってくれる上得意のフェルナンドと好い仲にならない手はない。
そこまでの関係だったら辛い思いをしなくてもよかったのに。

好きになってはいけない相手を好きになってしまうことはいつの世もあることだし、そのせつない気持ちを責めることはできないけれど。
けれどもやっぱりどうしてフェルナンドはイサベラに愛を告白したその口で待たせている婚約者がいるなんて言うのかな~と思ってしまいます。
そこを受け入れられるかどうかがこの作品の肝なのだよなぁと思います。

その婚約者とフェルナンドが住む世界は自分が住む世界とはちがうのだという残酷な事実を、愛の告白と同時に突きつけられたイサベラ。
あんな予防線を張られて。

もちろんフェルナンドとイサベラが結婚して幸せに暮らせるなどとは思わない。
そのくらいの現実は知っているけれども。
それでも私はフェルナンドを擁護する気になれない。

彼の中では女性には2種類あって、傷つけてもいい女性と傷つけてはいけない女性がいるのだなぁ。
大切にしなければいけない人間と、ぞんざいに扱っても良い人間がいて、それは生まれや育ちで決まるという考えの下で理解される物語なんだなぁ。そこが私は受け入れられないなぁ。
なのでフェルナンドは嫌いです。

一つ気づいたのですが、2人の別れの場面で今回の全国ツアー公演ではイサベラの「私の宝物の時間だった」というセリフがなくなっていました。
9年前は「あなたと過ごした時間はほんとうに楽しかったわ・・・私の宝物の時間だった・・・・・・さようなら」でしたが
今回は「あなたと過ごした時間はほんとうに楽しかったわ・・・さようなら」でイサベラは踵を返していました。

9年前のイサベラはこの夢夢しい台詞を言うことで、彼女の中の純情な乙女心が強調されて(演じていた陽月華ちゃんの個性とあいまって)いったいこの健気な娘とマルガリータとどこが違うの?と見ていてよけいに悲しくなったのだなぁと思いました。
「楽しかったわ」で終わらせることで、退き際をわきまえなければいけない世界に生きるイサベラという女性の立場が際立ったように思います。

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2016/12/07

愛と夢いっぱいに思いきり振りまきたいよね。

12月3日と4日、福岡市民会館にて宝塚宙組公演「バレンシアの熱い花」「HOT EYES!!」を見てきました。

ほんとうは3日の2公演だけのつもりだったのですが、ショーがあまりにも楽しくて4日はキャナルシティ劇場で「黒執事」12時公演を見終わったあとタクシーで15時公演に駆けつけてしまいましたcoldsweats01
全国ツアーならではの熱い客席。
舞台の上も客席も幸せな興奮がビシバシッ!! 思わぬ奇跡も起こっちゃいますよね。

このホールは古いけれど1階から3階最後列までワンスロープなので、全国ツアー恒例の客席降りで2階3階がおいてけぼりにならないのが好き。
さらにまぁ様は2階前の通路で投げキス連発で客席を煽るしで、盛り上がった客席は皆で手ぶりを合わせてまぁ様の指さし「最高!」戴きました。

真風さんにいたっては3階の客席まで来てくれて、指さし+ウィンク+投げキス+目線とすごくて。まさか2番手さんが3階まで来てくれると思っていなかった客席は沸きに沸きました。
福岡市民会館は通路が多くて複雑なのですが、3日マチネでは通路を1本まちがってしまった真風さんが3列目と4列目の間(通路ではないけど感覚が広め)を通って本来の通路へ戻ったりするものだからもうheart024列目の人羨ましすぎる。
ロケットがはじまる前には舞台に戻れてギリギリセーフ(笑) そこで終わらず袖に入る時には悪戯な照れウィンクまで残していくものだからその残像でクラクラしちゃいましたheart04 ほんとうにステキ。
(真風さんに落ちそうで真剣にヤバかったです。ひ孫ちゃんの顔を思い浮かべて耐えましたcoldsweats01

その後はずっとテンションがあがっていたせいか、真風さんの「エキゾチックアァァァィイズ」では思わず笑いがこみあげてしまいました。それも私だけではなかったようで周りの人たちも(笑)。あの一体感と興奮は忘れられません。
3日のマチネでそれだったものですから、その日のソワレも翌日の公演も私は真風さんばかり見ていたようで、こうして感想を書こうにも細部を思い出せないのです・・sweat01
ほんとうに人生なにが起きるかわからないものです・・・(神様ありがとう)

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2016/04/28

人生を選び取る勇気。

4月16日と17日、福岡市民会館にて宝塚歌劇月組全国ツアー「激情」「Apassionado!! III」を見ました。17日はツアーの大千秋楽でした。

14日夜と16日未明に熊本で震度7の地震が起き、福岡でも一晩中スマホが鳴り微震が繰り返す状況で16日は寝不足状態での観劇となってしまいました。16日14時公演ではショーの冒頭で揺れがあり、安全確認のため公演中断、そして最初からやり直しになりました。
その間、主演のたまきちくん(珠城りょうさん)は小林幸子状態で身動きもできず舞台上にいて(たぶん開演前からその状態)、数分間幕もあいたままで、そんなたまきちくんに客席から万雷の拍手が起きました。皆たまきちくんにがんばれーって思ったと思います。
客席にいる人も出演者も同じ眠れない一夜を過ごしいまここにいるんだなぁ。ところどころ不自然に空いた客席は今日来るはずで来られなかった熊本やその他の地域の方たちなのだろうなぁ。皆それぞれの胸になにかを思って劇場にいたのだなぁと思います。

さて、そんな中で見た公演の感想です。

お芝居「激情」は初演とはまったくちがう印象をうけました。キャストのバランスでこんなに見え方が変わるのかと驚きでした。

3公演見ましたが、どうにも私はメリメに共感できませんでした。なぜだろうと考えたのですが、メリメがただの見目良い傍観者に見えてしまったからではないかと思います。
この作品にメリメが登場する意味は? 存在意義が見出せなかったのです。
かちゃ(凪七瑠海さん)のメリメは端正で上品なおぼっちゃまに見えました。その造形はメリメとして正解だろうと思います。が、ホセの生き方に憧れると言いながらも、安全な立ち位置からホセを眺めて彼のことを分析したり同情したりしているだけな気がして、それだけなら客席で見ている私にもできることだと思って、なんのために彼はここに登場しているのかわからなかったのです。

カルメンという決して捕らえられない自由な鳥のような女に強烈に惹かれ、そんなカルメンのためになにもかも捨ててしまうホセという男に心動かされて、自分にはないその勢いと人生に憧れ、それを描き出したいという衝動に突き動かされて、こののちメリメは創作に彼自身の才能と情熱をぶつけることになるのではないのかな。
強く憧れながらも自分はホセのようには生きられない、そんな自分を省みながらも、ホセとカルメンを目の前にしてその時々に彼もまた変わっていく部分があるのじゃないのかな。ホセやカルメンにはない強い自制心ゆえに見せるものもあるのじゃないのかな。そんなものが見たいのに見えなかったから。
分析や同情のためだけに登場されても ―― それならその尺分ホセを演じる珠城さんの芝居をもっと見たいと思ってしまいました。その芝居から、私自身がいろいろと感じたいし考えたいと思いました。
皆に恐れられるジプシーの首領ガルシアとのコントラストは見事でしたが、それだけじゃなくてメリメの役作りではもっと内面も追求してほしかったなぁと思います。メリメの内なる葛藤が感じられなかったので、ただ安全なところから傍観しているだけのモラトリアム青年のように見えてしまったのが、彼にイラついてしまった原因のような気がします。

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2015/12/09

\ ラ /。

11月28日(土)に福岡市民会館にて宝塚歌劇雪組全国ツアー公演「哀しみのコルドバ」と「ラ・エスメラルダ」を見てきました。

ショーの感想を書くつもりが1週間以上経ってしまって・・・。いまさらではありますが、自分のための覚書として思い出すままに書いてみます。

ショーで先ず楽しみにしていたのは、開演前に舞台上に現れる噂の『ラ』の電飾です。見ることができてうれしかったです。
ショーの開演前に舞台上に登場するオープニングセットはどの公演でも、これから始まる華麗でエキサイティングなひとときを期待させてくれるものですが、ことにこの「ラ・エスメラルダ」は大劇場上演中からオープニングのショータイトルの電飾が話題となっていて、私もこの目で見るのを楽しみにしていました。
全国ツアーでなくなってしまっていたらいやだな~と心配していたのですが、梅田のツアー初日にちゃんと登場することを聞いてうれしくて。
どの座席からが見やすいのかな?など頭の中でシュミレーションしてみたりしていました(^_^.)

この目で見たそれは、『ラ』と『エスメラルダ』のバランスといい字体といい、なるほど噂に違わず思わず笑顔になってしまうデザインで(笑)。同じように全ツでの初見を楽しみしていた人にも、何も知らずに見た人にも、それぞれの心を高揚させる効果があったようで、いつものオープニング待ちの客席とはちがう雰囲気が漂っていた気がします。

開演前にすっかりあたたまっていた客席を見て、これも一つの愛のかたちだなと。たのしみに着席して待っている観客に向けられた歓待の気持ち「おもてなしの心」(笑)を感じました。
そんな愛のつまったセットも、オープニングの音楽が始まるや、すすすと舞台の両袖に引き込まれてしまい、たったこれだけのためにあったのかと思うと、その心意気に感嘆しました。

電飾が袖に引っ込みオープニングナンバーとともに生徒さんたちの登場で、さあ楽しむぞ!と気持ちが前のめりに。
ヨシマサ先生×青木先生の元気なオープニングナンバーはちぎちゃん(早霧せいなさん)にぴったり。
初っ端から客席は手拍子で盛り上がりました。

つくづくとちぎちゃんのショーはたのしいなぁと思いました。
どんな役でも演じられるニュートラルな人よりも私は持ち味がはっきりしたジェンヌさんが好きだなぁ。
ショーで芸名でピカッと輝くちぎちゃんっていいなぁと思いました。
どの場面だか忘れましたが、ぜんぜん演出でもなんでもなく、たぶん狙ってもいないと思うんだけど、全力でものすごく高い見事な跳躍を見せたちぎちゃんに、あぁちぎちゃんだぁぁぁ\(^o^)/heart04ととても心が浮き立ちました。
大人っぽい企みを見せる男役さんも大好きですが、こんなちぎちゃんも大好きです。
そしてだからショーって楽しいんだよねぇheart02と思います。

それから、ゆうみちゃん(咲妃みゆちゃん)がとても溌剌と踊っているのが印象的でした。
お芝居とはうって変わって開放された感じで。博多座で見たショー「ファンシー・ガイ!」よりもこの元気なショーのほうがこのトップコンビに合っているかなと思います。
カルメンの場面でちぎちゃんを翻弄するゆうみカルメンものびのびとしていて新鮮に見えて心が躍りました。
私は娘役さんがイキイキと踊っている姿が好きです。その空気感もふくめて。

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2015/12/02

道を外れる権利。

Photo
11月28日(土)福岡市民会館にて、宝塚歌劇雪組全国ツアー公演「哀しみのコルドバ」と「ラ・エスメラルダ」を見てきました。

(ねたばれしています)

約5ヶ月ぶりに見る宝塚歌劇。昨年秋の就任以来、芝居で観客を魅了してきた早霧せいな&咲妃みゆトップコンビによる2度目の柴田作品の上演に期待を膨らませ心躍らせての観劇となりました。

柴田侑宏先生脚本の作品は、前途洋洋たる青年が運命の女性との出会いと己が立ち向かう現実に激しく感情を動かされ、その経験を経て大人の域に足を踏み入れるまでの模様を描いたものが多く、今回見た「哀しみのコルドバ」もそういった作品の一つだと思いますが、正直なところ主人公のエリオに大人を感じる瞬間を逃したままラストを迎えてしまいました。

酷い現実をつきつけられたエリオが自分が味わった苦しみをエバに味合わせた者は殺すと言い放つ場面など、自分の痛みにいっぱいいっぱいに見えたのですが、じっさいそれもわかるのですが、私としてはここで大人の男の凄みとか大きさが見たかったなぁと思いました。ちぎちゃん(早霧せいなさん)は見た目が少年的なのでそう感じたのかもしれませんが。

一度は命のやり取りにまで至った敵手ロメロがエリオに歩み寄るところも、ロメロの大きさが見える胸きゅんな一瞬でしたが、そこでもエリオのほうからの「何か」がもちょっと見えたらもっと胸バクな瞬間になったのにな。柴田作品の好敵手と交し合う「何か」が大好物なもので。

ちぎちゃんの真っ直ぐな魅力。正義とか友情とか絆のために一生懸命で、勇気が似合い、皆に笑顔と元気をくれる力。
それがこのエリオには壁になっているような気がしました。
何が正しいか、どれだけ人を傷つけるか、わかっていてもどうにもならない情念。それにどれだけ強く揺さぶられているか。いろいろな感情や観念がどろどろに混ざり合い冷えて固まる前のさまを。
その果てに最初は纏っていなかったもの――情熱の涯てを知った大人の憂いや凄みといったものを纏ってエリオは完結する気がするのです。

トップ就任以来、トップコンビにぴったりの作品が続いて、雪組のプロデュース力に羨望をこめて感歎していましたが、ここにきて持ち味に真逆の作品が。ちぎちゃん最大の難関がきたーーー!ってかんじかな。

でもそれはそれでファンには大きな課題に取り組み成長する生徒さんの姿を見守り追いかける至福の時間でもあるのですよね。
まさにそんなふうに贔屓がいる時間を過ごし、いまもまたその途上にいる私は思うのですが。

ツアーはまだはじまって1週間をすぎたところ、その持ち味に柴田作品の領域を加味しより大きく成長することを願う楽しみがある。このタイミングで意図的にこの作品を当ててきたのだとしたら、そのプロデュース力に感服します。
長い道程の途中には、道を外れることも意味があるかと思います。
ちぎちゃんも道を外れる権利がある(笑)

と話が長々と逸れてしまいましたが観劇の感想に戻ります。

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2015/07/04

いまも逢いたくて想い出を振り返る。

去る6月28日(日)、福岡市民会館にて宝塚歌劇星組公演を見ました。
お芝居は「大海賊」、ショーは「Amourそれは…」
ともに、大和悠河ファンをつづけてきた私には、感慨深い作品でした。

「大海賊」のプロローグの♪嵐吹き荒れて~で涙が出てしまったのには驚きました。
なぜかな。待っていたものに出逢ったようなそんな気持ち?かな?
自分でもよくわかりませんでした。

「Amourそれは…」は覚悟して臨みましたけれど、やはりダメでした。
みっちゃん(北翔海莉さん)のやさしい声で歌われる「ヘミル」になんども頬を拭うことに。

 いまも逢いたくて想い出を振り返る 時は過ぎてもかわらず微笑むから――
 この愛を信じるかい また逢える時が来ることを―― 

自分が泣いてる理由はよくわかりませんでしたけど^^;
感情の襞に入り込む何かが。
みっちゃんこんなにも感動をありがとう。


「大海賊」の冒頭で、十輝いりすさん、十碧れいやさん、麻央侑希さんの長身BAD3がメタル調の曲に合わせて歌うシーンがとてもかっこよかったです。
この悪役チームのビジュアルったらheart04
よく考えたら、去年のタカスペでちえナポレオンに振られた大きい美女3人組でもありましたよね(笑)。

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2015/06/29

もうエースを引かなくてもいいのね。

6月28日(日)福岡市民会館にて、宝塚歌劇星組公演「大海賊」と
「Amourそれは…」を見ました。

北翔海莉さんと妃波風さんのトップコンビのプレお披露目公演です。

昼夜の2公演を見ましたが、素晴らしいトップコンビが誕生したなぁと思いました。


風ちゃんは、CSなどで拝見する姿から、あまり宝塚の娘役的ではない印象が
あったのですが、「大海賊」ではとても可憐なお姫様として舞台にいました。
エレーヌの勝気な面が強調されるのではないかと思っていたのですが、
初演のえみくらちゃんより大人しめに造形していて意外でした。

可愛いさもさることながら、その声が魅力的だと思いました。
幅広い声が出せるんだなぁ。
可憐なエレーヌの声も、ショーの地声で歌い上げるところも。
抑揚に繊細な感情まで感じられてとても好きでした。
エレーヌの最期の海を見たいというセリフも、「きれいだわ」も。
その声がいじらしくて涙が出ました。

この役のために、そしてトップ娘役という立場のために
とっても努力している気がして、なんだか心から応援したくなりました。
風ちゃんがんばれ~(*^_^*)

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2014/09/03

ペガサスの如く駆けてゆけ。

8月29日(金)梅田芸術劇場メインホールにて、宙組全国ツアー公演
『ベルサイユのばら-フェルゼンとマリー・アントワネット-』の初日を見ました。

現宙組の2番手ポジションにいる朝夏まなとさんが主演でフェルゼン役、
トップ娘役の実咲凜音さんが相手役のマリー・アントワネット役でした。

凰稀かなめさん退団後の宙組の行方を左右する公演といえますよね。
自称ソラスキーとしては見ることができてよかったです♡


去年の雪組のフェルゼン(feat.オスカルとアンドレ)編よりも
とうぜんですが、アントワネットの場面が多くそれが見所でした。

内容的には、2006年星組のフェルマリ編にいちばん近かった気がします。
小舟のランデヴー、そしてテュイルリー宮でのルイ16世との語らいと別れ、
王女王子を奪取される場面などがありました。

初日とあって1幕はどうなることかと思いましたが、1幕ラストの
まぁさま(朝夏さん)フェルゼンの客席降りの颯爽とした貴公子に茫然自失。
そして2幕は涙涙涙。そして涙。
みりおん(凜音ちゃん)さすがだわ。

(以下ねたばれします)

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