カテゴリー「♖ 宝塚雑話 」の185件の記事

2017/03/30

うっとりします。

3月25日、福岡市民会館にて宝塚歌劇花組公演「仮面のロマネスク」とショー「Exciter!! 2017」を見てきました。

みりおちゃん(明日海りおさん)、頼もしいトップさんになったなぁと思いました。
すごく充実している感じが伝わってきました。

新トップ娘役の仙名彩世さんは明日海さんと並ぶと『絵柄』がちがう印象でした。
(仙名さんは花郁悠紀子さんが描く女性っぽいなぁと思いました)
ヒロイン芝居を封印してきた弊害なのかもしれないけれど、芝居が固い印象でした。
作品のヒロインとして心が閃く一瞬が見えるように、見せる芝居を期待したいです。

「仮面のロマネスク」はあらためて復古王政時代の描き方に惚れ惚れしました。
貴族たち、ブルジョワたち、庶民たち。自然に語られるそれぞれの立場からのセリフが時代を表現してて。
貴族階級の中にも異なる立ち位置がさりげなく描かれていて。
それが物語の主題ではないのだけど、確実に登場人物たちの心に影を落としているから物語が運ばれていくのだなぁとわかる。凄いなぁと思います。

そして、やはり柴田先生の作品は娘役を選ぶなぁと思いました。
なぜだかはわかりませんが、メルトゥイユは人間不信なところがありますよね。
だから人を試してしまう。
ヴァルモンの態度に本当は傷ついているし嫉妬もしているけれど、世間や男性を見下して自分はさも打算で生きているように見せかけることで自分の弱いところ、自分の本心を押し隠そうとする彼女独特の矜持がある。
そんな強がりが魅力的で愛しくて、宝塚にはまりたての頃にCS放送で見た初演のメルトゥイユに私は心を掴まれました。
そのちょっとした可愛らしさが今回のメルトゥイユには感じられなかったな。

ヴァルモンが感じているはずの彼女の仮面に隠された魅力を私も感じたかったなぁと思いました。
そこが感じられないとヴァルモンがただの美貌だけの浮気おとこに見えてしまうから。
ヴァルモンの動機になりうるメルトゥイユかどうかが大事だと思います。

また今回はどういうわけか零落した子爵家を持ち直したヴァルモンの影の苦労や仮面に隠したメルトゥイユへの愛が印象づかなくて、結果的に女誑しぶりだけが強調されてしまったような気がします。
メルトゥイユにもヴァルモンにも仮面に押し隠している真の部分がある。
それが仄見えた一瞬にはっとさせられるから、その仮面を今生の別れとなるかもしれないギリギリのところで外すラストシーンが感動的なのになぁ。
2人の「あなたがいたから」という繊細で久しい想いが優美なロマネスクになった瞬間のなんともいわれぬ感動を味わいたかったな。

と思ってしまうのも、“初演信者”ゆえかもしれません。(しかも映像の)
ハードルが高くなってしまってる自覚が大いにあります。
いろいろ言いながらも見たいんですよねcoldsweats01
見たくもない作品や出演者ならはなから見ないですもん(笑)

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2017/02/19

描きたかったのは。

2月16日に宝塚大劇場にて宙組公演「王妃の館」と「VIVA! FESTA!」を見ました。

ミュージカル・コメディ「王妃の館」。
原作は知らないのですが、傲慢で陳ねたように見えていた主人公が実はピュアな迷える子羊で・・・という田渕先生の定番的ともいえるお話で個人的にとても好きなテイストでした。

誰かを傷つけて後悔するところとか・・あらっと思うほどとても素直なんですよね(笑)。
朝夏まなとさん演じる北白川右京さんも実咲凜音さん演じる桜井玲子さんも。
真風涼帆さん演じる太陽王ルイ14世までも(笑)。

そのほかの個性的な登場人物たちもみんな好い人ばかり。
困っている人がいたら協力してあげて(自分たちがカモられている側なのに)、泣いている人がいたら慰め励ます言葉をかけてあげて(自分が迫られて困っていた側なのに)。
皆がやさしいからつい涙ぐんでしまう。そんなお話でした。
じっさいのパリ観光でこんなにお人よしばかり揃っていたら怖い目に遭ってすってんてんにされちゃうぞって感じなんですけどcoldsweats01
そこはやさしい虚構(うそ)といいますか(笑)。

寛容さの中で安心していられたら誰しも安心して自分もまた人に寛容でいることができるよねとそんなことを思ました。
でも現実は猜疑心でたくさん傷ついてしまうから。
誰もが癒されずに抱えている心の痛みや傷を癒すひとときが劇場全体にそっと訪れているようなそんな空間を共有している気がしました。

北白川右京役の朝夏さんはとにかくノリノリで一挙手一投足が可笑しかったです。持ち前の長い腕や脚と身体能力でちょっとした仕草でも笑いが起きてしまう。
笑いの間がとてもお上手で、客席が安心して笑うことができる雰囲気をつくってらっしゃいました。
そういうところも温かくてやさしい作品だなぁと思いました。

ルイ14世役の真風さんのビジュアルにはもう心撃ち抜かれる思いがしました。宝塚の真骨頂ですよね。
あの存在感と華、ビジュアルがあったればこそ、この作品が宝塚として大劇場公演として成立していると思いました。

そしてさいごはクレヨン役の蒼羽りくさんに攫われてしまった私の心(笑)。

メインキャストはすごくうまくハマっていると思うんですけど、ホテルの従業員や現地の人や観光客などはもっと意味のある使い方をしてほしいなぁと思いました。

ホテル従業員が皆同じ制服でしたが、シャトーホテルのロビーに15~6人のベルボーイとベルガールが固まってるってことがあるのかなと思いました。
フロント係にドアマンにベルガール(ボーイ)にメイドにと、制服を変えてちゃんとホテル業務をしててほしいなぁと思いました。業務が違えば個々に所作が変わったり性格付けができるし、そのうえでメインキャストの宿泊客と絡む様子があればメインキャスト其々の性格も見えたりして面白いのにと思います。

また観光地を通行する人びとも同色の服の同じ年格好にしないで、肌の色髪の色服装などさまざまに設定してほしいなぁと思いました。
現代のパリ観光ならいろんな国籍の人がいるはずなのに。奥行のない舞台になってしまっている気がしました。
ここもメインキャストの日本人観光客と彼らのちょっとしたやりとりで場所やどういう状況なのかとかの情景が見えると、名所の画像を映し出すよりよほど面白いのにと思いました。
メインキャスト以外の使い方次第でちょっとした見所をあといくつか増やすことができたんじゃないかなぁと。
場面の一瞬一瞬を大事にしてほしいと思いました。宝塚はその一瞬を見に来ているファンも多いのだから。

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2017/01/28

旨酒を飲もう。

1月16日に宝塚大劇場にて月組公演「グランドホテル」とショー「カルーセル輪舞曲」を、1月17日に「グランドホテル」の新人公演を見てきました。
月組新トップ珠城りょうさんの本拠地お披露目公演でした。


フェリックス・アマデウス・ベンヴェヌート・フォン・ガイゲルン男爵役の珠城さんは異例の研9でのトップ就任で学年のわりに地に足の着いた落ち着いた雰囲気を持つ男役さんでした。
大きな欠点もなく安心して見られるタイプだなぁと思いました。
いかにも貴族で上流風だけど、ちょっといわくありげな男爵といったかんじが良く出ているなぁと思いました。

エリザヴェッタ・グルーシンスカヤ役の愛希れいかさんはさすが!でした。
どこか現実とは乖離した感覚の女性。名高いバレリーナとして若い頃はロマノフ王家とも親交があり沢山の贈り物と栄誉を授かっていた人が革命と重ねた年月によって残酷にも多くのものを失ってしまって。
唯一残った彼女にとっての人生そのものであったはずの踊ることにさえも喜びを失いかけていた時に若い男爵と恋に落ちて生きる喜びを取り戻す。
そのもう若くはない女性のキャリアや人生を感じさせる役づくりで、心の動きの見せ方も素晴らしかったです。
珠城さんとのボレロの場面は最高でした。珠城さんの肩から降りるときの脚の流れの素晴らしいこと。
もう娘役の域を超えてしまってるかなぁとも思えました。女優さんだなと。
彼女見たさに劇場に行きたくなるジェンヌさんです。
実咲凜音さんが「双頭の鷲」に出演したみたいにさらにハイレベルな作品に出演する機会があるといいのになぁと思います。

オットー・クリンゲライン役の美弥るりかさんはしょぼしょぼの役でも華があるのが宝塚らしくていいなぁと思いました。宝塚スターが演じるオットーという感じでした。
「We'll Take A Glass Together」での男爵との掛け合い、とても愛嬌があって魅力的でした。あの場面とてもいいですねぇ♡

役替わりのフラムシェン(フリーダ・フラム)は海乃美月さんが演じていました。
歌、芝居、ダンスともにお上手で娘役として出来上がってる方だなぁと思いました。
上昇志向でチャンスのために自分自身の女性性を駆け引きに使ってしまうという宝塚の娘役さんが演じるには珍しいタイプの役ですがちゃんとそんな女の子に見えましたし、こういう女の子たちがいたのが1928年のベルリンなのだろうなと思えました。
その上で上品さも残っている娘役さんらしさが海乃さんの持ち味なのかなと思いました。
彼女に対してプライジングがとても酷い男に見えました(笑)。

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2017/01/21

兵の情は健やかなるを主とす。

1月17日宝塚バウホールにて星組公演「燃ゆる風-軍師・竹中半兵衛-」2公演を見てきました。
七海ひろきさんが主役の竹中半兵衛を演じていました。

これは時代物ではなく戦国ファンタジーなのだと思って見ました。なにもかもが半兵衛の手柄にされていて突っ込みだしたらキリがないので。
戦国BASARA同様にゲームのキャラクターだと思えばいいのかな。
このキャラにこの言葉を言わせたかったのねという感じ。そうよね、いまならあすなろ抱きさせたいよねとか。
ドラマにリアルはありません。リアルは役者の感情にありました。
で、まんまと泣かされましたcoldsweats01

バレバレのフラグを立てては回収を繰り返す脚本で、逆に言えば楽に回収できる以上のことはしていないので、もうちょっと意欲的でもいいのではという気持ちになりました。
知的な満足を求めるのではなく、気軽に見て泣いて笑って、あとで役者についてあーだこーだと話すのが楽しい作品かなと思います。

かいちゃん(七海ひろきさん)の竹中半兵衛は、竹中半兵衛の姿を借りたかいちゃんそのものでした。
主役なのに張りがないのはそのせいかな。せっかくコスチュームなのに中の人が素のままなので、大きさや華が足りないと思いました。
首から上と首から下の情報量の落差が気になりました。具足姿なのに重心所作が侍らしくなく手持無沙汰に見えました。
心はもの凄く入っているから客席も泣いちゃうけど。
でもその心はかいちゃん以上のものではなくて。かいちゃんがかいちゃんのまま具足や陣羽織を着てかいちゃんの感情のままに泣いている感じで、役としてはどうなの?と思います。
どういうスタンスで舞台に立っているのかな。最近のちょっと浮足立っている感じが私は苦手だな。
以前のようにもっとストイックに役作りをしてほしいと思うのですが。

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2016/12/14

あくがれいでた二つの魂どこへ誘う。

11月28日(月)宝塚大劇場にて花組公演「雪華抄」「金色の砂漠」を見てきました。

お芝居「金色の砂漠」、私これすごく好きだぁと思いました。
号泣したりカタルシスがあるかんじではないのですが、心にひたひたと何かが溜まる物語でした。見終わって水槽から溢れそうなものをギリギリのところで堪えている感覚に陥りました。

ストーリーは「私これ知ってる」という既視感があり、とくにひねった感じではないのですが(昔の少女漫画やパラレル系二次創作でよく見た懐かしい設定(笑))、関係性がすごくよくできていているなぁと思いました。
織り込まれたエピソードが効いていてそこに息づく登場人物たちの性格性や役割がよくわかりました。
登場人物1人ひとりに物語を考えたくなるほどどの役もしっかりと造形されていて、その心模様もわかりやすかったです。
ライトな宝塚ファン目線からも、役が多くてタカラジェンヌ個人をを楽しむのにもってこいな上に、それぞれ役どころが明確なのでストーリーがちゃっちゃと進むのもいいなと(笑)。
少々合理的すぎるきらいもありましたが1時間半で完結させるためには致し方ないと思いました。
設定や人物像が緻密で確かなものであれば総てを言ってしまう必要はないのだなぁと思いました。

設定にツッコミどころがあるとしたら、王女に男の奴隷をつけて身の回り一切の世話をさせておいて間違いが起きたら罰されるというのは、あまりにも非現実的で夢夢しすぎるしきたりだなぁと(^^;
むしろ何かあっても気にもされない大らかさというかいっそ暗黙の不妊対策、後継者対策でもあるくらいじゃないと理解不能だなぁと浮世に穢れた私は思います(笑)。(それも母系主義じゃないと成り立たないですけど)
まぁそれも「宝塚だから」で世間が納得してしまうのが宝塚のすごいところかな。

なによりも、そんなことはどうだってよくなるくらいに矜り高い主人公2人の愛憎の物語りが美しい“みりかの”によく合っていました。
みりおちゃん(明日海りおさん)は矜り高く才能溢れる青年が破滅していく物語がよく似合うなぁ。
というかもはや破滅じゃないのだよなぁ。このラストまでが一つの“美”なんだなぁって思えてしまう青年ギィでした。
永遠に紡がれる叙事詩の主人公がここにいるのだなぁと納得してしまうかんじ。
それはかのちゃん(花乃まりあさん)のタルハーミネもおなじ。

なんど生まれてもタルハーミネは金の砂漠へと走り出し彼女を追いかけ追いついたギィは彼女を抱いて砂塵の中で無垢に還っていくのだろうなぁ。
お互いに「愛している」を認め合うのにこれだけのシチュエーションが必要で。それこそが似つかわしい美しい2人。
美しいものたちはこうして永遠になるのだ。そうして至高の終焉を繰り返す。
(いやぁ美しいってたいへんですねぇ、、、)

そしてその物語りを浮き彫りにしていくエピソードと2人をとりまく人びと。

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2016/12/10

あなたこそ待ち焦がれた愛しい死-“Azrael ”。

11月29日、宝塚バウホールにて宙組公演「双頭の鷲」を見てきました。

有名なジャン・コクトーの戯曲をミュージカルにした作品。面白くないはずがない。引き込まれて見てしまいました。
どうして彼はそう言うのだろう。あのときどうして彼女はああ言ったのだろう。たくさんの何故?を抱きながら見る作品の面白さ。そのわけは見終わった後にゆっくりと考えたい。
11時と14時半公演を続けて見てしまって、しまったと思いました。もっとゆっくりとインターバルを持ちたかった。そうでないなら1回だけ見てじっくりと浸っていたかった。
あのときの顔はそういうことだったのか。あのときあの言葉を選んだのは―― 考えれば考えるほどなるほどと思う、そんな作品でした。

それだけにパパラッチが憶測をごちゃごちゃと語るのが邪魔だなぁと感じてしまいました。
主役たちが心情を歌うのもいらないくらいだなぁと思いました。余白を埋めすぎな感が否めませんでした。見ている私に想像の余地を残してほしかったな。
歌詞が聞き取りにくい部分もあったりして、言葉の裏にあるものを覗くのが面白いのだからセリフで明瞭に聴きたかったと残念と思えるところもありました。
作品が良いのでこちらもより高いところを求めてしまいます。

舞台美術は脚本演出の植田景子先生の美意識そのものって感じ。ちょっと過多にも私には感じられました。(景子先生はまだ足りないわと思っているかも(^-^;)
2幕で、お互いを愛し愛されることを知った2人がこれまで受け入れられなかったものを受け入れると、それまで色のなかった世界(部屋)に色が加わる演出がわかりやすく素敵だなぁと思いました。

齋藤恒芳先生の音楽は作品にぴったりで盛り上げてくれましたが、彼の音楽にはあんまり言葉をいっぱい載せないほうがいいのになぁと思いました。気の利いた少量の美しい日本語が合うのにな。
音楽自体に魅力があるのだから、ちょっと情報が過剰だなぁと思いました。愉しむ余地がほしいなと。
それにしても、みりおん(実咲凜音さん)もずんちゃん(桜木みなとさん)もあの曲をよく歌いこなせるなぁと思いました。歌っているうちに迷子になりそうな曲ですよね。

作品はどう見ても王妃が主役だなぁと思いました。
王妃役のみりおんが相手役の轟さんに遠慮なく相対しているなぁと思いました。思いきりが素晴らしい。
そして王妃姿が彼女史上でもっとも美しくて感銘的でした。景子先生の美意識と相手役の轟さん、そして彼女のキャリアとこの作品に挑む緊張感等々のなせる仕業でしょうか。
ワンショルダーのブラックドレスの後ろ姿やヘアスタイルが彼女の魅力を引き立てていました。
ハープアップに乗馬服も魅力的でした。
(もしかすると高身長揃いの宙組が彼女には気の毒だったのかもしれないなという気もしてきました)

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2016/12/09

悲しみが追いかけて深い海に落ちた。

12月3日と4日、福岡市民会館にて宝塚歌劇宙組公演「バレンシアの熱い花」と「HOT EYES!!」を見てきました。

ショー「HOT EYES!!」の感想は先に書きましたので「バレンシアの熱い花」について書きたいのですが、当然のことながら私の脳裏には2007年の同作品の記憶が鮮やかにありますので、それとからめた感想になると思います。


今回の「バレンシアの熱い花」を見終わっていちばんに思ったことは、この9年で宙娘の芝居が変わったなぁということでした。情感を上手に出せるようになってるなぁと思いました。
そのうえで、主要3人の女性役のキャスティングがいい。3人のコントラストがはっきりしてるのが効いているなぁと思いました。

伶美うららちゃんのイサベラが大人っぽくていかにも酒場で生きている女に見え、フェルナンドが他人の目を欺くための「遊び相手」に彼女を選んだことがわかりました。
イサベラも男心をくすぐるのは商売。身なりもよく羽振りもよくてお店にお金をたくさん使ってくれる上得意のフェルナンドと好い仲にならない手はない。
そこまでの関係だったら辛い思いをしなくてもよかったのに。

好きになってはいけない相手を好きになってしまうことはいつの世もあることだし、そのせつない気持ちを責めることはできないけれど。
けれどもやっぱりどうしてフェルナンドはイサベラに愛を告白したその口で待たせている婚約者がいるなんて言うのかな~と思ってしまいます。
そこを受け入れられるかどうかがこの作品の肝なのだよなぁと思います。

その婚約者とフェルナンドが住む世界は自分が住む世界とはちがうのだという残酷な事実を、愛の告白と同時に突きつけられたイサベラ。
あんな予防線を張られて。

もちろんフェルナンドとイサベラが結婚して幸せに暮らせるなどとは思わない。
そのくらいの現実は知っているけれども。
それでも私はフェルナンドを擁護する気になれない。

彼の中では女性には2種類あって、傷つけてもいい女性と傷つけてはいけない女性がいるのだなぁ。
大切にしなければいけない人間と、ぞんざいに扱っても良い人間がいて、それは生まれや育ちで決まるという考えの下で理解される物語なんだなぁ。そこが私は受け入れられないなぁ。
なのでフェルナンドは嫌いです。

一つ気づいたのですが、2人の別れの場面で今回の全国ツアー公演ではイサベラの「私の宝物の時間だった」というセリフがなくなっていました。
9年前は「あなたと過ごした時間はほんとうに楽しかったわ・・・私の宝物の時間だった・・・・・・さようなら」でしたが
今回は「あなたと過ごした時間はほんとうに楽しかったわ・・・さようなら」でイサベラは踵を返していました。

9年前のイサベラはこの夢夢しい台詞を言うことで、彼女の中の純情な乙女心が強調されて(演じていた陽月華ちゃんの個性とあいまって)いったいこの健気な娘とマルガリータとどこが違うの?と見ていてよけいに悲しくなったのだなぁと思いました。
「楽しかったわ」で終わらせることで、退き際をわきまえなければいけない世界に生きるイサベラという女性の立場が際立ったように思います。

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2016/12/07

愛と夢いっぱいに思いきり振りまきたいよね。

12月3日と4日、福岡市民会館にて宝塚宙組公演「バレンシアの熱い花」「HOT EYES!!」を見てきました。

ほんとうは3日の2公演だけのつもりだったのですが、ショーがあまりにも楽しくて4日はキャナルシティ劇場で「黒執事」12時公演を見終わったあとタクシーで15時公演に駆けつけてしまいましたcoldsweats01
全国ツアーならではの熱い客席。
舞台の上も客席も幸せな興奮がビシバシッ!! 思わぬ奇跡も起こっちゃいますよね。

このホールは古いけれど1階から3階最後列までワンスロープなので、全国ツアー恒例の客席降りで2階3階がおいてけぼりにならないのが好き。
さらにまぁ様は2階前の通路で投げキス連発で客席を煽るしで、盛り上がった客席は皆で手ぶりを合わせてまぁ様の指さし「最高!」戴きました。

真風さんにいたっては3階の客席まで来てくれて、指さし+ウィンク+投げキス+目線とすごくて。まさか2番手さんが3階まで来てくれると思っていなかった客席は沸きに沸きました。
福岡市民会館は通路が多くて複雑なのですが、3日マチネでは通路を1本まちがってしまった真風さんが3列目と4列目の間(通路ではないけど感覚が広め)を通って本来の通路へ戻ったりするものだからもうheart024列目の人羨ましすぎる。
ロケットがはじまる前には舞台に戻れてギリギリセーフ(笑) そこで終わらず袖に入る時には悪戯な照れウィンクまで残していくものだからその残像でクラクラしちゃいましたheart04 ほんとうにステキ。
(真風さんに落ちそうで真剣にヤバかったです。ひ孫ちゃんの顔を思い浮かべて耐えましたcoldsweats01

その後はずっとテンションがあがっていたせいか、真風さんの「エキゾチックアァァァィイズ」では思わず笑いがこみあげてしまいました。それも私だけではなかったようで周りの人たちも(笑)。あの一体感と興奮は忘れられません。
3日のマチネでそれだったものですから、その日のソワレも翌日の公演も私は真風さんばかり見ていたようで、こうして感想を書こうにも細部を思い出せないのです・・sweat01
ほんとうに人生なにが起きるかわからないものです・・・(神様ありがとう)

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2016/10/08

子どもに子どもは育てられない。

9月21日東京宝塚劇場にて宙組公演「エリザベート」を見てきました。
前後の祝日の影響か平日なのに11時と15時半公演の日だったので運よく2公演見ることができました。

博多座で東宝版「エリザベート」を見たあとだったのでどうしてもシシィにもの足りなさを感じてしまいました。宝塚版はトートが主役であちらはシシィが主役ですから仕方のないことですが。
とはいえ、みりおん(実咲凜音さん)は歌唱力も芝居も安定しているので安心して耳をゆだねることができるのは有難いなと思いました。

みりおんシシィは人を巻き込み国を巻き込むようなダイナミックなエゴイストではなくて比較的こぢんまりとしたエゴイスト。自分1人で抱えているかんじ。
15歳のときに抱いた自意識をそのままに60代まで生きたらそりゃあ生きづらいよねという感じでした。

結婚式翌日のゾフィーたちとの場面がとても好きでした。
「馬に乗ります」「ダメよ!」で一瞬ぽっかーんな間が可愛くて(笑)。ダメって言われるなんて思ってもいなかった感じが。
リヒテンシュタインに口を開けられるところもとても可愛いくてみりおんシシィのあの場面を見るのがムラの時から毎回楽しみでした。

ゾフィーもリヒテンシュタインもとても正しい。この田舎から来た娘をいかに皇后らしく教育しようかと初日の早朝から気負っているのに対して、なにもわかってなさそうなみりおんシシィ(笑)。
ここはみりおんが元来もっているチャーミングさがすごく出ているなぁと思いました。
その、世のおしゅうとめさん気質の人たちをイラッとさせちゃう性質がシシィにとてもマッチしていて見ていて小気味良かったです。
シシィとゾフィーの絡みをもっと見たいなぁと思いました。じっさいには2人が絡むのはこの場面だけなのですよね。

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2016/09/30

つづきは夢の中で。

9月25日に宝塚大劇場にて星組公演「桜華に舞え」と「ロマンス!!」を見てきました。

みっちゃんこと北翔海莉さんが星組トップスターとなっての大劇場公演3作目にしてやっと本拠地に公演を見に行けました。そしてそれがみっちゃんの退団公演・・・。間に合ってよかった。

思えばみっちゃんのトップが決まったと聞いたのが2014年の宙組ベルばら東京公演の頃でした。大和悠河さんのトップ時代を支えてくれていたみっちゃんがいつかトップになる日が来れば・・と思っていましたが、宙組の次期トップには凰稀かなめさんを支えてくれていた朝夏まなとさんになってほしいと思っていた時期でもあり、どうなっちゃうの?と複雑な気持ちになったことを覚えています。
おなじように当時の星組トップの柚希礼音さんのファンの方たちは柚希さんを支えている紅ゆずるさんに後を継いでほしいと思われているんじゃないかなぁと思い、心配したことも覚えています。

プレお披露目となった全国ツアー公演「大海賊」と「Amour...それは」は大和ファンの私にとっても思い入れ深い作品でもありますが、みっちゃん率いる星組のパフォーマンスの素晴らしさに自分の予想をはるかに超えて感動しました。
梅田芸術劇場で見た「LOVE & DREAM」でもそのエンターテイナーぶりに大いに楽しませてもらったこともついこの間のことのようです。
気がつくと知り合いの柚希さんファンの方や大和さんファンの方たちがみっちゃんのファンになっていて、心配は杞憂で終わり星組さんが盛り上がっている様子をよく耳にしました。
短い就任期間は覚悟の上だったと思いますが、それだけに短くも濃く熱い時を重ねて充実した表情のみっちゃんによかったねーと心から思いました。卒業のその日まで幸せな宝塚生活でありますように。

前置きが長くなりましたが、公演の感想を。

まずお芝居の「桜華に舞え」ですが、先に白状しておきますと「西南戦争」と聞くだけでなんだかうるうるしてしまう私。開演前に現れた別緞帳の錦絵ですでに胸が熱くなっておりました。
薩摩兵児が居並んでテーマを歌い見得を切るプロローグでもう涙・・・(笑)。齋藤先生たたみかけるように泣かせにかかってるわcoldsweats01

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