カテゴリー「♖宝塚観劇- 宝塚大劇場」の125件の記事

2017/10/11

オルタナティブス。

9月12日の観劇に続いて、9月18日に宝塚大劇場宙組公演「神々の土地」と「クラシカル・ビジュー」を見てきました。

「神々の土地」は1週間のインターバルを置いてからの観劇で、自分なりに見どころや好きな箇所などを噛みしめて見ることができました。
それぞれの登場人物の目線から出来事や主人公たちを見るとどう見えるのかなと考えながら見るのが楽しかったです。

ドミトリーは悪く言えば、根回しもしないで独善的に物事をおしすすめた挙句に失敗した見込みの甘い男で、彼によって心をかき乱された女性2人は、最終的には彼ではなくて自分が置かれている立場を選び、非業の最期を迎え、皮肉にも彼だけが生き残るんだなぁ。
そんなドミトリーを主人公に物語を描く意味とはなんだったんだろうなと思います。

ドミトリーは観念的なことには饒舌になるのに、イリナとの核心的な部分になると寡黙になってしまう。
「お互い自分の信念に従って生きよう」と言うけれど具体的なことは言わない。
彼の信念ってなんだったのか、イリナの信念ってなんだったのか、3回見たけれど(その後ライブビューイングを入れると4回)私にはわからないままでした。

イリナを愛しているのに正面からは一度もアプローチせず、イリナの言わんとすることを先取りして独りよがりに自己完結して、誰の気持ちもはっきりと確かめもせずにオリガとの結婚を決めてしまう。
それでいてラスプーチン暗殺に至るくだりでは、まったくオリガのことを忘れ去っていますよね。
オリガのことはその程度ってことなんだなと。
「俺を信じろ」と言っておいて、信じたオリガの心を踏み躙っている。
オリガはイリナに負けたのではなく、ドミトリーの未熟さと身勝手さに負けたのですよね。

そんなドミトリーとともに生きる道よりも、自分の置かれた立場のまま運命を受け入れることを選んだ2人の女性。
こうして時間を置いて考えると、2人の女性の決断は至極納得がいく気がします。
軽々しく信念とか言う男性を信じちゃダメってことですよね。
劇場ではまぁ様の麗しい見た目と切なげな歌に騙されていました。

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2017/09/17

美しいものを見ることには価値がある。

9月12日に宝塚大劇場にて宙組公演「神々の土地」と「クラシカル・ビジュー」を見てきました。

「神々の土地」は上田久美子先生の大劇場作品でした。
ある時代のある場所で、生きて、愛して、永遠に訣かれた人びと。
その時そこにあったものに思いを馳せてしまう物語りでした。

主人公のドミトリーは宙組トップスター朝夏まなとがこれまでの経験と技量を注いで挑戦している役どころだなぁと思いました。
研16のトップさんをもってしてもこれは難役だなぁと。
主人公が感銘を受ける都度に鳴り物が入る訳ではないし、葛藤や陶酔をダンスで表現するのでもない。ひたすら芝居力が要求されるなぁと。
微妙な間の持たせ方一つで意味が伝わったり伝わらなかったりしそうだなと。
主人公ドミトリーはその曖昧なもののために彼自身が描いた未来からドロップアウトしてしまったように読めました。

開演アナウンスの挿入の仕方が通常とはちがうのも上田久美子先生のこだわりでしょうか。
冒頭の爆弾テロルでセルゲイ大公が倒れ次の場になる前の暗転中に開演アナウンスが挿入されていましたが、その朝夏さんの口調が妙に私のツボに入ってしまいました。
本来開演アナウンスにはお客様へのウェルカムな気持ちが込められているものですが、作品の世界観に合わせてかどこまでも陰鬱な空気を漂わせた口調で、冒頭から作りこんでいるなぁと。それが私のツボにハマってしまって笑ってしまいそうになるのを堪えるのが大変でした。
いやいや、こういう世界観にこれから入っていくのね、という心構えができました(笑)。

帝政ロシア末期の難しい時代背景、登場人物それぞれの立場の複雑さ、それぞれの価値観。
何世紀もかけてはまり込んだ迷宮の出口を探す人びとの立場や心情を読みながら見るのはとても面白かったです。
開演アナウンスに続く場の招待客のおしゃべりで作品に必要な設定情報はほとんど網羅されていたし、ジナイーダの冗談交じりの軽口「よけいなことをしてくれたものだわ」がただの軽口じゃあなかったんだということが後のちわかる展開だとか。
なんどもほぉぉ~ってなりました。

その立ち位置を読みつつ、彼らの発する言葉の意味を読みつつ、一つ一つのエピソードに居合わせた主人公がその時どう考え何を決したかを読みながら見るかんじでした。
そうして頭でも考えながら答え合わせをするように見ていると主人公たちの気持ちはだいたいわかったような気持にはなりましたが、見ているその時にカチッとはならないのが少々もどかしかったです。
読み物としてはとても面白いけれど舞台としてはどうなんだろう。こういうのもありなのかな。
というかんじです。
セリフの意味も微妙な間の意味も、幾とおりにも受け取れてその中から正解を探しながら見ていく感じで、いろんな解釈ができそうで。
そこは見た私が好きに考えていいのだろうか?

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2017/02/19

描きたかったのは。

2月16日に宝塚大劇場にて宙組公演「王妃の館」と「VIVA! FESTA!」を見ました。

ミュージカル・コメディ「王妃の館」。
原作は知らないのですが、傲慢で陳ねたように見えていた主人公が実はピュアな迷える子羊で・・・という田渕先生の定番的ともいえるお話で個人的にとても好きなテイストでした。

誰かを傷つけて後悔するところとか・・あらっと思うほどとても素直なんですよね(笑)。
朝夏まなとさん演じる北白川右京さんも実咲凜音さん演じる桜井玲子さんも。
真風涼帆さん演じる太陽王ルイ14世までも(笑)。

そのほかの個性的な登場人物たちもみんな好い人ばかり。
困っている人がいたら協力してあげて(自分たちがカモられている側なのに)、泣いている人がいたら慰め励ます言葉をかけてあげて(自分が迫られて困っていた側なのに)。
皆がやさしいからつい涙ぐんでしまう。そんなお話でした。
じっさいのパリ観光でこんなにお人よしばかり揃っていたら怖い目に遭ってすってんてんにされちゃうぞって感じなんですけどcoldsweats01
そこはやさしい虚構(うそ)といいますか(笑)。

寛容さの中で安心していられたら誰しも安心して自分もまた人に寛容でいることができるよねとそんなことを思ました。
でも現実は猜疑心でたくさん傷ついてしまうから。
誰もが癒されずに抱えている心の痛みや傷を癒すひとときが劇場全体にそっと訪れているようなそんな空間を共有している気がしました。

北白川右京役の朝夏さんはとにかくノリノリで一挙手一投足が可笑しかったです。持ち前の長い腕や脚と身体能力でちょっとした仕草でも笑いが起きてしまう。
笑いの間がとてもお上手で、客席が安心して笑うことができる雰囲気をつくってらっしゃいました。
そういうところも温かくてやさしい作品だなぁと思いました。

ルイ14世役の真風さんのビジュアルにはもう心撃ち抜かれる思いがしました。宝塚の真骨頂ですよね。
あの存在感と華、ビジュアルがあったればこそ、この作品が宝塚として大劇場公演として成立していると思いました。

そしてさいごはクレヨン役の蒼羽りくさんに攫われてしまった私の心(笑)。

メインキャストはすごくうまくハマっていると思うんですけど、ホテルの従業員や現地の人や観光客などはもっと意味のある使い方をしてほしいなぁと思いました。

ホテル従業員が皆同じ制服でしたが、シャトーホテルのロビーに15~6人のベルボーイとベルガールが固まってるってことがあるのかなと思いました。
フロント係にドアマンにベルガール(ボーイ)にメイドにと、制服を変えてちゃんとホテル業務をしててほしいなぁと思いました。業務が違えば個々に所作が変わったり性格付けができるし、そのうえでメインキャストの宿泊客と絡む様子があればメインキャスト其々の性格も見えたりして面白いのにと思います。

また観光地を通行する人びとも同色の服の同じ年格好にしないで、肌の色髪の色服装などさまざまに設定してほしいなぁと思いました。
現代のパリ観光ならいろんな国籍の人がいるはずなのに。奥行のない舞台になってしまっている気がしました。
ここもメインキャストの日本人観光客と彼らのちょっとしたやりとりで場所やどういう状況なのかとかの情景が見えると、名所の画像を映し出すよりよほど面白いのにと思いました。
メインキャスト以外の使い方次第でちょっとした見所をあといくつか増やすことができたんじゃないかなぁと。
場面の一瞬一瞬を大事にしてほしいと思いました。宝塚はその一瞬を見に来ているファンも多いのだから。

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2017/01/28

旨酒を飲もう。

1月16日に宝塚大劇場にて月組公演「グランドホテル」とショー「カルーセル輪舞曲」を、1月17日に「グランドホテル」の新人公演を見てきました。
月組新トップ珠城りょうさんの本拠地お披露目公演でした。


フェリックス・アマデウス・ベンヴェヌート・フォン・ガイゲルン男爵役の珠城さんは異例の研9でのトップ就任で学年のわりに地に足の着いた落ち着いた雰囲気を持つ男役さんでした。
大きな欠点もなく安心して見られるタイプだなぁと思いました。
いかにも貴族で上流風だけど、ちょっといわくありげな男爵といったかんじが良く出ているなぁと思いました。

エリザヴェッタ・グルーシンスカヤ役の愛希れいかさんはさすが!でした。
どこか現実とは乖離した感覚の女性。名高いバレリーナとして若い頃はロマノフ王家とも親交があり沢山の贈り物と栄誉を授かっていた人が革命と重ねた年月によって残酷にも多くのものを失ってしまって。
唯一残った彼女にとっての人生そのものであったはずの踊ることにさえも喜びを失いかけていた時に若い男爵と恋に落ちて生きる喜びを取り戻す。
そのもう若くはない女性のキャリアや人生を感じさせる役づくりで、心の動きの見せ方も素晴らしかったです。
珠城さんとのボレロの場面は最高でした。珠城さんの肩から降りるときの脚の流れの素晴らしいこと。
もう娘役の域を超えてしまってるかなぁとも思えました。女優さんだなと。
彼女見たさに劇場に行きたくなるジェンヌさんです。
実咲凜音さんが「双頭の鷲」に出演したみたいにさらにハイレベルな作品に出演する機会があるといいのになぁと思います。

オットー・クリンゲライン役の美弥るりかさんはしょぼしょぼの役でも華があるのが宝塚らしくていいなぁと思いました。宝塚スターが演じるオットーという感じでした。
「We'll Take A Glass Together」での男爵との掛け合い、とても愛嬌があって魅力的でした。あの場面とてもいいですねぇ♡

役替わりのフラムシェン(フリーダ・フラム)は海乃美月さんが演じていました。
歌、芝居、ダンスともにお上手で娘役として出来上がってる方だなぁと思いました。
上昇志向でチャンスのために自分自身の女性性を駆け引きに使ってしまうという宝塚の娘役さんが演じるには珍しいタイプの役ですがちゃんとそんな女の子に見えましたし、こういう女の子たちがいたのが1928年のベルリンなのだろうなと思えました。
その上で上品さも残っている娘役さんらしさが海乃さんの持ち味なのかなと思いました。
彼女に対してプライジングがとても酷い男に見えました(笑)。

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2016/12/14

あくがれいでた二つの魂どこへ誘う。

11月28日(月)宝塚大劇場にて花組公演「雪華抄」「金色の砂漠」を見てきました。

お芝居「金色の砂漠」、私これすごく好きだぁと思いました。
号泣したりカタルシスがあるかんじではないのですが、心にひたひたと何かが溜まる物語でした。見終わって水槽から溢れそうなものをギリギリのところで堪えている感覚に陥りました。

ストーリーは「私これ知ってる」という既視感があり、とくにひねった感じではないのですが(昔の少女漫画やパラレル系二次創作でよく見た懐かしい設定(笑))、関係性がすごくよくできていているなぁと思いました。
織り込まれたエピソードが効いていてそこに息づく登場人物たちの性格性や役割がよくわかりました。
登場人物1人ひとりに物語を考えたくなるほどどの役もしっかりと造形されていて、その心模様もわかりやすかったです。
ライトな宝塚ファン目線からも、役が多くてタカラジェンヌ個人をを楽しむのにもってこいな上に、それぞれ役どころが明確なのでストーリーがちゃっちゃと進むのもいいなと(笑)。
少々合理的すぎるきらいもありましたが1時間半で完結させるためには致し方ないと思いました。
設定や人物像が緻密で確かなものであれば総てを言ってしまう必要はないのだなぁと思いました。

設定にツッコミどころがあるとしたら、王女に男の奴隷をつけて身の回り一切の世話をさせておいて間違いが起きたら罰されるというのは、あまりにも非現実的で夢夢しすぎるしきたりだなぁと(^^;
むしろ何かあっても気にもされない大らかさというかいっそ暗黙の不妊対策、後継者対策でもあるくらいじゃないと理解不能だなぁと浮世に穢れた私は思います(笑)。(それも母系主義じゃないと成り立たないですけど)
まぁそれも「宝塚だから」で世間が納得してしまうのが宝塚のすごいところかな。

なによりも、そんなことはどうだってよくなるくらいに矜り高い主人公2人の愛憎の物語りが美しい“みりかの”によく合っていました。
みりおちゃん(明日海りおさん)は矜り高く才能溢れる青年が破滅していく物語がよく似合うなぁ。
というかもはや破滅じゃないのだよなぁ。このラストまでが一つの“美”なんだなぁって思えてしまう青年ギィでした。
永遠に紡がれる叙事詩の主人公がここにいるのだなぁと納得してしまうかんじ。
それはかのちゃん(花乃まりあさん)のタルハーミネもおなじ。

なんど生まれてもタルハーミネは金の砂漠へと走り出し彼女を追いかけ追いついたギィは彼女を抱いて砂塵の中で無垢に還っていくのだろうなぁ。
お互いに「愛している」を認め合うのにこれだけのシチュエーションが必要で。それこそが似つかわしい美しい2人。
美しいものたちはこうして永遠になるのだ。そうして至高の終焉を繰り返す。
(いやぁ美しいってたいへんですねぇ、、、)

そしてその物語りを浮き彫りにしていくエピソードと2人をとりまく人びと。

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2016/09/30

つづきは夢の中で。

9月25日に宝塚大劇場にて星組公演「桜華に舞え」と「ロマンス!!」を見てきました。

みっちゃんこと北翔海莉さんが星組トップスターとなっての大劇場公演3作目にしてやっと本拠地に公演を見に行けました。そしてそれがみっちゃんの退団公演・・・。間に合ってよかった。

思えばみっちゃんのトップが決まったと聞いたのが2014年の宙組ベルばら東京公演の頃でした。大和悠河さんのトップ時代を支えてくれていたみっちゃんがいつかトップになる日が来れば・・と思っていましたが、宙組の次期トップには凰稀かなめさんを支えてくれていた朝夏まなとさんになってほしいと思っていた時期でもあり、どうなっちゃうの?と複雑な気持ちになったことを覚えています。
おなじように当時の星組トップの柚希礼音さんのファンの方たちは柚希さんを支えている紅ゆずるさんに後を継いでほしいと思われているんじゃないかなぁと思い、心配したことも覚えています。

プレお披露目となった全国ツアー公演「大海賊」と「Amour...それは」は大和ファンの私にとっても思い入れ深い作品でもありますが、みっちゃん率いる星組のパフォーマンスの素晴らしさに自分の予想をはるかに超えて感動しました。
梅田芸術劇場で見た「LOVE & DREAM」でもそのエンターテイナーぶりに大いに楽しませてもらったこともついこの間のことのようです。
気がつくと知り合いの柚希さんファンの方や大和さんファンの方たちがみっちゃんのファンになっていて、心配は杞憂で終わり星組さんが盛り上がっている様子をよく耳にしました。
短い就任期間は覚悟の上だったと思いますが、それだけに短くも濃く熱い時を重ねて充実した表情のみっちゃんによかったねーと心から思いました。卒業のその日まで幸せな宝塚生活でありますように。

前置きが長くなりましたが、公演の感想を。

まずお芝居の「桜華に舞え」ですが、先に白状しておきますと「西南戦争」と聞くだけでなんだかうるうるしてしまう私。開演前に現れた別緞帳の錦絵ですでに胸が熱くなっておりました。
薩摩兵児が居並んでテーマを歌い見得を切るプロローグでもう涙・・・(笑)。齋藤先生たたみかけるように泣かせにかかってるわcoldsweats01

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2016/08/17

いまに死にたいときがくる。

8月8日と9日宝塚大劇場にて宙組公演「エリザベート」を見てきました。

7月末に観劇したときの印象とはまるでちがう「エリザベート」でした。
場面から場面に地脈が通じてさいごにそれが吹き上がったような。
私はこの「エリザベート」がたまらなく好きになりました。

トートに躊躇がなくなり強くなった感じがしました。物語世界を支配している感じ。
唯一支配しきれないのがシシィなのだなと。

結婚式の翌朝、シシィの寝室に来襲するゾフィーのデフォルメ加減が絶妙でした。
リヒテンシュタインも女官たちもあくまでゾフィーの側にいる者たちなのだと見えるように演じられていて、宮廷でのシシィの孤立がはっきりと浮き彫りになったようでした。

フランツもシシィの気持ちを察することができず「母の意見は君のためになるはずさ」などと言う。
そのときのシシィの絶望感たるや ――― おなじセリフなのに、なぜこんなにも前回と180度ちがって見えたのだろうと不思議でした。

ゾフィーが支配する宮廷で孤立し、フランツも頼りにならないと絶望したシシィが「私だけに」と歌い始める心の流れがとても自然に感じられました。
短剣を見つけてからそれを鞘に納めて気絶するまでの流れ、緩急のつけ方が素晴らしくて引き込まれ鳥肌が立ちました。

気絶したシシィの手から短剣を取り上げて「返してやろうその命を――」と歌うトートはまだ余裕に満ちているように見えました。
これはあくまで小手調べのようなものでシシィを試しただけなのかも。
見ている私がそうであるようにトートの心のうちにもまた、シシィという他とは異質ななにかをもつ1人の少女に予測できない期待があるような、そんな感じを受けました。

まさに愛と死の輪舞の始まり――

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2016/08/02

君の港はどこなんだい。

7月28日に日帰りで宙組宝塚大劇場公演『エリザベート』2公演を見てきました。

私にとっては見たこともないような不思議な印象の『エリザベート』でした。

シシィに死の影を感じない。
ゾフィーは厳しいけれど筋が通って公平。
フランツはマザコンではなく超愛妻家。
そこらへんの2世代同居よりもよほどうまくいきそうな雰囲気。

「いろいろあったけれど、最後にはお互いわかりあえました」という結末でもおかしくなさそう。

フランツとシシィの愛情物語が鮮やかなのでトートに付け入る隙がない。
イライラする闇の帝王。ハートが脆く繊細なのはトートのほうかも。
シシィに対してトートが弱い印象で、シシィがトートをもとめることがあるのだろか?と思っているうちに終幕を迎えてしまいました。

鏡同士なのはゾフィーとシシィで、ルドルフとシシィは似ている気がしない。
強い祖母、強い母親、母の言いなりの父親の中で自分の意思は誰にも伝わらずどこにも救いがないルドルフ。

そんなルドルフにはトートも本領発揮。やっと闇が広がる~~♡
私が知っている『エリザベート』に近いのはこのへんだなぁと思いました。

新しい『エリザベート』に挑戦しているのかもしれないけれど、私はエリザベートを見たぞという満足感のほうを得たかったなぁと思いました。

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2016/02/04

僕の瞳がなぜチカチカしてるかって?

 ―→ それは君があまりに可愛すぎるからだよ。  【さすがまぁ様(〃▽〃)heart01


ということで、1月26日(火)宝塚大劇場にて宙組公演「Shakespeare~空に満つるは、尽きせぬ言の葉~」と「HOT EYES!!」を見てきました。
お芝居「Shakespeare」の感想は前の記事で書きましたので、ショーについて。

ダイナミック・ショー「「HOT EYES!!」―― 藤井大介先生のショーだから「!!」はお約束!!happy01

2013年から宙組のショーといえば大介先生の作品ばかりで「またかdown」という気もしなくはなかったですが、見終わった感想は「楽しかった*\(^o^)/*」
名シーンと思えるような場面こそありませんでしたが(そう感じるのも私が大介先生のパターンに慣れてしまっているせいかもしれません)、どの場面も楽しかったです。
構成演出が平均点あれば、あとは出演者の技量やモチベーション次第でいくらでも楽しくなるのが宝塚のショーなんだなと思いました。
楽しくてあっという間に終わってしまいました。

上級生実力派の4名(組長副組長にきゃのん、てんれー)による白い人たちは、いかにも大介先生のショーらしいけれども、もったいない使い方だな~と思いました。が、あえて外すことでこれまで埋もれていた方たちにチャンスが到来したのだったら、それも一つのやり方かも。
1年前にくらべて遥かに成長し輝いている生徒さんたちの姿が印象的でした。

数十年ぶりの「全場大階段」が売り物のショーとのことでしたが、それについては大階段が活きているシーンもあれば、なくても良い場、ないほうが良い場、とありました。
全場大階段であるがゆえに、かえってメリハリがなくなってしまっている気がしました。

活きているなぁと思ったのは、ダークアイズの場面。大階段でストーリー性のあるダンス場面は珍しく、前方で朝夏さんと真風さんが絡み階段上でそれを支配しているように妖しく見ている伶美うららちゃんの図がとても美しくて印象的でした。
朝夏さんが1人で踊る場面は、階段をなくして舞台奥まで平面で使ったほうが迫力あるダンスが見れた気がしましたし、パレードでは両脇にある柵のようなセットが邪魔で、いつものようなパレードの階段降りの迫力が薄れてしまっている気がしました。
オープニングで出演者たちがどんどん大階段から降りてくる場面は華やかでわくわくしましたが、この使い方はよくありますよね。
つまり、大階段は必要なときにあればよい。大階段がない方が見栄えがしそうなシーンを作ってしまうなら「全場大階段」は売りにはならないなと。

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2016/01/31

お前はいつも私を奮い立たせてくれる。

1月26日(火)宝塚大劇場にて宙組公演「Shakespeare~空に満つるは、尽きせぬ言の葉~」と「HOT EYES」を見てきました。
いまの宙組の強みと弱点がはっきりと見えた公演だったなぁと思いました。


(以下ネタバレ含みます)

お芝居「Shakespeare」は脚本の粗のほうに気がいってしまい、2回の観劇では登場人物の気持ちに感動するところまで至らずに終わってしまいました。

ウィルと父親との関係、ジョージの野望の顛末、夫婦愛、劇団の人間模様、どれもさいごまで描ききれていないのがもったいないなぁと思いました。
もうすこし筋道を整理したら格段に面白さが増すだろうにと。

せっかくタネを撒いたのに芽が出るのを待たずに、花屋で買ってきた花籠のアレンジを並べて見せられたみたいながっかり感。
たしかに花籠は可愛いけれど、あのとき撒いたタネはどうなったの?と釈然としないまま。
脚本家は、自分が書き出したものについてさいごまで責任をもってほしいぞと。

シェイクスピアへのリスペクト場面が随所に挿入されていましたが、それが登場人物たちの感情の高まりや関係性の緊張感とリンクしていないため、ストーリーの本筋をわかりにくくしてしまっている。
また演じる側もそれに引きずられてしまって、役としての心情を表現する妨げになっていて逆効果であった気がします。
その影響がいちばん大きかったのが、真風さん演じるジョージ・ケアリーかな。
前半マクベスになぞらえるようなシーンで銀橋も時間もじゅうぶんに使ったのに、さいごはあのオチですかい?的な役。
真風さん自身、いったいどう見せればいいのか、つかめていないのじゃないかなと思いました。

彼がウィルとアンを仲違いさせるに至る彼自身の気持ち、大事なとことだと思うのですが描かれていない。
ダーク・レディのシーンは必要?―― あのシーンでウィルは自分の欲望を自覚したように描かれていましたっけ?
ジョージがサウサンプトン伯やエセックス伯を仲間だと紹介するも、共に政敵に立ち向かうシーンは描かれていない。
もっと3人とウィルとで政敵を追い詰めるところを描き、それに対して逆襲されるかたちでの捕縛、そしてウィルが台本を書けないという大ピンチからのアンの愛…と、後半をしっかり描いて盛り上げてほしかったなぁと思います。

物語に起伏がないために、どう演じればいいのか演じる方もわからないのではないかな。そのせいか皆がそれぞれに自分の得意な芝居をしているだけになってしまっている。
人物を描ききれない分、演者自身のキャラクターに頼りすぎているために、物語(主題)に対しての人物像や役割が不明瞭になってしまっている。そのために主題がぼやけて心地がわるいなと。
そんなふうに感じました。

シェイクスピア劇のなにが面白いって『人間』を深く描き出しているところに感心し共感できるところで。シェイクスピアを題材にとるなら、やはりそういったところを期待していまうわけなのだけど、肩透かしされた気がしました。

かなり辛口で申し訳ないですが、前半これは面白くなりそうだと期待したのに、それが途中で放り投げられてしまったようで残念に思ったからなのです。

と、脚本には辛口ですが、演じる生徒さんたちはさすが、大空時代、凰稀時代に芝居で鍛えられてきた組なだけあって、しどころがなさそうな場面であってもしっかりと見せているなぁと思いました。

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