カテゴリー「♖宝塚バウホール」の7件の記事

2021/07/19

未来なんか君にやる今を僕にくれ。

7月5日と6日に宝塚バウホールにて星組公演「マノン」を見てきました。

愛ちゃん(愛月ひかるさん)の主演舞台を見るのは2018年の「不滅の棘」以来。星組での主演は初です。

1回目の観劇後に思ったのは、「なにゆえこのペアでマノンなんだろう?」でした。研15の愛ちゃんと研10の有沙瞳ちゃんで。
この2人の主演なら大人な恋愛を描いたものが見たかったなぁと。

愛ちゃん演じるロドリゴは貴族の若様。次男坊なので領地は継げないから将来は聖職者になるか軍人になるかかな。品行方正で将来を嘱望されている10代の学生。故郷に帰る途中で友人を待っている間に追われている少女を匿う。
少女の名はマノン(有沙瞳ちゃん)、自分を修道院に入れるという親の元から逃げ出し近衛兵の兄を頼ってマドリードに行くのだと言う。
出逢ったばかりのロドリゴに一緒にマドリードで暮らそうと誘ってしまう娘です。そりゃあ親は彼女を修道院へ入れようと考えるよねと思いました。

そんなことも思い至らないロドリゴ、純粋培養で育ったのか。出逢ったばかりの自分に躊躇もなく体を寄せてくる彼女にすっかりその気にさせられてしまって。
一目惚れなのはわかるけど、自分にかんたんに許すことをほかの男にだって許すだろうとは考えないのかな。
自分の気持ちを愛だと思っているけれど、支配欲と独占欲を勘違いしているだけじゃないのかな。
裏切り者のマノン!と罵るけれど支配させてくれないマノンに逆上しているだけじゃないのかな。
順風満帆な未来も自分を信じてくれる友人も家族もなにもかもすべて棄てて彼女のもとに奔る理由はなんなのかな。
すべては人としての未熟さゆえなんだろうか。

マノンはヒロインとしては面白味がないなぁと思いました。
カルメンのように強烈な自分を主張するわけでもない。貞操観念が希薄で享楽的で抑制がきかずに流されやすいだけ。魅力的とは思えないなぁ。男性には魅力的なんだろうか。都合がよいから?
その場面その場面でいちばん自分の欲望を叶えてくれる男性を見極める本能に長けていて、関心を引くのが巧い娘。
出逢ったあのとき、彼女の本能が選んだのがロドリゴ。若くてハンサムで見るからに裕福な名家の子息。
でもずっと彼女を満たし、いちばんであり続けるには彼はリソース不足だったから、その不足している部分を自分の働きで補おうとしたということだよね。ロドリゴと楽しく戯れて暮らせるならお金持ちの男の相手をしてもかまわなかった。
それをロドリゴが受け容れられれば彼女的には問題はなかった。彼がプライドと独占欲で計画をめちゃくちゃにさえしなければ。
今際の際でロドリゴに殊勝な口調で愛を告げるのは、自分のためにここまで来てくれた男性は彼しかいないからだよねと思います。

主演の2人が芝居ができるだけに綺麗事で誤魔化せないものが見えた気がします。
けっして純愛カップルではない、それぞれのエゴとエゴが招いた破滅が。
カタルシスはどこにもない作品だなぁ。
なにを描きたい作品だったのか。主演の2人は何を表現したかったのか。
見ればわかるという作品ではなく、見る人の心に問いを残す作品なのかなと思いました。

綺城ひか理さんが演じたロドリゴの友人ミゲル。
ロドリゴのために手を尽くす良き友なのに裏切られてしまう人。あのとき自分が遅れて来なければと責任を感じてしまっているのでしょうか。
彼が真摯であるほどロドリゴの不道徳さと後戻りが出来ないところまで来てしまった立ち位置が際立ちます。
綺城さんは前作のロミオ(礼真琴さん)に続いて今作ではロドリゴ(愛月ひかるさん)に裏切られてしまう親友の役なんだなぁ。
フィナーレ冒頭の歌とダンスがとてもカッコよかったです。

マノンの兄レスコー役の天飛華音さん、「エル・アルコン」のキャプテン・ブラックの人ですよね。今回も舞台センスの良い人だなぁと思いました。
それにしてもマノンといい、兄のレスコーといい、どうしたことでしょうこの兄妹は。レスコーは近衛士官だというしマノンの身なりにしても使用人たちがいることにしても、貴族ではないとしてもそれなりに良家の子女でしょうに。享楽的な性格ゆえに身を亡ぼして親はたまらないだろうなぁ。
でもロドリゴへの献身的ともいえる協力やマノンとの兄妹仲の良さを見ると、裕福でも家庭は複雑で頼りにくかったり露悪的にふるまってしまう訳があったりしたのかなぁと考えてしまいます。
本当に悪いやつならお金を仲間に渡さず着服してロドリゴを見捨てて遁走したでしょうに。命など懸けずに。

ロドリゴとマノンの隣人でマノンの援助者フェルナンド役の輝咲玲央さん、レスコーがマノンのパトロンにとみつけてきたアルフォンゾ公爵役の朝水りょうさん。ともに色気のあるおじ様役が素敵でした。
フェルナンドはマノンにつれなくされても嬉しそうなちょっと卑屈で歪んだ感じのあるお金持ち。アルフォンゾ公爵は高慢で男の沽券を傷つけられたら執念深く相手を追い詰める自己愛の強いヤバイ人。とそれぞれいわくのありそうな人物造形が面白かったです。英真なおきさんのDNAを継いでいそうなデフォルメの効いた悪役っぷりが星組らしいなと思いました。

レスコーの恋人エレーナ役の水乃ゆりさんはどこにいても目に付く華のある娘役さんでした。
エレーナは享楽的で教養のない街の女という雰囲気ですが、きっと感性や性格は悪くない娘なのだなぁと思いました。レスコーに、お金のために自分がお金持ちの相手をしても平気かどうかと訊いて膨れる場面はとても好印象で、そのときのレスコー役の天飛さんのつれないけれど彼女を思っているのがわかるリアクションも良くて、ここからレスコーへの見方が変わった気がします。
主演の2人とは対照的ともいえるカップルで微笑ましく、このあとのエレーナを思うと胸が痛みました。

ロドリゴが誤って撃ち殺したロペス(彩葉玲央さん)をはじめ彼が愛と呼ぶエゴを貫こうとしたために何人もの人が不幸になっているのだなぁ。
マノンの心を手に入れたと満足したあの一瞬(それすら私には思い違いに思えるけれど)の代償として。

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2021/01/30

一緒に見た夢を一緒に叶えよう。

1月28日と29日に宝塚バウホールにて花組公演「PRINCE OF ROSES-王冠に導かれし男-」を見てきました。

作品を見ているうちに登場する人物たちが主人公ヘンリー・テューダーに向けるその思いに、私は宝塚を愛する人々の思いを重ねていました。
フィナーレで出演メンバーを従えてセンターで踊る主演の聖乃あすかさんが、客席に目線をやり髪を掻き上げた瞬間、胸が震えて涙が溢れ出てしまった自分に驚きました。

自分をとりまく人々の思いを受け取って前に進もうとする主人公と、聖乃さんの初主演舞台を支えた出演者たちや客席からの思いを受け取っていまそこに存在する聖乃さんが重なり、またその彼女にこれまで見てきた宝塚のスターさんたちの姿が何重にも重なって見えた気がしました。

なんという美しさ、なんと眩い生命の輝きかと——
―― もしかして、1幕1場でヘンリー・テューダー(聖乃あすかさん)のかんばせを見たヘンリー6世(冴月瑠那さん)やジャスパー・テューダー(高翔みずきさん)、そしてトマス・スタンリー(一之瀬航季さん)が言っていたことは、私がいま見たこの光景に近いものがあるのかもしれないと。
人が夢を託し希望と仰ぐ人は、こういう人なのだろうなぁという納得の存在感を感じました。

この作品は、演出家竹田悠一郎先生のバウホールデビュー作でもありましたが、若者によるテーゼとロジックを見せてもらった気がするというのがいちばんの印象でした。
まだ荒削りで散らかった部分はありましたが、伝えたい思いをこれほどストレートに表現できることへの羨望も感じました。
そして経験値が高い人ならばきっと手を出さないだろう「薔薇戦争」という七面倒くさい題材に挑んだことも。(おかげでこの年齢になって勉強というものをする機会をいただきました笑)
それからフィナーレに大変心躍りましたので、ぜひショーを作ってほしいなと思いました。

年齢的に私は主人公の親世代の登場人物に気持ちを寄せがちだったのですが、若い世代の彼らに何を渡せるのだろうと考えてしまう作品でもありました。
できることならもっと自由を。少なくとも若者の夢や未来を搾取しないようにしなければと、作品とは関係のないことを思い至ったり。

聖乃あすかさんについては、じつはこれまでは素顔の美しい男役さんという程度の認識しかありませんでした。たぶん私の好みだろうなと思ってはいましたが笑。
「MESSIAH」の新人公演を見ているのですが、あの時は「舞空瞳ちゃん凄っっ!!!」で頭がいっぱいでその記憶しか・・汗。
本公演では去年の「はいからさんが通る」の蘭丸の美しさに釘付けになったことが記憶に新しいのですが、これほど舞台で堂々と眩しく存在できる方とは知りませんでした。

好きだったところは、聖乃さん演じるヘンリー・テューダーが、ヘンリー・スタッフォード(希波らいとさん)の死の悲しみを忘れないようにして前に進もうとするところ。それがあるから目指す未来が明確になるのだなぁと。
辛い過去に蓋をすることなく、自分への思いを残した人のその思いを受け取って、その思いとともに進んでいこうとする彼の器の大きさがまさに王者になるべき人のものだなぁと思いました。
それからブルターニュのイザベル(星空美咲さん)のもとに戻ったときの一連。包容力が凄すぎて。そこからシルキーにラブシーンへもっていくところはまさにプリンス。

そしてやっぱり花男♡と思わせるフィナーレの黒燕尾のダンスは洒脱で大好物でありました。あれをもっと見たいです。


イザベル役の星空美咲さんはリトルちゃぴちゃん(愛希れいかさん)といった見た目で少女らしい可憐さがあるヒロインでした。ドレス姿も素敵ですし「えっ」と一声発するだけでも納得のヒロイン感があり、これもまた天性の素質だなぁと思いました。そしてお歌がとても良かったです。

バッキンガム公ヘンリー・スタッフォード役の希波らいとさんの存在感も印象的でした。103期なんですか。本当でしょうか。赤い髪、赤いコスチューム、誰よりもひときわ長身、で舞台のどこにいてもすぐにわかりました。(初日の幕間に、お名前と「花より男子」のメインキャストだったことを教えていただきました)
自分の血筋を紹介する場面が面白くて客席の笑いが起きていたのも印象的でした。魅力のある方だなと思いました。

キレ者トマス・スタンリー役の一之瀬航季さんも聖乃さんと同期の100期ですか。本当でしょうか。お髭のおじさまがお似合いなのに。
いろんな登場人物と関わり物語を動かす役でしたが、存在感もお芝居も不安要素がまるでなくて100期の方とは思えませんでした。
というかもう100期以下の生徒さんたちが活躍される時代なんだなぁということに、瞠目するばかりです・・汗。

演出の竹田先生も100期生と同期なんですよね。いやはや。
宝塚歌劇の未来が楽しみになった舞台でした。

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2018/08/11

明日をめざし歩いて行こう友を信じて。(ハッスルメイツ!)

8月9日(木)宝塚バウホールにて、宙組公演「ハッスルメイツ!」を見てきました。
宙組創立20周年の年に上演される和希そら君主演のソング&ダンス・エンターテイメントショーという宙組ファンにはたまらない趣向でした。

第1幕の海外ミュージカルコーナーでコパカバーナの前奏が流れてきた時からテンションが振り切ってしまい、ショーの主題歌メドレーでさらにボルテージが上がり、そして「明日へのエナジー」で幕が下りた直後にお隣の方に「凄く楽しんでいらっしゃたのが伝わりました(笑)」とご指摘を受ける始末(^^;

「コパカバーナ」の瑠風輝さん、「ファントム」の鷹翔千空さん、長身の立ち姿に独特の品、ザ・宙組の男役さん!ってかんじで素敵でした。これでお2人とも歌うまさんとは。このまま宙の中心で輝いていてください。

「ファントム」で鷹翔さんが歌っている時、背後に現れた幻想的な白燕尾のお2人が印象深く心に残っていて、プログラムで最下級生のなつ颯都さんと亜音有星さんだとわかりました。
なつさんはアカペラのコーナーでもパートをうけもっておられた歌うまさんですね。
亜音さんは笑顔が可愛らしい方で視線泥棒でした。客席降りで近くで拝見できて心が昂り、それからさらに目で追ってしまいました。(観劇後もあちこちで亜音さんが亜音さんがと言ってる・・・やばし私。笑)
お2人とも端正な宙組男役の片鱗がいまから漂っていて楽しみです。

若いメンバーが多い中で、あおいちゃん(美風舞良さん)とまっぷー(松風輝さん)の「TOP HAT」はやはり見せ方が綺麗だなぁと思いました。
まっぷーは歌もとても良いなぁと、2幕の雨男の場面でも思いました。
「NEVER SAY GOODBYE」の初舞ロケットで見ていた方がもはや宙組になくてならない人になっていらっしゃる(涙)。

「雨に唄えば」は娘役さんだけで歌っていたのが新鮮でした。
瀬戸花まりさん、華妃まいあちゃん、天彩峰里ちゃん、それぞれに持ち味のある歌うまさんの歌がとてもよかったです。
娘役さんたちが2人ずつペアで歌い継いでいく「私だけに」も聞惚れました。劇中ではないので、綺麗に歌われるのも新鮮にかんじました。
男役さんたちが2人ずつ歌い継ぐ「最後のダンス」もそれぞれに味があり、ラストに登場して歌いあげるそら君のリズムの乗り方が気持ちよくて最高でした。

そしてそら君のルイジ・ルキーニ。「キッチュ」。
新人公演の時以上にイキイキと客席をいじりまくっていました(笑)。
最前の小さいお客さんに顔を寄せて歌っていたのがとても微笑ましく、そら君が行ってしまった後の小さいお客さんの反応も可愛くて、しあわせな気分にさせていただきました。
(和希そらと小さいお客さんの隔たりのなさ、マッチングを認識)

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2017/01/21

兵の情は健やかなるを主とす。

1月17日宝塚バウホールにて星組公演「燃ゆる風-軍師・竹中半兵衛-」2公演を見てきました。
七海ひろきさんが主役の竹中半兵衛を演じていました。

これは時代物ではなく戦国ファンタジーなのだと思って見ました。なにもかもが半兵衛の手柄にされていて突っ込みだしたらキリがないので。
戦国BASARA同様にゲームのキャラクターだと思えばいいのかな。
このキャラにこの言葉を言わせたかったのねという感じ。そうよね、いまならあすなろ抱きさせたいよねとか。
ドラマにリアルはありません。リアルは役者の感情にありました。
で、まんまと泣かされました

バレバレのフラグを立てては回収を繰り返す脚本で、逆に言えば楽に回収できる以上のことはしていないので、もうちょっと意欲的でもいいのではという気持ちになりました。
知的な満足を求めるのではなく、気軽に見て泣いて笑って、あとで役者についてあーだこーだと話すのが楽しい作品かなと思います。

かいちゃん(七海ひろきさん)の竹中半兵衛は、竹中半兵衛の姿を借りたかいちゃんそのものでした。
主役なのに張りがないのはそのせいかな。せっかくコスチュームなのに中の人が素のままなので、大きさや華が足りないと思いました。
首から上と首から下の情報量の落差が気になりました。具足姿なのに重心所作が侍らしくなく手持無沙汰に見えました。
心はもの凄く入っているから客席も泣いちゃうけど。
でもその心はかいちゃん以上のものではなくて。かいちゃんがかいちゃんのまま具足や陣羽織を着てかいちゃんの感情のままに泣いている感じで、役としてはどうなの?と思います。
どういうスタンスで舞台に立っているのかな。最近のちょっと浮足立っている感じが私は苦手だな。
以前のようにもっとストイックに役作りをしてほしいと思うのですが。

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2016/12/10

あなたこそ待ち焦がれた愛しい死-“Azrael ”。

11月29日、宝塚バウホールにて宙組公演「双頭の鷲」を見てきました。

有名なジャン・コクトーの戯曲をミュージカルにした作品。面白くないはずがない。引き込まれて見てしまいました。
どうして彼はそう言うのだろう。あのときどうして彼女はああ言ったのだろう。たくさんの何故?を抱きながら見る作品の面白さ。そのわけは見終わった後にゆっくりと考えたい。
11時と14時半公演を続けて見てしまって、しまったと思いました。もっとゆっくりとインターバルを持ちたかった。そうでないなら1回だけ見てじっくりと浸っていたかった。
あのときの顔はそういうことだったのか。あのときあの言葉を選んだのは―― 考えれば考えるほどなるほどと思う、そんな作品でした。

それだけにパパラッチが憶測をごちゃごちゃと語るのが邪魔だなぁと感じてしまいました。
主役たちが心情を歌うのもいらないくらいだなぁと思いました。余白を埋めすぎな感が否めませんでした。見ている私に想像の余地を残してほしかったな。
歌詞が聞き取りにくい部分もあったりして、言葉の裏にあるものを覗くのが面白いのだからセリフで明瞭に聴きたかったと残念と思えるところもありました。
作品が良いのでこちらもより高いところを求めてしまいます。

舞台美術は脚本演出の植田景子先生の美意識そのものって感じ。ちょっと過多にも私には感じられました。(景子先生はまだ足りないわと思っているかも(^-^;)
2幕で、お互いを愛し愛されることを知った2人がこれまで受け入れられなかったものを受け入れると、それまで色のなかった世界(部屋)に色が加わる演出がわかりやすく素敵だなぁと思いました。

齋藤恒芳先生の音楽は作品にぴったりで盛り上げてくれましたが、彼の音楽にはあんまり言葉をいっぱい載せないほうがいいのになぁと思いました。気の利いた少量の美しい日本語が合うのにな。
音楽自体に魅力があるのだから、ちょっと情報が過剰だなぁと思いました。愉しむ余地がほしいなと。
それにしても、みりおん(実咲凜音さん)もずんちゃん(桜木みなとさん)もあの曲をよく歌いこなせるなぁと思いました。歌っているうちに迷子になりそうな曲ですよね。

作品はどう見ても王妃が主役だなぁと思いました。
王妃役のみりおんが相手役の轟さんに遠慮なく相対しているなぁと思いました。思いきりが素晴らしい。
そして王妃姿が彼女史上でもっとも美しくて感銘的でした。景子先生の美意識と相手役の轟さん、そして彼女のキャリアとこの作品に挑む緊張感等々のなせる仕業でしょうか。
ワンショルダーのブラックドレスの後ろ姿やヘアスタイルが彼女の魅力を引き立てていました。
ハープアップに乗馬服も魅力的でした。
(もしかすると高身長揃いの宙組が彼女には気の毒だったのかもしれないなという気もしてきました)

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2006/01/09

「不滅の恋人たちへ」@宝塚バウホール

陶酔のエゴイストにめろめろ~)^o^(

 

7・8日と宝塚に行ってまいりました。
宙組バウ公演を3回、星組ベルばらを1回、観劇しました。
同じおフランスものですが、180度違う趣きで面白かったです。

 

まずバウホールの「不滅の恋人へ」から・・・・(大いにネタバレしますー)

 

バウホールは小さめの本当に見やすい劇場でいいですね。舞台全体を見るには「り列」辺りがいいかも。前方席はもちろん良いのですが、舞台に直に寝転ぶお芝居(!!!)の時はちょっと見づらいかな~と思いました。

 

さて、感想ですが・・・はじめにいっておきますが、私に客観的な感想は無理です。(^^ゞ
大和悠河さんのアルフレッド・ミュッセは、まさに才気と美貌の「青春のプリンス」。眩暈がするくらいbeautiful!で、ひとつの流し目にポヤ~~ン。片方の口角が上がれば、うっと~~り。口許から言葉が零れればとろ~~ん。というような具合で、私は完全にイッてましたので…(笑)。
またナルシストぶり、エゴイストぶりが素敵で。崩れてしまう姿も目を離せない…。目を眇めて皮肉をいう顔さえ美しい。
そしてミュッセのこの攻撃性は、相手へ向かうのと同じくらい自分自身にも向いているんだな~。鋭利な切っ先で自分をも傷つけているんだな~と。
"上手に”やれない生真面目さが、この人の持ち味であり魅力だなぁと思いました。中庸でいられず極端から極端にはしってしまうのが悲劇でもあるけど。
でも人生の中で一度くらいは、こんな色男に振り回されてみたい…と思わせられる人。もちろんサンドさんでさえ手に負えなかった男を、私ごときにどうしようもないのはわかってますけど。(^^ゞ(きっと3日ともたず逃げ出してしまいそう)

 

若すぎても絶対に御し得ない。でも、年齢を重ねて相手に寛容になりすぎてしまっても面白くない。
やっぱり、ちょうどジョルジュ・サンドの年齢で、エゴとエゴとをぶつけ合うような恋愛こそ、ミュッセにはお似合いだと思いました。
恋愛中は腹が立って、別れたくてたまらない相手だと思うけど、別れたあとで一番忘れられない恋人ですよねぇ。それだからこそ、「不滅の恋人」たりえる人ですよね。魂が不滅である限り、世界の終末までそこに刻み付けられる…。
激しい言葉で罵っても、結局は愛していると言ってしまう…ジョルジュの気持ちがせつないほど染みました。
人は相手が善人だからという理由では、あまり恋に落ちない気がします。悪魔的であるほどハマってしまう…。
時として罪は快楽であるように、時として苦しみも快楽ですから。
激しく憎めば憎むほど、その振り幅で愛も深まる気がします。
あんなに強い「想い」をぶつけ、ぶつけられるるいちゃんジョルジュがほんとーにうらやましかったです。

 

カタルシスはないけれど、いつまでも作品世界に浸っていたいヨーロッパ映画のような作品でした。

 

(タニちゃんのことばかり書いちゃいましたケド、細かなことはまた書けましたら後日に…)

 

P.S.
 バイロンの詩(名言)をいくつか知っていると、さらにミュッセの言葉にニヤリとできますよ。(^^)

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2004/10/31

ただいまです~。(&バウ公演のこと)

バウ2公演と大劇場1公演見てきました。

 

タニちゃんは全身全霊でフィッツジェラルドを演じていました。
作家としての苦悩、夫として父親としての苦悶が胸に迫りました。(キザるとやっぱりリカさんの面影が…!)
かなみちゃんはとっても華があり、タニちゃんと歌い踊り愛を語ると、照明が明るくなった?と思うくらい舞台が華やぎます。目が釘付けになるカップルでした。
精神を病んで病院からスコット(タニちゃん)宛ての手紙を読むシーンが切なかった…。
五峰さんは、スコットの身を案じ愛情を注ぐ、美人なのに男女の愛より母性が勝ってしまうシーラという女性を切なく心豊かに演じていらっしゃいました。
あひちゃんは、自分にも他人にも厳しいヘミングウェイ役。人間的な弱さをさらけ出すスコットが許せず、スコットを追い詰めることは、自分自身を追い詰めることになるのに、尖った切っ先を突きつけずにいられない…どこか心に暗いものを秘めているように見えました。真面目な芝居をする方ですね。
スコッティ役の咲花杏ちゃん、父親を思うシーラとの電話のやりとりに、泣けました。
スコットを取り巻く女性たちの中で、誰になりたいか?と言われたら、迷わず私は娘のスコッティ!と答えます。ハンサムでダンスが上手で娘に甘い父に溺愛される娘・・・いいなぁ。。。
秘書のローラ役の美風舞良ちゃんは、舞台を和ませてくれました。
宙組の下級生さんたち、なにげにお芝居が巧い?(巧い子たちを揃えたの?) 嬉しい驚きでした。1人何役も演じて、舞台セットまで動かして、本当に働き者の下級生さんたちでした。
(酔っ払い役なのに、さりげなくシャンパングラスを片付けたり、幕間で床のお掃除をしたり…)
1幕で、セットの壁に郵便ポストの口が開いて、そこにスコットが書き上げた原稿を投函するシーンがあるのですが、30日午前の公演はポストの口が開いていなかったみたいで、壁を叩いて裏にいる下級生に合図してました。双方とも焦ったでしょうね(笑)。
美郷真也さんは、若い才能を見出し援助する出版社の編集人。大人の男を好演して舞台を締めていらっしゃいました。

 

大劇場公演を見終わって外に出るときに、タニちゃんの出に遭遇したのですが、この人がフィッツジェラルドを演じたとは信じられないくらい無防備で、ほどよい倦怠を漂わせるその姿に見蕩れてしまいました。

 

星組大劇場公演は、貸切ということで、アドリブもあったみたいです。
1回しか観られなかったのが、とってもとっても残念に思えた舞台でした。
ショーは博多座とは別物といっても良いかも…。
1回しか観られないから見逃すまいと目を凝らしていたのですが、「一体どこを見たらイイの~~(>_<)」ってくらい、舞台上のあっちにもこっちにも見所があって、目眩がしてしまいました。
詳しくはまた書きますね~。
(こんやは限界なので・・・)

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