カテゴリー「♖シアタードラマシティ」の19件の記事

2023/04/10

愛にすべてを。

3月29日にシアタードラマシティにて宝塚歌劇星組公演「Le Rouge et le Noir ~赤と黒~」をマチソワしてきました。
ドラマシティでの前楽と千穐楽でした。

前日に上階の梅田芸術劇場メインホールで宝塚歌劇星組全国ツアー公演「バレンシアの熱い花」と「パッション・ダムール・アゲイン!」を観劇してからのこのフレンチロックオペラ「赤と黒」の観劇は宝塚歌劇の懐の深さを再確認するこのうえない体験となりました。

柴田先生&寺田先生による歌劇と岡田先生&吉﨑先生によるロマンチックレヴューという20世紀の伝統芸能とも呼ぶべき宝塚と、21世紀のまさに今2020年代の進化する宝塚の両方の公演を同じ建物内の上と下で、同じ星組公演で見られたことに興奮しました。

およそ半年前に次の星組の別箱公演が礼真琴さん主演でフレンチロックミュージカルの初演目と知り、これは絶対に見に行きたいと思いました。
2019年のプレお披露目公演「ロックオペラ モーツァルト」、2020年の「ロミオとジュリエット」と礼さんにかかるとフレンチミュージカルのナンバーはとてつもなく輝くということを経験していましたから。
いつか礼さんロナンで「1789」を見てみたいとずっと思っていて、それも次回の大劇場公演で叶うことになったのですが、その前にシアター・ドラマシティで別のフレンチロックミュージカルが見られるなんてと期待が高まりました。

今回は実際の観劇に先立ちライブ配信を見る機会があったのですが、コスパ良くまとめられた脚本でストーリー展開自体ににドキドキ感があるタイプの作品ではなかったため集中して見ることができませんでした。
いちばんの敗因は家族に遠慮して音量を控えていたためだと思うのです。
これは劇場で生の音楽を浴びなくてはと意気込んで劇場に足を運んだのですが、想像を超えるものを体感できました。

ロックコンサートのような音響にぴたりとハマるヴォーカルと巧みな歌唱。このグルーヴ。
そうそうそう。これこれこれ。
これを聴きたかったんだと思いました。
レナーテ夫人とのデュエットの時のリズムの刻み方など最高でした。

レナーテ夫人役の有沙瞳さん、マチルド役の詩ちづるさんも素晴らしかったです。
小説「赤と黒」を読んだのはかなり若い頃だったので、レナーテ夫人に同情はしたけれどマチルドのわがまま娘ぶりには反感を持っていたのだったなぁ。
いまだったら絶対に好きになっていたなぁ。などと思い詩ちづるさんのマチルドから目が離せませんでした。

ストーリー的にはジュリアンの家族や神学校のくだりが割愛されているので、彼の孤独や心の屈折、社会への復讐にもちかい野望などは見えなくなっていて、私のイメージしていたジュリアンとは印象が違うかなと思いました。
この作品で礼さんが演じるジュリアンは内省的で純粋な面が強く出ていました。
赤と黒の意味も、よく言われる勇者(レポレオン)/名誉の赤、聖職者/野心の黒ではなく、彼の内面を象徴するもののようでした。

礼さんは柴田侑宏先生がスタンダールの「赤と黒」を翻案してつくられた「アルジェの男」という作品でも主人公のジュリアンという貧しく荒れた生き方からその才を有力者に引き立てられ野望を抱いて階級社会を駆け上がっていく青年を演じていましたが、この「アルジェの男」の主人公が野心のためには躊躇なく女性の心を利用していたのに対し、今回のジュリアンはレナーテ夫人やマチルドの本心を疑い懊悩するところが新鮮でした。
人を信じられず女性に惹かれるも彼女たちを征服する(愛情の上で優位に立つ)ことで安堵しているところは、孤独な生い立ちを反映しているなぁと思いました。

1曲1曲が長尺のフレンチロックのミュージカルナンバーをクールにエネルギッシュに聴かせるという大仕事をやりながら、ナンバーに尺を取られた分紙芝居のように次々に変わっていく場面と場面を表情や身体表現といった非言語で表現し繋いでいく礼さんの凄さ。
とくに「間」、絶妙な呼吸とセンス、それらを自在にコントロールできる身体能力の高さによって表現される歌、ダンス、芝居に浸る至福を味わいました。
この礼さんに食らいついている星組生も凄い。

物語の終わりにジェロニモがジュリアンの生き様をどう思うかと観客に問いますが、前日に「バレンシアの熱い花」を見ているだけに、それを階級社会と秩序に結び付けて考えずにいられませんでした。

「バレンシアの熱い花」の主人公フェルナンドが終始、階級社会に疑問を抱かず生きているのに対して、ジュリアンは階級社会に生きる人々の欺瞞と腐敗を嫌悪し軽蔑している。それは持たざる者として生まれて異分子として上流社会に生きているからこその視点だと思います。
上流社会の欺瞞と空虚さに辟易とし不満を言い募る令嬢マチルドと共鳴しながらも最終的に彼女ではなかったのは、決定的に相容れないなにかがあったからではと思います。彼を救うためとはいえ目的のためにはお金に糸目をつけない彼女のやり方に遣る瀬無さそうな目をしたジュリアンが印象に残ります。
彼女がジュリアンの無罪を勝ち取ろうとするのは彼女自身の名誉のためでもある。マチルド・ド・ラ・モールの名に懸けてと。それ自体は悪いことではないけれど、ジュリアンを満たすものではなかったということなんだろうなぁ。
すべてを持っていたゆえに欠け落ちたピースを埋めるために行動した者と、持たざるがゆえにすべてを求めた者。

なにも持たないからすべてを手に入れようとした。
地位もお金も名誉も持っていなかったものすべてがその手の中に入る直前に、自分が本当に望んでいたものはレナーテ夫人の愛だったと悟るジュリアン。
彼のために駆け落ちも厭わず彼の無罪を勝ち取るために奔走するマチルドの愛とそれはどうちがうのか、それがわかればジュリアンが欲していたものの正体がわかるのだろうなと思います。

「なんという目で僕を見るんだ」と懊悩するジュリアンが見ていたレナーテ夫人の瞳とはどんなものだったのだろう。そこに答えがある気がしてなりません。
小さきものを見る憐憫か慈愛か、ジュリアンのコンプレックスを大いに刺激しつつも悩ませた目。
彼が望んだ「すべて」とは。自分を愛する者の瞳に映る自分なのかなと。

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2022/05/27

たとえ悲しみでもいいから。

5月25日にシアター・ドラマシティにて宝塚歌劇月組公演「ブエノスアイレスの風」を見てきました。

演目が発表された時、若々しさが持ち味のありちゃん(暁千星さん)には合わないんじゃないかなと思ったのですが、豈図らんや。
反政府ゲリラとしての活動に青春のすべてを捧げ仲間を亡くし生き残り、心に癒えぬ傷を抱えて虚しさに抗いながらいまを受け容れて生きて行こうとする男を、ありちゃんは丁寧にそして真摯に演じてその人物の像と影を浮き彫りにしていました。
あのありちゃんが——!ときっと多くの人が思ったのではないかな。

歴代のニコラスとも違ったクセのない芝居で、セリフがすっと入ってくるかんじ。
初演は映像で繰り返し見た作品ですが、ありちゃんが演じることで気づけたニコラスの心情もありました。

当時は紫吹淳さんのカッコよさにひたすら痺れて、じつは物語のシチュエーションについてよくわかっていない部分もあったかも。
宝塚を見初めの頃で男役のカッコよさに耐性がないところにもってきて、あの煮凝りのような濃さを浴びてしまって思考力よりも感性で見てました。
紫吹さん独特の洗練された身のこなしから繰り出される溜め台詞に完全ノックアウトされてたと思います。
「友達が、」(カウントできるくらいの間)「・・・死んだんだ」。
ここだけ切り取って見たら堪らず爆笑してしまうかもしれないけれど、作品の流れの中に緊張感をつくり観客を自分に集中させてから一気に感情の堰を切る技量はお見事。
まさに「ザ・紫吹淳」の真骨頂でした。

あのニコラスを、ありちゃんがどう演じるのだろうと思っていたのですが、思いのほかナチュラルなニコラスで、感情の流れも物語の文脈もしっかり表現していて、腑に落ちること腑に落ちること。
初演の頃は、人間やその関係性の複雑さ曖昧さが模糊としていても、その割り切れなさこそが現実だとストレスを感じずに鑑賞していたけれど、いまはなるべくわかりやすくクリアに演じるのが時流なのかな。とも思いました。
(悲しみの感情さえ自己責任という言葉で突き放される時代だからなぁ)

マサツカ作品にたびたび出てくる「7年」。
がむしゃらに理想を貫こうと世の中との軋轢に身を削り生きていた「あの頃」と、交わしてきた幾多の約束や人間関係がしがらみとなり折り合いを探しながら生きる「今」。
世の中を俯瞰し「あの頃」を冷静に思い返せるようになる時間が「7年」なのかぁ。
ありちゃんのニコラスは風間柚乃さんのリカルドとともに「あの頃」の想像を掻き立てるニコラスでした。
青春を共に過ごし理想を求めて熱く突っ走っていたんだろうなぁ。

そしてマサツカ作品に描かれるのは「不如意でも生きて行く人びとの悲哀」。
思い通りに生きている人なんていない、それでも生きて行く。というのはあたりまえのことだった。
いつまでも自己実現を諦めずにいられる時代になった今、この物語に描かれる人びとに共感することができるのか。
そんな危惧も杞憂に終わり、ピンと張りつめた糸のような芝居に終始見入り、終幕と同時に心からの拍手を送りました。
ありちゃんと月組メンバーの真摯な芝居を見ることで忘れていたことを思い起こさせられた気がします。

ありちゃん、下級生時代は芝居が課題だったとは思えないくらいいい芝居をするようになったなぁ。
心に響く歌、そしてダンスはもちろん素晴らしくて、異動後の星組を見に行くのがいまから楽しみで仕方ありません。

カーテンコールの時にありちゃんが「月組の好きなところ」を挙げていましたが、下級生たちが自分なりに考えて芝居に取り組みそれを上級生が温かく見守っているところ、皆が芝居に真摯なところ、袖ではふざけているのに、と語っていたと思います。
この「ブエノスアイレスの風」でも感じた月組の地に足の着いた芝居をまた見に行きたいなと思いました。

 たとえ悲しみでもいいから
 生きていればお前に会えるだろう
 忘れることはないよ・・・

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2022/04/10

俺たちだけの罪。

3月30日にシアター・ドラマシティにて宝塚歌劇花組公演「冬霞の巴里」をマチソワしてきました。
上階とは真逆の世界が繰り広げられていました。

公演に先駆けて公式hpにアップされた主演の永久輝せあさんのビジュアルに心臓を撃ち抜かれて観劇を楽しみにしていました。
まずは会場に入ってすぐに公演プログラムを購入。ページを開いた瞬間に視界が歪んだような? へんな脳内物質でた? という感覚に。
巻頭そして巻末の永久輝さんに魅入られて魂を抜かれそうな気がして、閉じては開き開いては閉じて眺めました。

幕が上がるとまずエリーニュスたちのビジュアルに目が釘付け。
耽美なクラウンみたいなメイク、シルバーアッシュ系の髪色、そして白地に血飛沫を浴びたようなプリントの衣装。いかにも人外のもののような身のこなし。
こういう世界観か!と体温があがる感覚がありました。

そういえば、本作の作演出の指田珠子先生がデビュー作として手掛けた星組の「龍の宮物語」も、これはCSで見たのですが、水怪たちのビジュアルと人ではない身のこなしに目が離せなかったことを思い出しました。
ことばでは表現しにくい快感と悍ましさのあわいにある感覚を引き摺りだされるような、なんともいえないところを表現する方みたいだなぁ。

「龍の宮物語」は『ネムキ』みたいだなぁと思ったのですが、「冬霞の巴里」は往年の『花とゆめ』の巻末あたりで読んだ作品っぽいかなとも思いました。(巻頭カラーとかではない、マニアックだけど一定の支持者もいるような)
少女漫画的なビジュアルを具現化したような世界観。これぞ宝塚歌劇でやるべき世界だと思います。
見終わった後には森川久美先生の短編漫画の読後感にも似た余韻が。

そしてあたらめて演出家の頭の中にあるイメージを具現化する宝塚のスタッフさんたちって凄いなぁと思いました。
その世界観に違和感なく息づくタカラジェンヌも。
役名からお顏を確認しようとプログラムを開くも、主演と10名のキャスト以外はホワイトタイや淡色のドレスでキラキラと微笑んでいる他作品と共通で使用するスチール写真が掲載されているので、花組初級者の私は混乱するばかりでした。(作品によってこうも変わるのかと驚きでした)
エリーニュスの中で歌が素晴らしかったのは咲乃深音さんかなぁ。

舞台メイクでいうと、主人公のオクターヴをはじめとするブルジョワ階級の人々は綺麗な宝塚メイクで、下町の下宿に棲む人々は目のまわりなどのシャドウの濃い独特のメイクだったのも不思議な世界観でした。
漫画でいうなら作画が違うかんじ。2人の描き手が1つの作品を描いているみたいな。
下宿の人びとの会話は演劇的で生き生きしているように感じられ、ブルジョワの人びとの会話は嘘っぽいような、そんな感じもうけました。
それはオクターヴに見えている世界観と関係があるのかなとも思いますが、彼の実家の人びとがどこか焦点がぶれているようでもどかしさもおぼえました。

この作品はギリシャ悲劇をモチーフにしているということなので、オクターヴ(永久輝せあ)=オレステス、アンブル(星空美咲)=エレクトラ、イネス(琴美うらら)=イピゲネイア、オーギュスト(和海しょう)=アガメムノン、クロエ(紫門ゆりや)=クリュタイムネストラ、ギョーム(飛龍つかさ)=アイギストスに相当するのだと思います。
元ネタではそれぞれが壮絶な生い立ちや罪を抱えており復讐の連鎖に至る理由もわかるのですが、この作品では親世代の罪やオクターヴとアンブルの受けた仕打ちなどがそれほど凄絶なものとして語られていなくて、ぼんやりしてしまったかな。

あのようにオクターヴを復讐に駆り立てるのが、姉のアンブルだと面白いのになぁと思います。
母親と叔父の会話を聴いてもにわかには信じられなかった幼いオクターヴに、彼らの罪を確信させたのはアンブルだったのでは。
それはどうしてか、彼女が母親を憎む理由が描かれていたらなぁと。
彼女のオクターヴへの執着の意味がキラリと光るともっと面白くなるのになぁと。
オクターヴのラストのセリフも生きてくるかと。

オクターヴ役の永久輝せあさん、まずはそのビジュアルで心臓を射抜かれました。
19世紀のデカダンがこれほど似合うとは。
世界観に合わせた芝居ができる人なんだな。どんどん物語世界に引き込まれました。
オクターヴというキャラは本来の永久輝さんが醸し出す雰囲気よりも内面的に子どもっぽい面があるので、そこを調和させるのが難しいところのように思いましたが、そこも巧く演じていて。
私は姉のアンブルに素直にタイを結んでもらう場面がとても好きでした。強がっているけど甘えん坊。それでもってあのビジュアル。かなりくすぐられました。
目が利くし、雰囲気のある良い芝居をするし、身のこなしも美しくてこれからが本当にたのしみな人だなと思いました。
彼女でオスカー・ワイルドの耽美な世界を見てみたいと思いました。

アンブル役の星空美咲さん、この学年でこの作品でこの永久輝さんの姉の役とは。かなりのハードルだったと思います。
彼女の初ヒロイン作品「PRINCE OF ROSES」のドキドキの初日を見ているので、今回はまずその堂々とした居住まいに目を瞠りました。頼もしくなったなぁ。
たとえばこの役をもっと上級生の娘役さん(私がイメージしているのは伶美うららさんですが)が演じたら、作品の雰囲気ががらりと変わるのではないかと思いました。ヒロインで作品の雰囲気が変わりそうな重要な役どころ。
星空さんが演じることでより少女漫画風になったなと思いました。
セリフの言い方一つでもっと意味を持たせられるんじゃないかなと思う場面があったのと、表情がワンパターンになりがちなのでもっといろんな顔が見られるといいなぁと思いました。(難しい言葉を言うとき険しい顏になりがちかな)
とはいえ彼女にしか演じられない雰囲気のアンブルで良かったなと思います。

ヴァランタン役の聖乃あすかさん、初主演作「PRINCE OF ROSES」のキラキラと光の中を歩んでいくヘンリーが彼女の持ち味にぴったりだったのだけど、それとはまるで逆の役どころ。
これが新境地で素晴らしかったです。含みのあるセリフも巧いなと思いました。永久輝さんとの芝居の相性も良いみたい。
クライマックスシーンの晩餐での迫真の演技が凄くよかったです。新事実を突きつけられたオクターヴの狼狽をテーブルの陰で嘲笑っていたのが印象的でした。
「黄土の奔流」の葉宗明みたいな役を彼女で見てみたくなりました。

クロエ役の紫門ゆりやさん、まずプログラムの写真に釘付けになりました。
名香智子先生が描く美女の雰囲気。とても少女漫画的。
男役が演じる女役だからなのか劇中でもいわくありげな貴婦人の雰囲気で、雰囲気こそが要のこの作品に重要な存在感を示していると思いました。

ギョーム役の飛龍つかささんも難しい役どころを大健闘。
最初からどういう人物なのかがわかりやす過ぎてもダメな役でその塩梅が難しそう。
それはクロエ、そして峰果とわさん演じるブノワも同様かな。
ギョームとブノワは2人でいる時は見分けがつくのですがちょっと似た感じだったので、ブノワが1人で登場する時に初見では少々混乱しました。モノクルを掛けるとか特徴的なアイテムで見分けが容易だとよかったなと思います。

エルミーヌ役の愛蘭みこさん、ただの世間知らずで明るいお嬢様ではない片鱗を見せているのが好きでした。
知らぬはミッシェル(希波らいとさん)ばかりなり??
純粋で真っ直ぐだからこそ、真っ直ぐに傷つくミッシェル。彼の持つ聖のエネルギーで未来を変えていけることを願わずにいられませんでした。

ジャコブ役の一樹千尋さんは、さすがの芝居。こんなふうにセリフに意味を含ませられるんだなぁ。
下宿の女将ルナール夫人役の美風舞良さんも良い味出ていて宙組時代より好きかも。(宙組時代はヒステリックな役が多かったのが持ち味に合わなかったのかな)
お2人ともいかにも「演劇」ってかんじ。舞台メイクもとても印象的で素敵でした。

作品としては、雰囲気やそれっぽさを愉しむかんじでそれ以上ではなかったけれど、その雰囲気が私にはたまりませんでした。
いずれ何かどえらい作品を見せてもらえそうで、指田先生には期待したいと思います。

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2021/11/23

ハートのエースがほしいの?

11月17日と18日にシアター・ドラマシティにて宝塚歌劇宙組公演「プロミセス、プロミセス」を見てきました。
18日のソワレは千秋楽でした。

外部のミュージカルを見てとても好きな作品だったし、宙組でキキちゃん(芹香斗亜さん)がチャックなんて絶対面白いに違いない!せったい見たい!と思っていて、チケットが取れた時は小躍りしました。

わくわくして客席に座って、キキちゃん演じるチャックが客席に語りかけながら軽妙に舞台は進んで、とっても面白かったんだけど、思っていたのとはニュアンスが違うなぁと正直思いました。
お笑いがベタになっているのが気になりました。千秋楽は関西最終日ということでいっそう振り切ったのもあるかもしれないけど。笑いに関するコンポジションがちょっとうううーーん。

クスリと笑った後にせつなくなるような。苦笑いしちゃうような。そんな作品を期待していたんだけどな。
チャックが待ち合わせの時間を過ぎてもフランが来なかったときにいうセリフたち。どれもみんなせつなくて好きなんだけど、流れてしまってて。
大好きなニックスが129-128で負けちゃう試合が見なくてもいい試合だなんてはずがないのに。
チャックのやせ我慢とフランを悪く思いたくない気持ちと自己欺瞞とが混ぜこぜになったあのセリフたち。クスリと笑って切なくなったあの一連が。

重役たちがデフォルメされすぎちゃっていたのも笑いにくいなぁと思いました。本物の男性が演じたときは、えーーひどい信じられない!と思いつつも悲哀も感じたのだけど。

それといちばんはサウンドがちがうなぁと。タイプライターとかエレベーターとか電話とか。“Tin!”という軽やかな世界。そういうイメージだったのだけど、音響さんが頑張り過ぎちゃったのか、音がかぶさり過ぎちゃってて。
いちばんショックだったのは、“I’ll never fall in love again"をこんなふうにアレンジして歌っちゃうんだーってとこ。

傷ついた女の子が、恋したらどうなるの?嘘と痛みと悲しみを得るだけ キスしたらどうなるの?ばい菌もらって肺炎になって彼から見向きもされなくなる もう恋なんてしないわ すくなくとも明日まではね と歌う歌なんだけど。
私はチャーミングなフランを期待していたのだけどちがってて。え?ってなっちゃいました。

主人公は田舎から大都会に出てきて大会社で働いてて、でも自分はその歯車の一部にしかすぎなくて、野心はあるけど目立たなくて女の子にもモテなくて。そんな毎日がひょんなことから一転してこれはチャンス??というところからのアップダウン。
勝手に夢見ていた理想のマドンナも自分とおなじ現実を生きる現代の女の子で。
自分はどうなりたいのかってやっと気づいてっていうお話。
これはチャックだけじゃなくて、舞台に登場する社員の1人ひとりがきっと似たような経験をして人生のステップを登っていくんだなと思えるお話。
女の子たちもおなじ。
世界中のチャックとフランに向けた応援歌みたいな作品だと思います。
繊細で柔らかいところを優しく扱ってほしい作品なんだなぁ。。
面白かったけれど、でもなぁって正直思いました。


キキちゃん(芹香斗亜さん)は肩肘はらなくても魅力的な男役さんだなぁ。チャックの自己分析的な面白さと、自分でも気づかない哀愁の具合が絶妙でした。キキちゃんでコメディをもっと見てみたいなぁと思います。

天彩峰里ちゃんのフランは可愛らしいけど思ったよりも大人っぽかったな。やっぱり歌がいいなぁ。できればもっと彼女の素の歌声を聴かせるアレンジになっていたらいいのになぁと思いました。ポップス系もお上手だから。

輝月ゆうまさん、私は生で見るのは月組の「エリザベート」以来でした。好きだったなぁ輝月さんのマックス公爵。今回もDr.ドレファス最高でした。若い頃は羽目を外したこともでもいまは魅力的な人生の先輩っていうかんじ。本人はうんとお若いのに笑。芝居の間がとてもいいなぁと思いました。

シェルドレイクの和希そらさん、ミドルエイジの色気が凄かったです。どうしちゃったの。変幻自在だなぁ。若い女性はいちころですよねあれは。若くないけどいちころになりそうでしたもん。雪組に行っちゃうの寂しいなぁ。

留依蒔世さん、振り幅凄すぎ。なにをやっても決まるなぁ。ミュージカルナンバーは最高でした。宙組の宝だと思います。これからもいっぱい見たいです。期待!

瀬戸花まりさんのミス・オルスンがキラリと光ってました。オフィスレディの花宮沙羅さんや春乃さくらさんも美人で魅力的でした。宙組には素敵な娘役さんがいっぱいなことに気づきました。
若いビジネスマンたちのスーツ姿も素敵。重役を演じていた人たちがバーでは別の人になって自由にいろいろやってるのも面白かったです。
真名瀬みらさんと風色日向さんに目がとまりがちでした。

今月末から東京公演がはじまりますが、配信も放送も販売ソフトもないので伝説の舞台になりそうです。
実況CDだけは発売されるのかな。
CSのニュースだと劇場よりも音が控えめで聴きやすかったので、それとおなじ音のレベルだったら購入しようかなと思います。
今年はウィンターイルミネーションを見るたびにこの舞台を思い出しそう。
どうか千秋楽まで無事完走しますように。
happy holidays!

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2020/08/20

かんたんに言ってくれる。

8月18日にシアタードラマシティにて宝塚歌劇宙組公演「壮麗帝」千秋楽の2公演を見てきました。

プロローグから歌舞音曲に目と耳が喜ぶ公演でした。
数か月宝塚だけではなくすべての観劇から遠ざからずを得なかった身にはとても沁みました。
この1か月で見た「はいからさんが通る」「Flying SAPA」と比べても宝塚歌劇らしいお約束がふんだんにある作品で「私いま宝塚を見てる~」と実感しました。

初見は「宝塚」を見たことにただただ満足な私でしたが、脚本的にはエピソードの羅列というかロジックがないというか、こどもの話をうんうん、それで?と聴きながら、あ、ヤマもオチもナシか(笑)となるようなそんな感覚でした。
同じ回を見た方が終演後の感想で「年代記」とおっしゃっていたのですがまさにそれだなと思いました。
魅力ある役者たちが演じて見せる「歴史秘話ヒストリア」「ぜいたくな年代記」ですね。

皇帝が即位するとき継承権をもつ他の皇子を殺めるのがオスマンの慣習と聞かされたヒロインのヒュッレム(遥羽ららちゃん)が、慣習は改めればよいと、家族が仲良く暮らすのは素敵なことじゃありませんかと言って、心優しき皇帝スレイマン(桜木みなとさん)の心を動かしていました。
スレイマンも仲の良かった異母兄が自分のせいで殺されたから彼女の言葉が響くのだろうなぁ。

さあこれからどうするのかお手並み拝見!と思って見ていたんだけど。

次々に子どもをこさえるだけで、もしかして何もしていない・・・??
「可愛いなお前は」とか言われている場合じゃないですよ。

皇帝の側室は1人しか皇子を生まないのが慣習、何人も皇子を産めば同母の兄弟同士で殺し合うことになる、それでもいいのかと真意を母后ハフサ(凛城きらさん)に問いただされても、兄弟が仲良く助け合って国を治めればよいという以上のことは言わないヒュッレム、確実に我が子に迫っている危機について考えているのはそれだけ? と思いました。
とうぜんながら母后にわかってもらえなくて、ひとり「伝えたいことが言葉にできない」的なことを歌うけれど、すでにこの世に生まれた息子たちをどう守っていこうとしているのか、なにを訴え理解してもらいたいのか、それをつたえることを母として命懸けでやらないでどうするの?! 
(ていうかですよ、そのヒロインの思いなり覚悟なりを言葉に尽くして観客に見せるのが脚本家の仕事じゃないのかな~? 「言葉にできない」でわかってもらおうっていうのは観客に甘えすぎじゃない??とも思いました)

慣例を破りヒュッレムひとりを寵愛し次々に子を産ませているスレイマン。
子どもを多く作ればそれだけ殺される子どもが増える。そうならないための手立てはなにも講じていない。
子どもたちは成長し、寵妃ヒュッレムの一番目の息子の第二皇子が次期皇帝の有力候補と目されるようになると、とうぜん第一皇子の母マヒデブラン(秋音光さん)は危機感を募らせヒュッレムを毒殺しようとして露見。
スレイマンはマヒデブランと第一皇子を地方へ封じるも、それがゆくゆくの火種となって祭り上げられ反乱を起こした第一皇子を処刑するはめに陥る。
すべては自分が蒔いた種だ。寵妃の命が狙われるのも、自分が息子を処刑することになるのも。
そうならないためにある慣習なのに、それを破りながらなにも対処していないんだもの。

馴れ初めし頃、国境付近の小競り合いで故郷が被害を受け奴隷に売られたヒュッレムに同情し自分の責任だと言い、平和を望む彼女の言葉に肯きながら「国境のない世界をつくるために戦う」と言ったスレイマン。
その「戦う」は比喩でもなんでもなく、戦争をして領土を広げていくってことですよね。ヒュッレムの身にかつて起きたことを、さらにどんどん起こしていくって彼女にむかって宣言しているのですよね。
(ニコニコ聴いているヒュッレムもどうなの・・・汗)

対話になっていないのですよね。対話しているようで噛み合っていない。
たがいに耳の遠い祖母と大叔母の会話を聞いているような感覚に陥りました。(相槌を打ちながらそれぞれちがうことを話していたなぁ)

ともに育ち信頼していた大宰相イブラヒム(和希そらさん)があんなにかんたんに敵の奸計に堕ちるのもどうしても解せない。
なにかに囚われすぎて目が曇っていたの? そこを描いて見せてほしかったなぁ。

なんというか元ネタはドラマチックだから尺はあるけど、物語としては伝記よりもさらに浅くて軽い、抗いもせずなるようになった年代記だったなという感想です。

と言いながら、タカラジェンヌのパフォーマンスをおおいに愉しみ、プロローグのベリーダンス衣装のららちゃんに溶かされ、ハティージェの天彩峰里ちゃん可愛い~、こってぃ(鷹翔千空さん)悪~い、水音志保さん素敵、七生(眞希)さんほくろ~♡ 群舞のカズキソラッ! ハフサ様のお化粧で燕尾の凛城さん♡となり、ずんちゃん(桜木みなとさん)の挨拶に感動し満足して劇場を後にした私でした。

こうして文句も言いつつ心ときめかせつつ宝塚が見られるってことが、ほんとうにしあわせなことだと感じています。

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2018/01/20

愛の痛み。

1月10日(水)にシアター・ドラマシティにて宝塚歌劇宙組公演「不滅の棘」を見てきました。
初演をCS放送で見てとても好きになった作品で、いつか生の舞台を見てみたいなぁと思っていたので、愛ちゃん(愛月ひかるさん)のエロールで再演が決まった時はとても嬉しくてすぐに遠征を決めました。

初演では、エロールの厭世的なニヒリズムと独特のナルシシズムに引き込まれた記憶があるのですが、今回の再演ではまったく印象の異なるエロールがそこにいました。
傷ついた魂を抱えて戸惑い愛の痛みに苦しむ愛エロールの姿がとても印象に残りました。

大物感、スター感というタカラジェンヌには有利な持ち味がありながらも課題もある愛ちゃんですが、課題の一つ、歌をそうとう鍛えてこの舞台に臨んだなぁという印象を受けました。声がよく伸びているなぁと思いました。
ドラマシティの楽まで、そして日本青年館の楽まで歌い続けたらさらによくなるだろなという期待が持てました。
欲を言えば表情豊かに裏声を使えるようになるといいなぁと思います。
初演のエロール春野寿美礼さんが印象に残る場面で裏声を駆使されていたので、その記憶が甦ってしまいつい比較してしまうのは否めないかな。春野さんのリラックス♪がいまでも脳裏に浮かんでくるほどなので。

春野寿美礼さんは音色の美しい楽器のような声をお持ちだったので声を聴くだけで場面や感情を理解できる気がして、正直歌詞の細かなところを私はよくわかっていなかったのですが、今回の再演ではこんな歌詞だったのか!という場面が幾つもあり、それが新鮮でした。
宙組版は芝居の感情を丁寧に表現しているのかな。細かいところで演出もちがっているかも?
圧倒されるよりもじわじわ入ってくる感じに心を揺さぶられました。
同じ作品なのに演じ手が変わることで受け取るものも変わるのが再演の面白さだなと思いました。

長身で抜群の等身に真っ白なスーツやテールコートにトップハット、17世紀風コスチュームのどれもが良く似合っていた愛ちゃん。いやもうさすがだなと(笑)。
キザる愛ちゃんのしぐさや表情に懐かしい人が重なり私は少々感無量。
白いファーコートにソフト帽は似合いすぎてとても堅気には見えないなと(笑)。きゃーというより息をのんでしまいます。
世界を股に掛ける著名なシンガーというにはお行儀が良すぎて崩れたところがなく、隙がない着こなしが美貌の若頭みたいだなと思いました。
とてもソリッドでステージで女装するキャラではない気がするんですよね。
あの場面は春野さんだから活きた気がするので、愛ちゃんには愛ちゃんの個性を活かした意表をつくステージシーンに変更しても面白かったんじゃないかなと思います。

愛エロールは女性の扱いに手慣れているけど自ら望んで女性と親密になっているようには見えなかったです。目的のために女性を利用しているような。女誑しの甘さより端正さが勝るなと思いました。
甘い蜜よりも火遊びを求める女性が集まってきそう。

花組版は有無を言わさず感性で納得させられるのが魅力でしたが、この筋道重視でやや重い芝居のかんじが宙組らしいなと思いました。凰稀さん時代朝夏さん時代の宙組を見てきた私には馴染み深いかんじがします。
そして男役のキザりや目線のやり方、舞台化粧やスーツの着こなしには大和さん時代大空さん時代の香りを感じました。
そんな宙組の血脈を宿す愛ちゃんに強い思い入れを抱いてしまう私はやはり宙組ファンなんだなぁとしみじみ思いました。

(次の大劇場公演「シトラスの風」で湖月わたるさんの位置=3番手ポジションに立つ愛ちゃんを想像してワクワクします)
(逆にそうならなかったらどれだけガッカリするでしょう。。。なんのための「シトラスの風」再演かってなると思います)
(頼みます。ほんとに(>人<。)

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2011/11/27

女神よ今夜だけ。

大阪梅田のシアタードラマシティにて、
宝塚OG公演「DREAM FOREVER」を見ました。
11月21日~23日の4公演があっという間でした。
何回見ても飽きなくて。。。

 

感想を書いていても次から次にいろんなことが沸いてきて
たくさんになりすぎて、昨夜は第1部の感想で終わってしまったので
そのつづき。第2部の感想です。

 

聴きなれたイントロで第2部の幕が開き、
舞台中央階段の上に、スカイブルーのスワローテールに身を包んだツレさん。
頭には銀色のターバン。白い羽根つき。
すっきりキラキラの舞台に、ツレさんただ1人。
客席の目がツレさんに集中するかんじ。

 

♪夜は魔術師 月昇る頃・・・
ツレさんの「セ・マニフィーク」です。
これを聞くと、ツレさん~って気がします。

 

ツレさんの歌にのって、
まず上手から同じくスカイブルーのスワローテール&銀のターバンの悠河さん登場。
わぁぁぁ~素敵
顔ちっちゃ・・・^^; (ターバンしていると強調されますね~)
燕尾にターバンなんて、こんなお衣裳、宝塚以外では出遭わない気がします。
それがまた似合っちゃうんだ~)^o^(
タカラヅカってすごーーーい!!!
悠河さんってすごおぉぉぉぉい!!!!

 

もうそれだけで目がムヒムヒ喜んでしまう私でありました。
このなんともいえない煌びやかな世界が好きです。

 

ムヒムヒしている間に下手からガイチさんが登場して
マリコさんと風花さんを除くキャスト全員が登場して。
全員がスカイブルー、アクアブルーの燕尾服やドレスで、
銀のターバンやストーンがお衣裳に煌いて、電飾が輝いて、
とても綺麗。
このブルーの燕尾服は、ネオ・ボヤージュのときのものじゃないかな?
悠河さんはもちろん、ガイチさんも出演されてたなぁ~なんて。

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2011/11/26

来ませよ君。

大阪梅田シアタードラマシティにて
11月21日~23日に上演された宝塚OG公演
「DREAM FOREVER」4公演を見てきました。

 

この公演は10月29日の東京青年館からはじまって全国各地(西日本)をめぐり
大阪梅田ドラマシティにやってきました。
私は11月3日に地元福岡の大野城市の公演を見て、約半月ぶりの観劇でした。

 

1回見たきりでしたが、とにかく幸せになれる公演で
この半月指折り数えて待ち遠しく思っていました。

 

待ちに待った11月21日(月)大阪公演初日。
ツレさんの(鳳蘭さん)開演アナウンスでは福岡とおなじく拍手が。
大阪の皆さんも待ってらっしゃったんだなぁって思いました。

 

幕が開くと、板付きで電飾のセットにキャスト全員勢ぞろい。
「サ・セ・パリ!!!」
一番高いところのセンターに立つツレさんの下手隣りに
ピンクのスパンコールの燕尾を着た悠河さんの笑顔をみつけた瞬間から
私のテンションはMAX、so happy!です
わぁ~もう、こんなキラキラな舞台やお衣裳が似合うなんて。
やっぱり元タカラジェンヌ! やっぱり大和悠河だから!)^o^(

 

2曲目の「セ・シ・ボン」は悠河さんのソロ。
現役時代よりも大人っぽく艶の増した声で、セ・シ・ボン♪なんて素敵♪
いやもう、歌詞のまんまです~~。
この歌い方が好きで、クセになります。
やさしい華やかな笑顔も、なんて素敵。
キャンディピンクの燕尾に映えてうっとりでした。

 

マリコさん(麻路さきさん)が歌う「ラ・ヴィアン・ローズ」では
風花舞さんとデュエットを踊ります。
大野城で私をときめかせた風花さんに向けられるやさしい表情が
また見られて幸せ~ 

 

この場面、
下手席では悠河さんのその表情がばっちりと見られてきゃーきゃー
上手席では、その悠河さんのやさしい表情を引き出すゆうこさん(風花さん)の
ヒミツがわかりました。
ゆうこさんがあんなふうにお顔を傾けて悠河さんを見つめるから
悠河さんもあんなふうに首を傾げて・・・
そうするとますますやさしい顔が客席によく見えるんだぁって。

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2011/11/24

華やかな姉妹たちへ。

宝塚OGによるレビューツアー公演「DREAM FOREVER」
大阪梅田のシアタードラマシティの4公演を見て来ました。
11月21日(月)が初日、11月23日(祝・水)が楽でした。

 

宝塚ファンであることが誇らしくなる舞台でした。
昨日の23日は祝日のため、開演前の客席には宝塚音楽学校生の姿も見え、
ああ、大阪の公演だなぁ。宝塚の公演だなぁとしみじみと思いました。

 

宝塚が大好きならきっと楽しめるきっと感動する舞台だから、
しっかり目に写して心に刻んで、
私たちを感動させるジェンヌさんになって下さいねと思いました。

 

初日と楽は、ツレさんの「鳳蘭です」の開演アナウンスで拍手でした。
上演中も沸きあがる盛大な拍手や手拍子に
舞台の上のOGの皆さんの笑顔もいっそう輝いて見えました。

 

客席もツレさんの時代よりさらに昔をご存知の方から現役生徒さんのファンまで
幅広いかんじでした。
見てきた時代はさまざまでも拍手のしどころ、手拍子のしどころがさっとわかって揃うのが素敵。
どの時代のファンも、同じ夢を見ている一体感がありました。

 

キャストトークでも、客席の皆さん顔見知りのようとか、
見守っていただいている感じがする、まるで舞台と客席が親戚のよう、
ぎょうだいのよう、などとおっしゃっていましたが、
客席のほうも、いままで宝塚を通してたくさんたくさん頂いた夢や幸せに
感謝を送りたい、そんな気持ちでいっぱいだったような気がします。
せめてその気持ちを、拍手や手拍子にして舞台の上の方たちに届けたいと。

 

ツレさんがスタンディングオベーションの客席へのお礼の言葉のあとに
客席の音楽学校生へ未来の宝塚を創っていくのは貴方たちだから
がんばってくださいというエールを贈られ、
客席の皆さんからも彼女たち音楽学校生に温かい拍手が送られ
その場にいて、ほんとうに宝塚ファンの皆さんって温かいなとうれしくなりました。

 

舞台の上のOGの皆さん、客席で緊張の面持ちで背筋を伸ばしている音楽学校生の皆さん、
そしていま、宝塚や東京や全国各地で舞台に立ち、お稽古に励んでいる現役生の皆さん、
この華やかな姉妹たちに栄光あれ!
と心から祈りたい、そんな気持ちになる素晴らしい舞台でした。

 

そういえば昨日の大阪楽は勤労感謝の日、元はといえば新嘗祭。
この恵みに感謝を捧げる日に
宝塚に関わる皆さんにも私たちの心からのありがとうが伝わっていたらいいなぁと思います。

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2010/07/25

夢をあなたに。

シアタークリエとシアタードラマシティで見た「まさかのCHANGE?!」
終わっちゃった実感がありません。

 

今回は、初日が明けてから自分の観劇の日までが長くて
ずっと待ち焦がれていたのと、
初観劇日からすぐに東京楽、そのまま大阪に移動して大楽と
その間、日付の感覚がなくて、
「え?明日は大阪で観劇?」と、信じられなくて何度も確認してみたり。

 

家に帰ってからも、まだ、日比谷に行けばやっている気がして。
地方住まいで、観劇イクォール旅行、な私は
観劇は、非日常の世界。
ここ(日常)を離れると、いつも夢の世界が待っている感覚なのかな。

 

また夢の世界に行きたいなー。
そんな感じで過ごしています。

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