カテゴリー「宝塚観劇i- 炎にくちづけを+ show」の10件の記事

2007/02/25

ネオ・ヴォヤージュ@Ch.800

23日がスカチャン!ハイビジョンでの初回放送でした。

はじめてちゃんと見た気がします。劇場には行ったんですが…。
お芝居がワタシ的にダメで、その陰鬱とした気分のままで見てしまったので
印象が薄かったショーなのでした。
(当時感想もかけなかったくらい)

今回、お芝居を見ないで、ショーだけ見てみたら…
けっこう面白いショーだったんじゃん!って。目からウロコ。

セイレーンのハナちゃんがいいなぁ。この歌好きです。
ハナちゃんの硬質なかんじが、とても素敵で。
あぁやっぱり私、ハナちゃんが好きだったんだーーと再認識。

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2005/10/15

「愛は地球を救わない」‥‥だから?

木村信司先生の作品を何作か見て感じた、その登場人物たちの共通点‥‥

コミュニケーション下手。独りよがり。子供っぽい。
自分以外の人々を蔑視している。
誰も自分をわかってくれないと嘆く。

でも、自分だって人の気持ちを理解しようとしてないのにね。
そしてまとめて「皆」「おまえら」(=コロス)にしちゃう。


今日、はじめて「炎にくちづけを」のプログラムの木村先生のコメントを読みました。

言いたいことはわかりました。
とっても正直な人なんだなぁと思います。
けど、器がちいさいなぁとも思いました。
自分の中にないからといって、他人の心の中にもないとは言えないでしょう。

強い愛は、強い憎しみにも変わるでしょう。‥だから何?
身近なものへいつくしみや愛を感じるから、見知らぬ人のことも大事にしたいと思う。
それが隣人愛だと思うのですが。木村先生の言われる「リスペクト」も根は一緒じゃないの?
「愛は世界を救わない」‥だから何?
愛には醜く、愚かしい横顔が沢山ある。
でも愛をどう侮ろうと、人の心の中にはそのような執着があることには変わりない。
人は心の中のいろんな愛に折り合いをつけながら生きているのじゃないのかなぁ。
その愛=執着とどうつきあっていくのかは個人に課せられていて、
良くするも悪くするも個々の人間しだい。
それを一緒くたにまとめて過大評価することも、過小評価することもないんじゃないのかなぁ。

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2005/10/12

炎にくちづけを~感想(これでおしまい)

いまさらですが、大劇「炎にくちづけを」についてです。
PCの調子が悪くなったり、他の舞台を見に行ったりしているうちに、東京宝塚劇場公演もはじまってしまって・・・
このままにしておこうかな?と思ったんですが、やっぱり書いておきたいことがあるので…(^^ゞ (さすがにもう「キャスト語り」とまではいきませんが)

っていうのがですね、役名もはっきりわからなかったんですが、ジプシーの女たちの歌が素晴らしかったので…。
鈴奈沙也さん、彩苑ゆきさんはもちろん、美風舞良ちゃん、美羽あさひちゃん、音乃いづみちゃん、和音美桜ちゃん・・・どの子も宙組が誇る娘役ですよねぇ。すごく心に響く歌だったなぁと思いました。ここだけでも見せ場があってよかったけれど、できればもっともっと使ってほしかったなぁ。切に切に思います。。。

それから、ルーナ伯爵家の家臣たち。
役名すらない子たちだったけど、「ルーナ伯爵家の家臣選びは、ルックス重視?」と思うほど美形揃い。
皆同じコスチュームでその他大勢なのだけど、髪型やお化粧とか、それぞれに工夫してて、目にうれしい家臣たちでした。3回の観劇では、それぞれのお名前がわかるまでは至らなくてザンネンでしたが…その心意気、天晴れ!!!と拍手喝采をおくりたいです。
宙組はこうでなくっちゃ~~~!!!o(^o^)o

今回の大劇場作品は、作品的にも私の好みではなく演出にも不満が残りますが、宙の生徒さんを見ていると希望が涌きました。
次回の大劇場、大いにたのしみにしています。

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2005/09/26

炎にくちづけを~キャスト別#4

長々と書いてまいりましたが、けっきょくは、押し付けられる主張に反発を感じてしまって、物語世界に浸れない・・・ことが辛かったんだなぁと改めて思います。
それがなければ、ストーリーの矛盾点なんて、気にならないのが本当のところかも…。

物語に入り込まなくてはと必死になって、なかなか目で追うことが出来なかったんですが、主要5人以外のキャストで思ったことを。(ネタバレしますー&敬称略でございます)

まず、ジプシーグループから―――

エーク(美郷真也)
 よぼよぼっとしたところとか絶妙。老け役うまいな~~。(考えたら、月組「FAKE LOVE」の時にはすでに老け役されてたな~)
 若者たちの人望を集めているところをみると、ただの老人ではなさそう。
 とぼけた味なのに、最後の1人となった時の「ジーザスに聞いてくれ」の歌とか伯爵にしずかに反論するところとか…おしつけがましくないところが、心に染み入りました。マンリーコに「おまえのせいじゃない」というところも。
 芝居巧者の宙組の貴重な上級生ですよね~~まりえったさん。(タカコさんと同期というのがいろんな意味で驚きだ・・・)

ドー(遼河はるひ)
 かっこよかった~! 色気が出てきましたね、あひちゃん~)^o^(
 賢そうでジプシー仲間の参謀役ってカンジでした。目で訴える人。とくに捉えられている時の、伯爵に反抗する目が良かったです。ゾクゾクッ!っとしました。観世家のおとぼけ三男坊(更に狂はじ)が、成長したんだなぁ…としみじみ。目に色気の出せる男役路線でがんばってほしいです。

ティーン(悠未ひろ)
 ともちんもまた、かっこよくなってました。
 あひちゃんのドーとは兄弟なんですよね。長身のDNAですねぇ(笑)。
 兄がリーダーの参謀役なら、弟は男前の力持ちキャラかな。女の子にもてそう(笑)。身のこなしがとっても男前でした。
 セリフが少ないのがもったいない…。

チャール(十輝いりす)
 すらりと長身で美形な彼は・・・もしかしてまぁくん…?と我が目を疑いました。驚くほど美形でした~! 手足長いなぁ。博多座の大きい白鳥がツボった以来、微妙に私のツボをくすぐってたまぁくんに、こんなにときめく日が来ようとは…どうしましょう。
 ただ立っているのに、つい目がいってしまいます。
 修道院長に謝る場面でセリフがありましたね。しゃべるとやっぱり微妙~(笑)。声のトーンのせいでしょうか…^_^;

パーンチ(七帆ひかる)
 処刑の場面で、若者ジプシーの最後に残ったのが彼でしたよね。合唱が1人減り2人減り…で最後1人で歌ったところが、印象的でした。歌に力がある人ですねぇ。

チェ(和涼華)・サート(早霧せいな)・アート(凪七瑠海)
 ごめんなさい、今回のお芝居では、和君、ちぎちゃん、るうみ君は見分けがつかないことが多くて… いっしょに語ってしまいます。。。(>_<)
 処刑のシーンで「母さーん!」と叫んだのが和君ですよね。
 サートとアートは兄弟だと聞いたのですが、こちらはアイドル系DNAですね(笑)。チェと3人でアイドルグループ組めそう。(綺麗なチェ、可愛いサート、元気なアート…ってかんじかな。←勝手に想像してます)
 ジプシーの小さいグループって感じで、処刑のシーンでは怯えたり、頭をふるふるさせたり…涙を誘ってくれました。(本当はけっして小さいわけではないけど、他のジプシー兄ちゃんたちが大きいから…^_^;)

 ジプシーは本当にイケメン揃いでしたね~。もっと1人ずつにセリフや見せ場があったら良かったのにな…。

 ということで、今日はここで力尽きてしまいました。いいかげんに、あと1回で終わらせます~。(>_<)

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2005/09/24

炎にくちづけを~キャスト別#3

昨夜は博多座観劇で舞い上がってて書くことができませんでしたが…、キャスト語りの3回目でございます。(ネタバレしますー&敬称略でございます)

アズチューナ(一樹千尋)
 一樹千尋さんのアズチューナは圧巻でした。
 彼女の中に渦巻いている愛情と憎悪、いろんな背反する情念に操られている狂気が客席まで迫ってきました。
 財産に執着しない彼らジプシーが唯一強い思いをもって大事にしているのが、家族・仲間なんでしょうね。
 愛する母親が理由もなく誤解の末に、惨たらしく火炙りにされてしまうその姿を目の当たりしてしまった時に、彼女の心は引き裂かれてしまったんだろうなぁ。
 その事件が起きた時というのが、ジプシーたちが餓えに苦しみ、乳飲み子を抱えていた彼女も乳が出なくなった…という極限状態の時。このままでは赤ん坊を死なせてしまうかも…と母親として精神的に追い込まれている時に、追い討ちをかけるような惨い打撃・・・。気もおかしくなってしまうよなぁ。。。
 憎しみの果てに、母親を処刑した伯爵の赤子をさらって火に投げ込んでしまう。この時点でもじゅうぶん狂気の沙汰だけど、錯乱していたせいなのか自分の子と伯爵家の赤子を取り違えていた・・・もうドロドロ。
 炎の中で「復讐してくれ!」と言い遺して絶命した母の惨たらしい姿を目に焼き付けたまま、目の前の赤子に乳をやり育てたんだろうなぁ・・・。
 マンリーコに無茶苦茶矛盾したことを言いながらすがっていく身勝手さ、哀れさ、可愛らしさ…見ていてもとても複雑な気持ちになりました。(でも多かれ少なかれ、母親ってわが子に対してそんなところがあるかなぁ… そうならないように理性を働かせる訳ですが、アズチューナは情念のまんま生きてるもんなぁ)
 そんな母を愛しげに見つめるマンリーコ…。
 この母子の心の中は、2人だけにしかうかがい知れない。誰にも入り込めない世界ですよね・・・。(マンリーコのお嫁さんは苦労するゾ)
 理性で考えれば非難されるべきこと満載の彼女だけど、息子の名を呼びながら戦場を彷徨う姿など、涙を誘うのも事実。母ってかなしい。――血のつながりはなくても、母は母だなぁ。
 「なんとやすなすと破滅の道を人はえらぶことか…」と、鋭い考察を閃かせたかと思うと、「マンリーコ、お前だけは守ってみせる」と、矛盾を極めたことを呟く。この人の心の闇は本当に深い。深すぎて怖すぎて・・・でも誰の心の底にもあるものかとも思う…。
 憎き伯爵の息子たちは、兄弟で殺し合い・・・母親の復讐は遂げられたけれど、彼女は一番大切なものを失ってしまった。
 「母さん、復讐を遂げました!」という最後の絶叫が虚しい――――。

パリア(大和悠河)
 正直いってカッコよかった・・・タニちゃんの成長に目を瞠りました。
 ・・・・でも、一番理解できなかったのも彼でした。理由のほとんどは、ルーナ伯爵の項に書きましたが。
 彼の行動が、仲間を破滅に導いていると思うんですよね。
 レオノーラを修道院からさらってこようとする時も、ルーナ伯爵が彼女を連れ去ろうとしたからって、「状況が変わった」と大勢の前で伯爵に剣を突きつけるのって・・・バカじゃないの?と思いました。死んだと思われていたマンリーコまで呼び出して。
 大勢の前で取り戻さなくなって、後でいいじゃない? マンリーコが生きていることは、こっそりレオノーラにだけ告げたらいいことじゃない?
 彼の見せ場になっている処刑前の場面での主張も、的外れだと思いました。あれでは誰も救えないばかりか、かえって状況を悪化させるばかり。
 ルーナ伯爵の家臣たちは、ジプシーを「人間ではない」と恐れ蔑んでいるけど、それを理由に皆殺しにしようとしているのではないし。
 彼らは、敵方の騎士の仲間として捕らえられたんですよね。
 ぼんやりとしか描かれていないけど、実は舞台であるアラゴンは内乱状態にあって、マンリーコはルーナ伯爵と敵対するウルゲル伯側の騎士なんですよね。ルーナ伯爵側にあったカステルロール砦を陥落したのはマンリーコの働き。ルーナ伯爵側にとっては、恋敵である以上に砦を奪った憎き敵なんですよね、マンリーコは。そのマンリーコの味方をしているのがパリアたちだから、捕らえられたら殺されるのは当然かと…。
 そもそも幼馴染みだからって、出世のために仲間を離れて主君(ウルゲル伯)に仕えているマンリーコの味方になるっていうのが、一族のリーダー的存在としては迂闊よね~。上手に距離を置くのが、彼らのような者たちの処世術だと思うんですが…。
 自ら死に赴く場面も…自分は殺されたとしても、他の仲間を生かす道を算段するのが彼の責任ではないの? 自分の主張のために、仲間を利用しているような後味の悪さ。残忍な記憶を残すためだけにあのシーンがあったとしか思えなくて納得できません。
 カッコイイのに残念でした。

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2005/09/22

炎にくちづけを~キャスト別#2

昨夜に引き続き、主要キャストの感想です・・・ (ネタバレしますー&敬称略でございます)

ルーナ伯爵(初風緑)
 この人、可哀想なんだよう~~!(涙)・・・でした。
 幼くして母を亡くし、父を亡くし、弟は誘拐されて(殺されて)天涯孤独。
 貴族の子弟にとって、父親が存命かどうかって重大問題。父の死を受けて、すんなり爵位を継げたかどうかもあやしいし、領主の若さや経験不足につけこんで、領地や財産を掠め取ろうとした輩もいたかもしれないし…。彼が人間不信に陥っていても不思議ではないと思うんです。
 乳母や家臣など周囲の者たちから、彼の不幸のはじまりはジプシーの所業によるもの…と繰り返し言い聞かされていたなら、ジプシーたちへの憎悪がつのっていったのも容易に想像できます。
 この物語の中の彼の行動は、彼の立場、彼の心情として、当然でまっとうなのでは?と思うのですが…。
 むしろ頑ななまでに自分の責任を果たそうとしているように思えます。

 そんな頑なな彼の心に吹いた春風が、宮廷で出会ったレオノーラなんだろうけど…。
 このお嬢さんがまた・・・型破りというかなんというか・・・(~_~;) ルーナ伯爵ったらコンサバなくせに(…だからこそかな?)、こういうお嬢さんに惹かれちゃうのね~。宮廷に他に妙齢のお嬢さんがいないわけじゃあるまいし・・・(いや、舞台にはレオノーラ以外誰一人出てこなかったけど…)
 そして、そのお嬢さんは、なんとジプシーの男を愛しているとかおっしゃるし・・・ (レオノーラって、マンリーコのルックスと歌声にめろめろな、とってもミーハーなお嬢さんなの…)
 強気なお嬢様をちょっと脅かしていたら(あんな場所で、ホントにご無体なことはしないと思う…上品なお育ちの人だもの)、見計らったように恋敵が登場して(薔薇なんか突き立てちゃって!)、なりゆきじょう剣を見せたら、相手は「殺せ! 殺してみろ!」と凄いテンションで迫ってくる・・・ お上品できっと低血圧な伯爵様にはついていけないっすよね~!(~_~;)
 よくわかんない相手のテンションに押されて、すっかり悪者を演じてしまう伯爵様。ああ…お気の毒~!(マンリーコってほんと、独りよがりで迷惑なヤツですよねー!)

 かつて自分の弟をさらい、焼き殺した女を、自分の、伯爵家の敵として、処刑することは、彼の立場からしても当然のことでしょう?
 マンリーコの行動は彼にしたら逆恨みだし。(母親をたすけたい気持ちはわかるけど)
 パリアの行動は、意味不明の言いがかりでしょう?(そもそもの発端=アズチューナの母の処刑が、偏見に由来する誤解とはいえ、アズチューナが赤子をさらって焼き殺すようなことをした事実は事実で、彼らはその仲間。「恐ろしいことをする者たち」であると恐れられてもしかたがないのでは…?)
 パリアは、問題を、「キリスト教徒vs非キリスト教徒」にしてしまったけど、あんな現場で、いきなりそんなこと言い出しても、誰も救えないやん?
 「宗教で差別するな」って、伯爵の行動の発端は宗教差別じゃないやん?
 「違うもの」への偏見、無理解、誤解が多大な憎悪を招いていった結果が今であるとしても、それをいきなり宗教差別だと糾弾しても、伯爵の心が動かされるはずがないやん? 伯爵が「殺せ」って言うのも無理はない。
 パリア、頭は良いみたいだけど、ズレとるよ・・・
 けど、このシーンでは、観客はパリアたちに同情しますよね。でもって、すっかり伯爵様は冷酷非道な悪者・・・ うわ~お気の毒すぎる・・・(>_<)

 そりゃあ、今の感覚からしたら、人を処刑する伯爵は人道を外れているように思えるけど、彼は中世の貴族であり領主なのだから、敵と戦うことが使命でしょ? 伯爵家と伯爵領の領民に害をなすものは滅ぼすのが彼に課せられた責任でしょう?
 なんで、あんなに悪者扱いされないといけないのーーー!って思うんです。
 マンリーコに「なぜ殺した!」と詰め寄られて、伯爵は「殺さねば、いつかはこちらが殺される」と答えますが、けっきょく問題はここでしょう? この誤解が解ければ、解決するんじゃないの?
 もちろん、容易に解ける誤解じゃないとは思うけど(そうだったら、現代まで問題を引きずってないし)、誰か、伯爵が口にしたこの「誤解」を解こうとした人が、1人でもいた?
 的外れなことで彼を責めて、悪者にしただけやん…。それで彼の心が動くわけない。誤解が解けるわけないやん…。
 本当に私は、ルーナ伯爵が気の毒でなりません。

 人を信じることが苦手な彼が、たぶん祈るような気持ちで信じようとしたレオノーラは、命懸けで彼を裏切るし…。
 独りよがりなマンリーコは、まるでキリスト気分で「赦しを」だし…。

 この物語では、主要キャストがそれぞれに孤独を歌うけれど、最も深く暝い孤独を抱えているのは、ルーナ伯爵だと思うな~。
 ガイチさんは、本当に頑なで純粋な、自分に課せられたものの重さから逃げない、不器用でかなしい青年伯爵を演じてたなーと思います。
 (ということで、今夜はルーナ伯爵だけで、力尽きてしまいました…(~_~;))

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2005/09/21

炎にくちづけを~キャスト別#1

初見ではぐったりでしたが、2回目3回目はそれなりにたのしみました。(^_^)
特に千秋楽は、皆気合い入ってた気がします。

ということで、キャスト別の感想――まずはトップコンビからです。(ネタバレしますー&敬称略でございます)

マンリーコ(和央ようか)
 若くて愚かな若者をタカコさん大熱演! 庇護欲そそる主人公でした。
 彼を気遣って「幼馴染みじゃないか」っていうパリアのほうが年上かな?と思いました。
 そして気の遠くなるようなマザコンっぷり。でもそれにはきっと理由があって、この年まで様々な場面でアズチューナが彼を狂おしいほど庇い愛してきたからじゃないかと思います。
 伯爵家の赤ん坊だった彼は、当然ジプシーたちとは顔立ちも違ったでしょう。こういう「違い」に人は敏感。ともすれば排除の方向へ走ったりもする…。そうならなかったのは、ジプシーたちの懐の深さもあるかもしれないけれど、何かとアズチューナが心を砕いたのかも…。
 仲間たちもちゃんと受け入れてはいるけれど、「マンリーコは不死身さ」とか、ある意味、彼を特別視しているところがありますよね。
 マンリーコが仲間たちを離れて宮廷での出世を選んだのも、アイデンティティの不安に起因するところがあったのかもーと。
 彼が漠然と抱えている孤独。それがレオノーラの抱える自意識・孤独と結びついて、2人の魂は離れられない関係になったのかな。
 自分の出生の秘密を明かすアズチューナの言葉を受容する姿。驚きもあるけれど、「やっぱり」という気もしたのではないかな。(まさか、ルーナ伯爵家の血筋とかは思ってなかったでしょうけど)
 アズチューナの告白に対しては、普通ならもっと驚愕しそうだけど、きっと今までも母が自分のことに関してはエキセントリックになるのを見てきていて、ちょっと慣れっこな部分もあるのかもしれないな。
 他の誰にもわからない強い絆で結ばれあった母子だなぁと思います。
 火刑にされた母を目の当たりにし、自らわが子を炎に投げ込んだことを覚った時から、アズチューナは狂気の淵に落ちてしまっているんでしょうね。そんな母に全身全霊で愛され、狂気の母を守るのは自分だという自覚を、幼い頃から育んで生きてきたのがマンリーコじゃないかな。そこを否定したら、彼は生きていられない人なんだろうな、と思います。
 レオノーラが伯爵と取引きをしたと責め立てるマンリーコの激しさも、若さゆえもあり、自分に残されたものはそれだけだったのに、という思いもあるだろうけど、どこか愛情に執着せずにはいられない彼の心の闇を見たような気がしました。

レオノーラ(花總まり)
 いや~愛を乞われる乙女って、どこまでも傲慢よねーと思いました。
 ルーナ伯爵、作戦ミスだよな~。
 自意識過剰で、自分に求愛する者は見下して、どんなに傷つけてもかまないと思っているところ・・・乙女なのよねー。お嬢様なのよねー。いやはや・・・(私は伯爵にすーごい同情してました…^_^;)
 心配する侍女に対しても、あのものの言いよう。さすがだわ・・・。
 そして、こんな傲慢な乙女ほど、自分が惹かれる相手には、何もかも投げ出し、ひれ伏すものよね~と。
 もうちょっと周りが見えんのかい?と思うけど…見えないんだろうなー。自分こそが自分の物語のヒロインだもんね。自分の思いを遮る者は敵(悪)で、自分の思いを助ける者は善なのね。
 悲劇を呼び込む体質だわ・・・と思いました。
 花總まりちゃんのレオノーラ、どこをとっても役(レオノーラ)として綻びが見えない・・・完璧! パーフェクト!と思いました。

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炎にくちづけを~初見の感想・まとめ

ゆうべは長々と書いてしまいましたが、
ようするに、宝塚(演劇一般でも同じ)を観に行く私は、
 「作家の主張を聞きたいんじゃない」
 「心を動かされるのは正論じゃなく、正論に向き合う心の様なの」
 「人間を、ドラマを見たいの」
 「物事の、その是非の判断は、見る側に委ねてほしい…」
ってことですね…。

簡単にまとまってしまった.・・・・(ガックシ)
昨夜の長々とした文章はなんだったのだろう・・・・(渺)
 

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2005/09/20

炎にくちづけを~初見の感想

昨夜は唐突に書き込みましたが、ステラマリス以来8ヶ月ぶりに宝塚大劇場へ行ってまいりました。
楽前日の2公演と大楽を見ることができたのですが・・・・

正直、炎~の初見では、どうしたものかと思いました。
あと2回見る予定なのだけど、耐えられるだろうか?と。
あれほど苦手と言い張っていた「ベルばら」が恋しくさえありました。

それはおかしい、こんなの変、んなハズないやんか・・・と心の中はつっこみでいっぱい。
「これを作ったのは30年前の大学生?」とか思っちゃったり。
登場人物に共感するどころではなく、「いったい何をどうしたいわけ?」と演出家の顔ばかりが浮かんでくる…。
とても辛い観劇となりました。

(以下、大いにネタバレしますー)

簡単なところでいうと、
「なんでスペインなのに『ジーザス』なの? しかもそのすぐ後には『イエス・キリスト』ゆうとるし…」とか、
「この物語のキリスト教観は、いつ頃のものを採用しているの? 物語の舞台の15世紀? オペラの初演の19世紀? それとも現代?」
「・・・てか、パリアたちジプシーには現代感覚をもたせて、対してルーナ伯爵側には15世紀の価値観をもたせて(宗教改革よりはるか前の感覚)、人間的でないと糾弾するのは、フェアじゃなくない???」
「・・・てか、ジプシーのパリアが『ジーザスは、××と言ったが…』とか言うのはおかしくないの??? もしかして、パリアって聖書を読んだの? どこで? それとも彼にキリストについて語ってくれた人がいたの? ・・・って、パリアって一体何者?(印刷技術が進んでいないこの時代、本を読めるのは希人でしょ・・・)」

「20歳のマンリーコと幼馴染みゆうとるパリアだけど、この悟り方は何? 対してマンリーコの餓鬼っぽさは・・・? いやマンリーコが普通な気がするし・・・やっぱりパリアは謎キャラ・・・」
「アイーダの主張とかパリアの遺言とか、作者、自分の主張を登場人物に語らせすぎ…(しかもひねりもないし…)」
「『おまえら』って言葉、嫌い!!!」
「自分以外の人間は皆愚かで、自分だけが正しくて孤独…というヒロインってなぁ・・・。いやはや若いよなぁ・・・(16才だもんなぁ)。そう言ってしまう人の苦しみとか哀しみとか人生とか、わからないんだろうなぁ・・・」
「彼もまたひとりの罪人にすぎないマンリーコが『すべての人に赦しを』というラストはあまりに傲慢な気がする…」
などなどなど。
ほかにも言葉にできないひっかかりがいっぱい・・・。

唯一共感できたのが、パリアたちが処刑された後のジプシーの女たちの歌。
あゆみ(鈴奈)さん凄いよ…! 彩苑さんもあおいちゃんもまちゃみもいづみちゃんもたっちんも!(宙組が誇る歌姫たち!)
どんなにわだかまっていても、ここは涙がでてしまいました。

なんていうのかなぁ。作家さんが言いたいことはわかるんだけど、とっても。
でも、あまりにもそのまんますぎて・・・。
言いたいことがあって、資料もたくさんあたったりしたのだろうけど・・・
都度都度、湧き上がったもの思いついたものを、そのまんま出しました! ってカンジで。
もっと熟成させて、登場人物の言葉にしてほしいなぁって思うんです。

「よ~~く聞いとけよ」っていう気持ちはいいけれど、だからって、登場人物にそのまんま「よ~~く聞いとけよっ」って言わせるのは、聞かされる者にとっては、快いものではないです。
その不快感が障壁になって、「思い」が直に心に沁みてこないんですよ。
2回目以降の観劇では、そのへんを覚悟して臨んだので、彼らの言葉がだんだん沁みてきましたけどね…。

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ガイチさんのサヨナラショー

宙大劇場の千秋楽を観て来ました。
とりわけ心に残ったのは、やっぱりガイチさんのサヨナラショー。

1曲目が「シャレード」で、とってもとってもうれしかったです。生を聴けて鳥肌が立ちました。
私が初めてガイチさんを知ったのが、月組「大海賊」のビデオに一緒に収録されていた「ジャズマニア」。
ことにこのシャレードが好きで好きで…何度も巻きなおして見たほどでした。

ふつう宝塚ファンの方だと、シャレードっていうとタータンさんが印象深いようですが、私にとってはシャレード=最初に聴いたガイチさんの歌、なんです。
なので、サヨナラショーで歌ってくれたらいいなと思っていたら、なんとなんと最初に歌ってくれて…。大階段に1人で立たれている後姿から始まって、このイントロは?と思っていたらやっぱりで・・・感激でした。
そして…タニちゃんとるいちゃんが、ガイチさんの歌で、あの白×紫の衣裳でデュエットダンスを・・・・。初っ端から涙でそうでした。
よもやよもや、あのビデオで見て大大大好きだったシーンを、この目で生で見れるとは…(涙)。しかもガイチさんの最後のショーで・・・。うれしいようなフクザツな…。
本当にしっかりしっかり堪能させていただきました。

もう1つ、ガイチさんで鳥肌モノで好きだったのが、白昼の稲妻の劇中劇の時の歌(シャウトする歌い方がカッコよかった!)で、これはきっとタカコさんとの絡みで聴けるんじゃないかなと期待していたのですが、選曲されていませんでした。残念。
というか、タカコさんとの絡みが全然なかったんです。ちょっとびっくり。

タカコさんだけじゃなくて、他の宙生徒さんとの絡みもほとんどなくて、
 ・シャレードでタニ×るいのデュエットダンス、
 ・曲名はわからなかったけど聞き覚えのある曲で同公演で退団の聖野花珠ちゃん×綾花ちかちゃん(たぶん)の白い衣裳のデュエットダンス、
 ・ガイチさんお着替え中にジャズマニアから「ハウ・ハイ・ザ・ムーン」とかをあひちゃん・ともちん・あおいちゃん?・たっちん?の4人で歌ってつないでいたのと、
 ・「タカラヅカ・グローリー」の主題歌の時にいっぱい組子さん(全員?)が出てきたのと…
上記以外は、ガイチさんが1人で歌って歌って歌って…ってカンジでした。

1人であの劇場空間に染み渡るような歌声を聞かせてくれたガイチさん。
もう一度あの「シャレード」が聴きたいよう~~(>_<。

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